tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

新たな「坂の上の雲」:脱化石燃料

2009年12月27日 11時22分38秒 | 経済
新たな「坂の上の雲」:脱化石燃料
 司馬遼太郎氏原作のTVドラマ「坂の上の雲」は人気のようですが、元気も覇気も失くしてしまった 今の日本人が、それをふんだんに持っていた先祖の時代を懐かしんでいるのでしょうか。

 「坂の上の雲」の3人の主人公は、陸軍と海軍と俳句に献身しました。しかし感動を与えるのは献身の対象ではなく、人が何かに献身しようとする志なのでしょう。献身の対象は、矢張り時代が与えてくれるものということになるようです。

 もし今の日本人が、当時の日本人のように「何かを成し遂げなえればならない」といった強い気概を持っていたならば、何に献身すべきなのでしょうか。

 勿論個々人によって献身の対象は多様でしょう。しかし今の地球人類の状況を考えてみれば、国として最優先すべきは、地球環境問題でしょう。 さいわい、日本はそのための技術面では世界のトップクラスです。
 
 鳩山総理がCO2の25パーセント削減という超意欲的な目標を打ち出し、環境問題では日本が世界のリーダシップを取れる地位に立てたのも、地球人類がそれをまさに必要としているからに他なりません。

 もし日本人に「坂の上の雲」の時代の先祖の「志」を懐かしむ気持ちがあるのなら、今、日本と日本人は、世界に向かって、例えば、「50年後、2060年、日本は脱化石燃料社会を目指す」ぐらいの旗印を掲げたらどうでしょうか。

 COP15ですら、あの状況ですから、広い世界、意見はいろいろあるでしょう。しかしそれはそれで良いのです。すべては日本がそれを実践して見せることによって解決するのです。日本の実績が世界各国にとって「坂の上の雲」になるのです。

 容易でないことは当然です。100パーセント達成は不可能かもしれません。しかしその目標への最短距離にいるのは日本ではないでしょうか。日本人の頭脳と生真面目さがそれを支えます。
 政府が主導し、日本人が本当に「その気」になった時、閉塞状態と思っていた日本経済も社会も、改めて活性化と成長の時代を迎えるでしょう。

 脱化石燃料社会になった時、エネルギー産業、交通など産業構造、われわれの家庭生活、さらには国際関係は、どんな姿になっているのか、その構想を描き、それに向かって多種多様な技術革新を積み重ねることになります。 「技術」と「技能」そして「資本力」を十分に兼ね備えた日本だからこそ、出来ることではないでしょうか。