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tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

2015年10-12月のGDP速報

2016年02月16日 12時04分17秒 | 経済
2015年10-12月のGDP速報
 内閣府が昨日、2015年第4四半期(10-12月)GDP速報を発表し、「内閣府が15日に発表した2015年10-12月期の実質国内総生産(GDP)は前期比0.4%減で、年率換算では1.4%減だった」といった報道が見られました。

 4-6期はマイナスで、7-9月期はプラスでしたが、またマイナス、政府は安定成長の基調に変わりはないといいますが、国民の気持ちは何となく晴れません。

 10-12月期は暖冬で冬物の需要が低迷、0.4%の内訳は、内需はマイナス0.5%、外需が0.1%のプラスで結局差し引き0.4パーセントのマイナスです。 何かさえないで日本経済すね。

 確かに、内需不振、特に消費需要の不振は、どう見ても明らかです。需要のないところに経済の拡大はありません。
 今の日本経済は「成長のカギは消費拡大にあり」というのは明らかです。しかしGDPマイナスなどと聞けば、財布の紐はますます固くなるでしょう。

 それを緩めようというわけではありませんが、短期の統計に一喜一憂せず、長期の傾向を見ようという立場で、対前年同期比の数字(実質)を見てみます。

 2015年の1-3月期から10-12月期までの4四半期のGDP対前年同期比の数字の動きは順に、-1.0% +0.7% +1.7% +0.5% です。消費増税の影響が消えた今年度に入ってからは 1年前に比べれば、上げ幅は小さいですが、着実にプラスであることが分かります。

 これだけ真面目に働いているのだからプラスは当然ともいえますが、いくら働いてモノやサービスを生産しても、買ってくれる人がいなければ売上高にもGDPにもなりません。
 経済成長というのは、生産と需要がバランスのとれた成長をして初めて実現します。

 2015年10-12月期の対前年同月比の消費支出(実質)を見ますと、民間最終消費支出-1.1%、家計最終消費支出-1.2% 持ち家の帰属家賃を除くと-1.7%です。
 自宅に住んでいる人は現実には家賃を払いませんから、-1.7%が現実感覚ということでしょう。

 民間住宅、民間企業設備(実質)の対前年同期比は、それぞれ +4.7% +3.7%と伸びています。しかし需要の6割強を占めるのが消費支出です。

 暖冬で冬物需要が少なかったにしても、消費支出の減は異常です。この問題についてはこのブログは繰り返し採り上げて来ていますが、統計数字上からも、日本経済の問題点がますますはっきりしてきたように思われます。