tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

格差問題への回答

2017年06月24日 15時18分26秒 | 社会
格差問題への回答
 世の中で発生するいろいろな問題を考えるとき、解り易くて便利な方法として、こんなものがあります。
 私は「スペクトラム法」とか「真理は中間にあり」方式とか勝手に名付けていますが、それはこんな方法です。

・先ず、相対立する議論のそれぞれを徹底した極端までもっていってみます。
・そうすると通常、そこでの議論は、その右から左までの広がり(スペクトラム)の中のどこかに「解」があるはずという事になります。
・その点で一致すれば、「それなら『解』がその中間の何処にあるか、<真理は中間にあり>ということで探しましょう」という事になって、議論に無駄がなくなるという事になるはずです。

 例えば、「自由」と「平等」は対立概念です。自由がいいという人は規制などは皆外して自由にやらせろと主張し平等は消えます・平等がいいという人は「何事もみんなに平等に」と主張し、自由はなくなります。

 労使交渉でも、利益は要らない全部賃金に、という主張も、賃金は最低賃金で、後は利益に、はどちらの現実には成り立ちません。

 理想を掲げた原理主義どうしの対立は解決のしようがありませんが、現実の人間社会では双方が折り合って(妥協して)社会が安定して成り立つ点を探し、そこで話をまとめる事が大事でしょう。
 
 概念的に言えば、自由と平等の中間の妥協点として「正義」が定義され、労使の分配では適正労働分配率探しが始まることになります。

 このプロセスを辿ることで、「← →」という逆方向のベクトルが「→ ←」に代わるはずです。ただしこのプロセスも順調ではなく、時に元に戻ろうとする議論になったりします。その時はまた「それだと結論は出ませんよ」と議論を引き戻すことが必要です。

 最近格差問題が議論の的になっています。トマ・ピケティは、放っておけば「格差は広がり続けるもの」と指摘しました。
 以前は世界でも格差が少ない国だった日本でも、最近は格差の拡大が言われ、さらに格差の固定化も言われたりします。

 格差問題に、この方式を活用したらどうなるでしょうか。