アメリカ緊急経済対策の効果
サブプライム住宅ローン問題の発生で、アメリカ流の、いわゆる「高度な金融工学」も馬脚を現した形ですが、アメリカ経済運営そのものも馬脚を現すことになるのか心配されます。
もともとアメリカは「100生産して105食べている」といわれる経済構造で、個人はそのギャップを住宅価格の値上がりによる担保融資の増加(いわゆるcash-out refinance)で確保し、国全体としては、収入に対する支出の超過部分が、年々数千億ドルの経常収支赤字になってきていることは皆様ご承知のとおりです。そしてその赤字分については黒字国からキャッシュフローとして還流させ、総合収支では辻褄を合わせていたわけです。その還流を順調にするための金融工学だったということなのかも知れません。
しかし、如何に金融工学を駆使しても、不良債権は優良債権にはなりません。サブプライムローンで世界に迷惑をかけ、迷惑をかけた国の金融機関などに奉加帳をまわしてお金を集めよとしましたが、これは当然上手くいきません。
もうひとつ、アメリカを好況にすれば、資金が流入してくると考えて、今、大幅な金利引き下げを筆頭に総力を挙げて景気対策を打っています。金融業界は評価するかもしれませんが、アメリカの消費者は、住宅価格が持ち直さない限り消費に回す金がないのではないでしょうか。消費が7割のアメリカ経済です。これは大きな痛手です。
まともな経済理論で考えれば、これをきっかけにアメリカが、次第に「100生産して100か98食べる国」になっていくということでしょう。これは健全化の道ですが、当然そのプロセスで不況を伴います。
アメリカは遮二無二不況を回避しようとするでしょう。成功の確率はそう大きくないと思います。そしてもし成功したとしても、つまりは問題をさらに大きくして先送りするということになるだけではないでしょうか。
サブプライム住宅ローン問題の発生で、アメリカ流の、いわゆる「高度な金融工学」も馬脚を現した形ですが、アメリカ経済運営そのものも馬脚を現すことになるのか心配されます。
もともとアメリカは「100生産して105食べている」といわれる経済構造で、個人はそのギャップを住宅価格の値上がりによる担保融資の増加(いわゆるcash-out refinance)で確保し、国全体としては、収入に対する支出の超過部分が、年々数千億ドルの経常収支赤字になってきていることは皆様ご承知のとおりです。そしてその赤字分については黒字国からキャッシュフローとして還流させ、総合収支では辻褄を合わせていたわけです。その還流を順調にするための金融工学だったということなのかも知れません。
しかし、如何に金融工学を駆使しても、不良債権は優良債権にはなりません。サブプライムローンで世界に迷惑をかけ、迷惑をかけた国の金融機関などに奉加帳をまわしてお金を集めよとしましたが、これは当然上手くいきません。
もうひとつ、アメリカを好況にすれば、資金が流入してくると考えて、今、大幅な金利引き下げを筆頭に総力を挙げて景気対策を打っています。金融業界は評価するかもしれませんが、アメリカの消費者は、住宅価格が持ち直さない限り消費に回す金がないのではないでしょうか。消費が7割のアメリカ経済です。これは大きな痛手です。
まともな経済理論で考えれば、これをきっかけにアメリカが、次第に「100生産して100か98食べる国」になっていくということでしょう。これは健全化の道ですが、当然そのプロセスで不況を伴います。
アメリカは遮二無二不況を回避しようとするでしょう。成功の確率はそう大きくないと思います。そしてもし成功したとしても、つまりは問題をさらに大きくして先送りするということになるだけではないでしょうか。