tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

ユーロ問題とは何なのか

2013年02月27日 17時14分31秒 | 経済
ユーロ問題とは何なのか
 アベノミクスによる円安転換も、早速試練に直面したようです。円安転換は、まだ口先かゼスチャーの影響の範囲だったのでしょか。「何かあれば円高」という慣例は、そう簡単には消えないようです。さて、安倍総理、日銀新総裁の打つ手は何でしょうか。

 ところで、今回のイタリアの選挙で、緊縮・耐乏政策への強い反発の実態が見え、厳しい態度を示すドイツのメルケル首相への反感が改めて言われたりしているようです。イタリアらしいと言えばそうかも知れませんが、事は単にイタリアではなくユーロ圏単位の問題になっているので、本来のアプローチとすれば、イタリアに任せるのではなく、ユーロ参加国が責任を持って、問題解決に当たるべきでしょう。

 もちろん通貨は共通でも、政治は国単位ですからという言い訳はあるでしょうが、世界中が大きな影響を受けるのは、事が単にイタリアではなく、ユーロ圏という大きな経済単位の問題にならざるを得ないからですから本来ならそれが当然の姿勢でしょう。

 耐乏生活が嫌だというのは何処にも共通です。しかし、今まで身の丈以上の生活をしていたツケが回って、緊縮生活を強いられているのです。GDPも身の丈まで下がって(マイナス成長)、生活水準も稼ぎに応じたものに緊縮しない限り問題解決の方法はないのですから、イタリア人はその単純な事実を理解し、ユーロ加盟国も、共同体としての責任を持ってイタリアを説得し、世界経済の安定に責任を持つ努力をすべきでしょう。

 それが出来ずに、イタリアの不行跡が黙認されるようなことになれば、スペインも、ポルトガルも、再びギリシャもと問題は次々に繰り返される可能性が否定できなくなります。
 現在は「変動為替相場制」というシステムの下ですから、その度にユーロ安が繰り返され、国際投機資本はビジネスチャンスが多くて大喜びかも知れませんが、世界の実体経済にマイナスの影響をもたらすようなことは、EUとしても不本意なことでしょう。

 放置すれば、それこそ、ユーロ圏は、そうした動きを利用して、いつでも為替操作を自由にできる手段を握ったと批判されそうな気がします。私の僻目でしょうか。