日本経済の直面する奇妙なジレンマ
ムーディーズが日本の国債のランクを引き下げました。以前も書きましたように、こんなことは本気で騒ぐほどのことではありません。日本経済に対する市場の信認は「円高」が示しています。
ムーディーズは、財政の大幅赤字、地震、津波、原発事故などの災害復旧の遅れ、加えて、政治の混乱などを挙げ、早くきちんとすべきだといっているようです。
ムーディーズにいわれなくても、日本では土光さんの昔から、財政再建が大きな課題だと認識していますし、いざとなれば、きちんとやるでしょう。
やらなければならないことをやるときに、日本人は過激なデモや暴動や破壊、略奪などで、社会を混乱させるようなことは無いと思います。
日本の財政赤字は、政府の借金ですが、国民にとっては貯金で資産です。満期まで持っていれば、額面で償還される、と信頼するからこそ、国民は、安全な資産として国債を持つのです。
インフレが来れば、国債は目減りします。しかし、日本人は、インフレを起こさないための方法についても、成功の経験 を持っています。国内の話ですから、為替問題はありません。
しかも日本国債は95パーセント以上日本人が持っているので、外国に迷惑をかけることもほとんどありません。
ところで、ムーディーズがアドバイスするように、日本が政治の安定や、増税による財政再建を順調に軌道に乗せたらどうなるでしょうか。多分「円はますます堅実な通貨だ」ということで、更なる円高になるでしょう。$1=¥50 などといいうことになったら、日本産業はどうなるでしょうか。
堅実な経済運営をすればするほど、円高にさせられて日本経済が苦境に立つことは目に見えています。この奇妙なジレンマを考えるとき、矢張り今のマネーマーケットのシステムは「どう考えてもおかしい」ということになるのではないでしょうか。
何度も指摘してきていますが、マネーの世界は、変動が大きいほどビジネスチャンスが大きいわけで、自分たちの力で変動を大きくすることも容易に可能です。マネービジネスの巨人たちは、儲かれば「OK」、損すれば政府が救済、に甘えているように見えます。
日本のようにマネー政策に全く無防備で、真面目に頑張る国は、国際投機資本の格好な餌食です。「がんばろう 日本」のスローガンを見るたび、私も感激します。そして考えるのは、頑張った成果を日本人が、ダイレクトに実感できるような(頑張ればそれ以上の円高になって、自分たちが苦しむようなことにならないための)環境条件(マネー政策)の検討です。
ムーディーズが日本の国債のランクを引き下げました。以前も書きましたように、こんなことは本気で騒ぐほどのことではありません。日本経済に対する市場の信認は「円高」が示しています。
ムーディーズは、財政の大幅赤字、地震、津波、原発事故などの災害復旧の遅れ、加えて、政治の混乱などを挙げ、早くきちんとすべきだといっているようです。
ムーディーズにいわれなくても、日本では土光さんの昔から、財政再建が大きな課題だと認識していますし、いざとなれば、きちんとやるでしょう。
やらなければならないことをやるときに、日本人は過激なデモや暴動や破壊、略奪などで、社会を混乱させるようなことは無いと思います。
日本の財政赤字は、政府の借金ですが、国民にとっては貯金で資産です。満期まで持っていれば、額面で償還される、と信頼するからこそ、国民は、安全な資産として国債を持つのです。
インフレが来れば、国債は目減りします。しかし、日本人は、インフレを起こさないための方法についても、成功の経験 を持っています。国内の話ですから、為替問題はありません。
しかも日本国債は95パーセント以上日本人が持っているので、外国に迷惑をかけることもほとんどありません。
ところで、ムーディーズがアドバイスするように、日本が政治の安定や、増税による財政再建を順調に軌道に乗せたらどうなるでしょうか。多分「円はますます堅実な通貨だ」ということで、更なる円高になるでしょう。$1=¥50 などといいうことになったら、日本産業はどうなるでしょうか。
堅実な経済運営をすればするほど、円高にさせられて日本経済が苦境に立つことは目に見えています。この奇妙なジレンマを考えるとき、矢張り今のマネーマーケットのシステムは「どう考えてもおかしい」ということになるのではないでしょうか。
何度も指摘してきていますが、マネーの世界は、変動が大きいほどビジネスチャンスが大きいわけで、自分たちの力で変動を大きくすることも容易に可能です。マネービジネスの巨人たちは、儲かれば「OK」、損すれば政府が救済、に甘えているように見えます。
日本のようにマネー政策に全く無防備で、真面目に頑張る国は、国際投機資本の格好な餌食です。「がんばろう 日本」のスローガンを見るたび、私も感激します。そして考えるのは、頑張った成果を日本人が、ダイレクトに実感できるような(頑張ればそれ以上の円高になって、自分たちが苦しむようなことにならないための)環境条件(マネー政策)の検討です。