tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

経済成長を取り戻す方法 その5

2010年04月19日 10時23分12秒 | 経済
経済成長を取り戻す方法 その5
 前回の計算で、消費税を今の4倍から6倍に増やさないと、GDPは使いきれないらしいという事は計算できたのですが、これは消費税率を20~30パーセントにするということです。

 丁度今の北欧諸国の水準がそのようなところです。日本の政府にそんなことが出来るかどうかですが、そこにはまた別の問題もあるような気がします。

 こんな大幅な消費税の増税は、多分一度には出来ないでしょうから、段階的にやることになるのでしょう。
そのたびに、消費者物価が上がります。年金や医療、学費や子育て支援がすぐに安心できる水準に改善されるわけではありません。かなりの時間がかかるでしょう。

 今までの経験で言うと、その間、日本人は、相変わらず将来不安を感じ続け、その結果、将来のために備えて貯蓄を増やす可能性があります。国民が貯蓄を増やせば、またGDPは使いきれないことになります。増税と消費縮小の悪循環のようなことが起こりそうです。

 それでは日本経済の縮小均衡は変わらないことになってしまいます。さらに、貯蓄超過は経常黒字になって、日本経済を最も苦しめている円高圧力も変わらないことになってしまいます。

 こんな事になってしまうのも、「失われた10年」(現実には20年?)の中で、日本人が、将来への自信と国への信頼とを見失ってしまっているからでしょう。

 経済は人間がやっていることですから、人間が何を考えているかで決まると何度も書いてきたのも、こうした現実を、経済理論だけで解決できるという考えが誤ったものだという事を理解して頂きたかったからです。

 プラザ合意以降、日本の政府も日銀も、日本経済運営について大きな過ち を続けてきました。円高を放置したり、極端な金融緩和をやってバブル経済とその破裂をもたらしたり、その結果、経済成長のないデフレ経済を20年も続けてしまって、しかも、国民に「これは、政府のこれこれの失敗が原因でした」「今後は失敗しないようにします」という説明をしていません。

 国民は、もう余り政府、日銀に信頼感も期待も持てなくなっているのではないしょうか。縮小均衡経済は、国民が政府を信用しなくなった 結果 なのかもしれません。


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