tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

自民党の惨敗は公務員のあり方否定の意味も

2009年09月02日 20時41分54秒 | 社会
自民党の惨敗は公務員のあり方否定の意味も
 この表題のような書き方をすると些か強すぎるような気もしますが、最近の多くの国民の 公務員に対する信頼水準はかなり落ちてきているように感じられます。

 国家公務員の次官級の人々のスキャンダル、しかも金に関わるようなスキャンダルが複数起きるといった状態も異常ですが、年金問題のような、組織全体がどういう仕事の仕方をしていたのだろうと思われるような問題もあります。さらには多省庁にまたがる居酒屋タクシー 、地方公務員にもまたがる闇専従問題などなどということになりますと、「倫理感と正義感を持って国民のために働く公務員」といった感覚とはかけ離れてしまうように思われます。

 こうした問題は単純に「悪いこと」ですが、そうしたことのほかに、公務員とその制度のあり方、政治と公務員の関係(立法と行政の関係)といった点で、社会が進化する中でいろいろな問題が起きてきていたように感じられます。

 基本的な問題として指摘されるのは、自民党政治の中での公務員の役割でしょう。今は民間に居られる元高級官僚の方が、「自民党は、われわれにマル投げですから。わたしは大臣が変わったからといって自分の仕事の仕方を変えたことはありませんでした」という趣旨のことをテレビ番組ではっきりと仰っていました。私の存じ上げる何人もの高級官僚の方も、よく「あの法律はわたしが作った」という意識を強くお持ちのようでした。

 公務員が日本を仕切っているという感じです。近代国家は三権分立のはずですが、実質的にお役人が立法と行政の両方をやっていたということでしょうか。行政をやる人が立法をやれば便利かもしれませんが、それはお役人に便利なのであって、国民に便利かどうかは別問題です。
 法律がわかりにくいというのも、国民にとっては、大変困った問題です。

 民主党は、公務員任せでない政治、天下り廃止などを強く打ち出していますが、今回の自民党の惨敗は、自民党不信と表裏一体で公務員に対する不信という国民の意思表示でもあったように思われます。

 選挙の結果は直ちに自民党には及びますが、公務員には直ちに及ぶものではありません。しかし本当に公務員が真面目に考えるならば、選挙結果を自分たちへの不信の表れでもあると洞察する必要があるのではないでしょうか。

 これからの、民主党と公務員の関係には、まさに注目です。