就活ルール、政府主導へ・・・?
新規学卒の就職活動のルール、いわゆる就活ルールについて、去る9月、経団連会長が、経済団体として采配することには「極めて違和感がある」として「採用選考に関する指針」からの撤退(2021年卒から采配をやめる)を表明しました。
これに対して、安倍総理は、現状のこのルールは(学業と就職活動のバランスという立場から)、みんなで守って欲しいという発言をしていました。
経済団体の間でも、マスコミ上でも、ネット上でも、賛否両論が伯仲していたようで、どちらに軍配ということにはならなかったようですが、経団連はその役割から降りることを決めたようです。
就活ルールについてはこのブログでは、一応の意見を述べていますが、その後どうなるかと経過を見ていました。
現状の就活ルールを前提に、安倍総理は「守るべき」と発言していましたが、具体的な動きを見ますと、経済界を抜きにして、政府主導で大学側と話し合いを進めるのではないかという様子も見えるようです。
最近の動きでは、安倍総理率いる第4次安倍改造内閣は、一昨日、首相官邸で「未来投資会議」を開いて、生涯現役社会を目指し、全世代型社会保障制度改革を進め、その中で「雇用制度の改革」を検討するということのようです。
雇用制度改革については、まず高齢者が働き続けられる環境を整備し、社会保障制度の安定化を図るとともに、日本型雇用慣行を見直すことの中で、「 新卒一括採用の見直し」や、中途採用の拡大の重視についても、具体的な検討を進めることを考えているようです。
現状では、この会議での検討が、就職ルールについてどんな方針を出すのか予測の外ですが、学生、大学、企業が夫々に意見を持ち、これまで何十年もも試行錯誤を繰り返している問題を、政府主導(大学と企業の代表も1人ずつ入っていますが)で決めて「みんな守れ」といっても簡単にうまく行くとは考えられません。
働き方改革もそうですが、現政権は日本的経営についての理解が極めて薄いように思われます。日本では企業は人間集団で、欧米とは背景の文化が違います。今の企業は、リーマンショックの後遺症で日本的経営を踏み外したりしていますが、いずれ戻るでしょう。
日本的経営は「人間中心と長期的視点」の2つが特徴で、そのベースには「人間の育成には時間がかかる」という本質の理解があるのです。
新卒一括採用は、 若年層失業率を世界でもダントツに低くしていますし、生真面目で勤勉な社会人の育成に大きく貢献してきています。
これは、企業が新卒採用を控えた就職期氷河期世代の経験からも明らかです。
実は戦後からの経験で、現場ではあるべき姿はほぼ見えてきているのでしょう。当事者が皆、余り従いたくないようなルールを作ってみても、「労多くして功少なし」ということになるのではないでしょうか。
当事者同士が何十年もいろいろやってきて結局うまく行かないものを、政府が頭ごなしに決めてみても、役に立ちそうにありません。
何より、日本の文化・社会・企業の在り方に適したものでないと、「人」に関わる問題はうまく行かないものだとつくづく思うところです。
新規学卒の就職活動のルール、いわゆる就活ルールについて、去る9月、経団連会長が、経済団体として采配することには「極めて違和感がある」として「採用選考に関する指針」からの撤退(2021年卒から采配をやめる)を表明しました。
これに対して、安倍総理は、現状のこのルールは(学業と就職活動のバランスという立場から)、みんなで守って欲しいという発言をしていました。
経済団体の間でも、マスコミ上でも、ネット上でも、賛否両論が伯仲していたようで、どちらに軍配ということにはならなかったようですが、経団連はその役割から降りることを決めたようです。
就活ルールについてはこのブログでは、一応の意見を述べていますが、その後どうなるかと経過を見ていました。
現状の就活ルールを前提に、安倍総理は「守るべき」と発言していましたが、具体的な動きを見ますと、経済界を抜きにして、政府主導で大学側と話し合いを進めるのではないかという様子も見えるようです。
最近の動きでは、安倍総理率いる第4次安倍改造内閣は、一昨日、首相官邸で「未来投資会議」を開いて、生涯現役社会を目指し、全世代型社会保障制度改革を進め、その中で「雇用制度の改革」を検討するということのようです。
雇用制度改革については、まず高齢者が働き続けられる環境を整備し、社会保障制度の安定化を図るとともに、日本型雇用慣行を見直すことの中で、「 新卒一括採用の見直し」や、中途採用の拡大の重視についても、具体的な検討を進めることを考えているようです。
現状では、この会議での検討が、就職ルールについてどんな方針を出すのか予測の外ですが、学生、大学、企業が夫々に意見を持ち、これまで何十年もも試行錯誤を繰り返している問題を、政府主導(大学と企業の代表も1人ずつ入っていますが)で決めて「みんな守れ」といっても簡単にうまく行くとは考えられません。
働き方改革もそうですが、現政権は日本的経営についての理解が極めて薄いように思われます。日本では企業は人間集団で、欧米とは背景の文化が違います。今の企業は、リーマンショックの後遺症で日本的経営を踏み外したりしていますが、いずれ戻るでしょう。
日本的経営は「人間中心と長期的視点」の2つが特徴で、そのベースには「人間の育成には時間がかかる」という本質の理解があるのです。
新卒一括採用は、 若年層失業率を世界でもダントツに低くしていますし、生真面目で勤勉な社会人の育成に大きく貢献してきています。
これは、企業が新卒採用を控えた就職期氷河期世代の経験からも明らかです。
実は戦後からの経験で、現場ではあるべき姿はほぼ見えてきているのでしょう。当事者が皆、余り従いたくないようなルールを作ってみても、「労多くして功少なし」ということになるのではないでしょうか。
当事者同士が何十年もいろいろやってきて結局うまく行かないものを、政府が頭ごなしに決めてみても、役に立ちそうにありません。
何より、日本の文化・社会・企業の在り方に適したものでないと、「人」に関わる問題はうまく行かないものだとつくづく思うところです。