tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

経済成長を取り戻す方法 その6

2010年04月22日 15時37分26秒 | 経済
経済成長を取り戻す方法 その6 
 これまで見てきましたいろいろな面から感じることは、日本経済の低迷の本当の原因は多分、国民が政府を信頼しなくなったことから来ているのではないかということです。 
 政府が当てにならないから、自分の身は自分で守らなければならない、だから少しでも貯蓄をして将来に備える。 これが今の日本人の多くの心情ではないでしょうか。

 戦後の復興期からバブル崩壊まで、日本人は先行きに期待を持てるときには企業も家計も活発に投資・消費を行ってきました。1980年代には、日本人は、海外からはジャパンアズナンバーワンといわれ、自分たちに自信を持っていました。

 当時は、車は高級車から売れ(シーマ効果などという言葉がりあました)、列車の席はグリーンから埋まるなどといわれたことをご記憶の方も多いと思います。
 しかし、豊かさが本物だったのは80年代前半までで、1985年のプラザ合意による円高とバブル(二大失政)の時期以降は、過大評価された「円」と金余り故の錯覚の豊かさでした。

 80年代後半には、賃金は世界一高くても、物価も世界一高いから生活は必ずしも豊かでない、サラリーマンがいくら働いてもまともな家は持てない、といったひずみが膨張していました。そして1991年、バブル崩壊で奈落に落ちたのです。まさに政府の経済政策の失敗によるものです。

 そして次第に日本人は、政府を信頼しなくなってきたようです。家計は貯蓄をし、企業は生き残りをかけて技術開発に専心するのですが、生活は苦しくなるばかり、高度技術の製品も価格が高すぎアジアの低価格品に負ける、といった状況になり、出口の見えない「失われた10年・20年」となります。

 政府を信頼しなくなった国民は、新しい政治のリーダーシップを求めて、小泉改革に雪崩を打ってみたり、格差拡大という幻滅から今度は、民主党への政権交代を選んでみたのでしょう。
 しかし新政権も、あんなに素晴らしかった日本経済が何故こうまで落ち込んでしまったのか、どうすればここから脱出できるのか、国民に示せていません。

 このままでは、国民はまた幻滅し(すでに幻滅途上か?)、ますます防衛的になるでしょう。国民の「縮み志向」は、容易に止まりません。これでは経済活性化は夢のまた夢です

 今、国民が欲しているのは、成長経済に復帰するための具体的な方法を明確にし、解りやすく国民に示して、国民に協力を要請することでしょう。
国民がそれを理解してその気になった時、日本経済の復活は緒に就くはずです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。