tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

「隠すより現る」

2017年06月01日 13時46分38秒 | 社会
「隠すより現る」
 国際情勢の不安定、国内政治の混乱にもかかわらず、さらに、先行き不安からくる深刻な個人消費の伸び悩みにもめげず、日本経済は、国際的に見ても、比較的健全に安定成長に向かって進む様相を見せています。

 日本国民そして日本企業は(例外がないとは言いませんが)真面目に、堅実に自分たちのやらなければならないことをきちんとやっているようです。消費不振にしてからが、日本の消費者の真面目さ、堅実さの表れでしょう。

 そういう意味では、日本の政治家は楽だと言えるのではないでしょうか。こんなこと書くのも、国会で問題になっていることと、いま日本の政治がやらなければならない本当に大事な事との間に大分距離感があると思うからです(例:籠池、加計 etc.)。

 ところで、このブログでは、ポピュリズムのもたらす問題についてはずっと書いてきていますが、理由は、ポピュリズムというのは、「人気のあるものが正しい」という世界ですから、時に大変困ったことも起きるように思うからです。

 「人気」というのは、時に大変浮気なものですから、長い目で見て、「人気のあるもの」と「正しさ」とは関係ないことも、往々にして起こり得ます。
 アメリカは、トランプ大統領を選択しましたが、これもポピュリズムの結果のようで、その後の政治運営はギクシャクです。

 ここで話は本題ですが、トランプ大統領のFBIコミー長官解任から端を発した「ロシアゲート」はニクソン大統領を追い詰めたウォーターゲートを想起させています。今後の事は解りませんが、「隠すより現る(注1)」(ポピュリズムの失敗)でないことを祈ります。

 諺は、時に人間の心理を穿ち、真実を人々に知らせ、世の誤り(ポピュリズム?)を正す効果を持ちますが、最近の日本では、安倍政権に対し「李下に冠を正さず(注2)」がよく言われます。

 真実は知りませんが、籠池、加計共に、知人だから便宜を図ったと多くの人が思っているからこうした諺が持ち出されるのでしょう。
 安倍さんも、その周辺も、疑惑の打ち消しに懸命で、そのようなことは「全くない」といった強い断定的な口調で否定します。
「あった」という人間が現れると、人間性否定まで試みて虚言だとします。

 これも今後の事は解りませんが、「隠すより現る」でないことを祈るばかりです。
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  注1:「隠すより現る」あまりしつこく隠すので却って本当だとばれてしまう。    
   注2:「李下に冠を正さず」立派な人は疑われるようなことはしない