tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

成長経済回帰への具体策 その6 日本は何をすべきか-3

2010年06月04日 14時26分58秒 | 経済
成長経済回帰への具体策 その6 日本は何をすべきか-3
 日本はその地理的条件からして、舶来崇拝で歴史を作ってきました。古くは織物や陶磁器、漢字の導入から始まり、仏教、蘭学、富国強兵、そして戦後の米国指向、アメリカンウェイオブライフ、科学技術から経済・経営学まで、極めつけは、アメリカ流マネー資本主義の導入でしょうか。

 しかし近年の日本は、こうした舶来文化を咀嚼、消化し、国際的に役立つ技術やノーハウを確立し、海外に影響を与えるようになって来ました。

 QCを導入してQCサークルやTQC、TQM(Total Quality Management)に発展させ、アメリカが逆輸入したのもその例でしょう。コンビニ経営もそうです。所得政策を海外から学び、第1次オイルショックの際にそれを日本流に改変実行して世界の注目 を浴びました。
科学技術では、理論から現場までの総合力で優れた実績を上げています。ドイツでは発明したが、実用化できなかったロータリーエンジンをマツダが実用化し、ル・マンレースで圧勝する実績を上げたのは有名な事例です。

 交通、輸送、情報通信の発達は、島国という、かつては特殊だった環境を雲散霧消させてしまいました。世界中が瞬時に情報を共有し、新しい発展の材料にするわけです。
 島国で、遅れて情報を獲得し、急いでそれを発展させてきた日本は、同時に情報を得れば、より早く新しい発展を成し遂げる癖がついているのでしょうか。

 日本は、前回述べた文化的な面でも、世界の新しい情報を発信していますし、科学技術や社会(含経済)のあり方の面でも、世界のより良い明日に役立つものを沢山持つようになりました。

 残念ながら、まだ日本人の意識には、舶来崇拝の島国根性が残っているようですが、もう日本も、世界中の物事を自然体で客観的な目で見るようにしなければならないのでしょう。

 そうした意味で今の日本を見た時、世界に役立つよう積極的に考え行動していかなければならない材料は一杯あるのではないでしょうか。前回はエネルギーと水に触れました。
 縮小均衡で、自分たちの生活を守ることだけを考え、世界に役立つことなど出来ないと思い込んでいたのでは、それこそ「時代遅れ」です。

 「自惚れ」は日本文化では蔑まれます。しかし日本人の好きな「謙虚さ」も行き過ぎては、世の中のためになりません。自らを客観的に評価し、自信を持つべきところには確り自信を持つこと、そして世界に役立つことは積極的に発信し実行するという行動力、それを引き出すリーダーシップが必要になるのではないでしょうか。