先週金曜日の6月6日、総務省から「家計調査」の家計収支編が発表になりました.新年度のスタート月ですから何か変化があったかなと思っていましたが、相変わらずのようで、マスコミもあまり取り上げていませんでした。
このブログでは、消費支出の活発化が日本経済を救う、という視点から、2人以上世帯の消費支出をはじめとして、特に、勤労者世帯の平均消費性向を毎月追っていますので、4月の動向も確り見てみました。
まず、平均消費性向のグラフを載せておきます。後ほど説明しますが4月は前年比0.2ポイントの上昇でした。
3月は、年度末ということもあったのでしょう。またコメの値段が前年の2倍を超えて上がってきているといった状況の中で、否応なしに消費支出は増えていましたが、4月は、新年度早々、賃金上昇のあった家計も結構あったかと思いますが、家計は、改めて新年度の計画を立て無駄な消費はしないという心構えのようです。
二人以上世帯の消費支出は、対前年で見て、年末の12月に2.7%の伸びでしたが、1月は0.8%の伸びになり、2月は-0.5%、3月に2.1%と順調に見えましたが、コメなどの物価上昇でやむを得ずという感じでした。そして4月は-0.1%と抑制気味です。あらあためて新年度は、しっかり計画的にということでしょうか。
増えている消費項目は、食料、自動車関係費、交通・通信といった物価上昇でやむを得ずというものが多く、積極的な消費としては住宅関係(リフォーム?)、それに教養娯楽です。教育は名目支出は-0.8%ですが、高校無償化で物価が下がる計算になるので、実質支出は5.1%という結果になっています。
4月の実質消費支出の伸びが-0.1%で済んでいるのはこの影響が結構大きいようです。
二人以上勤労者世帯について見ますと、気が付くのは家計の名目収入が4.1%増と結構増えていることで、世帯主の定期収入は4.3%対前年増加、可処分所得(手取り)は5.0%増です。ただし消費者物価上昇(総務省は帰属家賃を除く計算方式)4.1%なので、実質は0.9%の増です。(4月の実質賃金はマイナスでも家計の収入は実質プラスです。
そして消費支出は頑張って5.3%増やしていますから、平均消費性向は前年比0.2ポイント増の76.4%となっています。
コメの値上がり、高校無償化、電気・ガスの補助金の変動など、人為的(政治的)な要因が入っていて、傾向的な動きをつかむのは難しいですが、春闘の結果の名目賃金上昇、節約の傍ら、積極的な消費の気配も多少見えます。
このとこと備蓄米の米価に与える効果の議論が盛んですが、家計の健闘で消費不況脱出の動きが出るか目が離せないところです。