tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

アメリカのクリスマス商戦の見方

2010年12月08日 11時47分44秒 | 国際経済
アメリカのクリスマス商戦の見方
 経済ニュースでアメリカのクリスマス商戦が取り上げられています。
 先日はアメリカの 雇用統計が発表され、失業率は若干の悪化だったのですが、市場にはあまりマイナスの影響は見られず、一安心といった雰囲気の反応が多かったように見受けられました。

 事ほど左様に、アメリカの景気が良くなって欲しいと思っている人は多いようですが、クリスマス商戦も滑り出し好調のようで、ご同慶のいたりです。

 アメリカのクリスマス商戦は、1ヶ月ほどの間に、年間小売売上の20~25パーセントを売り上げるという比重の大きさですから、消費の動向がアメリカ経済を占う指標と考えれば、矢張り注目に値するということでしょう。

 ニュースの中で、買い物客が、「使い過ぎないようにクレジットカードを使わないようにしている」というコメントをしているのがありました。
「デビットカードを使っているんだ。これだとお金を預けただけしか使えないから、買いすぎてしまう心配はないからね。」ということです。

 デビットカードは、日本のキャッシュカードをお店で使うようなもので、使った分は即時決済ですから、預金残高がなくなれば、それ以上は買えないわけで、クレジットカードのように使いすぎることはありません。

 バブルで値上がりする住宅を担保にして、クレジットカードを使い、収入以上の支出をしていたアメリカ人が、住宅バブルの崩壊で、いやおうなしに堅実な生活を迫られているとすれば、それは、アメリカ経済の健全化に大変結構なことといえます。

 ところで、アメリカ人がみんなデビットカードを使うような堅実な生活になったら、多分クリスマス商戦は、かつてのような盛り上がりはないでしょう。それではアメリカのクリスマス商戦の盛り上がりを期待している人たちには残念かもしれません。

 ということで、アメリカのクリスマス商戦が盛り上がれば、アメリカの景気回復で世界経済にプラスと単純に考えるか、アメリカ人が 健全な生活に戻って、アメリカ経済が過剰消費体質から脱却することが、アメリカ経済の健全化、世界経済の安定への道と考えるか、アメリカ経済が世界経済に大きな影響を持つだけに、確り考え、確り観察していく必要があるようです。