tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

円高ストップ、介入の効果

2009年12月03日 12時15分45秒 | 経済
円高ストップ、介入の効果
 異常に急激な円高の様相が一応収まりそうで、日本経済も差し当たって小康状態でしょうか、ご同慶のいたりです。

 新政権も、円高の恐ろしさを実感したようです。 閣僚の不用意の発言などは厳に慎むべきでしょう。結果的には、特に、政権トップの中でも、株をたくさんお持ちの方が、円高、株安の連鎖に敏感に反応されたということではないでしょうか。

 ことほど左様に、(現状を見れば)その国の政府や中央銀行が、どこまで本気で問題に対応しようとしているかで、為替相場は動くようです。マネーマーケットが実体経済に比べて巨大になりすぎているために、短期の為替市場は投機筋の思惑に左右される度合いがどんどん大きくなっているのでしょう。

 そんなことで、今回の介入姿勢(いまだ口先介入の域を出ていませんが)の程度でも、かなりの効果を示した、という風に感じられます。
今回の為替相場の動きが、投機的な思惑よりも、実体経済の動きに根ざしているものという説明をしようとしても、かなり難しいような気がするのはわたしだけではないでしょう。

 逆に、思惑による為替の動きは、すでに述べてきましたように、日本経済の実体に甚大な影響 を与えるのです。
日本経済の運営には、金融財政だけでなく、より多様な視点が必要なようです。例えば、円レートが$1=¥120ぐらいになれば、デフレは多分解消し、日本経済は急速に元気を取り戻すでしょう。

 ところで、口先介入の影響力の持続性には、多分それなりの限度があるでしょう。対策が巧く打てなければまた投機資本は円高を試すでしょうし、最終的には、国際投機筋が、「日本は言ったことはやるな!」と感じれば、今後の口先介入はさらに威力を増すでしょう。

 今後の課題は、実体経済を活性化するための具体的な方法です。需要不足で自分のクビを自分で締めるような日本の消費・投資の構造が、どうすれば変わるか、「補正予算増額、国債増発」という従来型回答が正解でないことは多くの人が感じています。ここはひとつ、知恵の絞りどころでしょう。