付加価値の正確な理解を
一昨年2月、このブログを始めたきっかけは、 金融資本主義が蔓延し、まじめに付加価値を作ることを軽視するような風潮が、日本の経済・経営にも見られるような状況が大変気になったことでした。
付加価値というのは、一国経済でいえば、GDP(国内総生産で、これが増えることが経済成長 )です。GDPは日本国内の企業などが1年間に生産した付加価値(正確には減価償却も入った粗付加価値)の総額です。GDPから減価償却を差し引いたものが純付加価値で、いわゆる国民所得です。われわれは国民所得の一部を分配してもらって、それで毎日の生活をしているわけです。
われわれの生活を豊かにすること、つまり経済が成長するということは、国内の企業が、年々どれだけ多くの付加価値を生産するかにかかっているわけですから、企業レベルで、付加価値を計算し、それを従業員1人当たりにした付加価値生産性やその動向の分析をすることは大変重要です。
ところが、最近、ネット上の解説などを見ますと、付加価値についての誤解が往々見られたり、セミナーでも同様な質問があったりするので、以下の様なことを書いてみました。
誤解の中の典型的なものは、「付加価値=粗利益」とか「付加価値=限界利益」といったものです。
何が誤解かといいますと、付加価値というのは、「人間が資本を使って経済活動をし、新たに生み出した価値」 ですから、付加価値は人間(労働)と資本に分配されることになります。それ以外のコストは、すべて外部から購入した財・サービスの代金ですから、購入先企業の付加価値になるものです。
粗利益は売り上げから直接原価(製造原価)を差し引いたもの、限界利益は売り上げから変動費を差し引いたものですから、定義が全く違います。粗利益の中には工場の人件費が入っていませんし、逆に販売費などの外部購入コストが入っています。限界利益は、人件費を固定費と見るか(日本)変動費と見るか(アメリカ)で全く違います。ここで誤ると、労働分配率の正確な計算も不可能です。
付加価値は「人件費+資本費」で、=「人件費+課税前利益(*)+金融費用+賃借料+租税公課」 です。これに減価償却費を加えれば粗付加価値になります。 (*)利用目的によって経常利益でも可
経済でも経営でも最も大切な付加価値であるだけに、付加価値の理解には正確を期したいものです。
一昨年2月、このブログを始めたきっかけは、 金融資本主義が蔓延し、まじめに付加価値を作ることを軽視するような風潮が、日本の経済・経営にも見られるような状況が大変気になったことでした。
付加価値というのは、一国経済でいえば、GDP(国内総生産で、これが増えることが経済成長 )です。GDPは日本国内の企業などが1年間に生産した付加価値(正確には減価償却も入った粗付加価値)の総額です。GDPから減価償却を差し引いたものが純付加価値で、いわゆる国民所得です。われわれは国民所得の一部を分配してもらって、それで毎日の生活をしているわけです。
われわれの生活を豊かにすること、つまり経済が成長するということは、国内の企業が、年々どれだけ多くの付加価値を生産するかにかかっているわけですから、企業レベルで、付加価値を計算し、それを従業員1人当たりにした付加価値生産性やその動向の分析をすることは大変重要です。
ところが、最近、ネット上の解説などを見ますと、付加価値についての誤解が往々見られたり、セミナーでも同様な質問があったりするので、以下の様なことを書いてみました。
誤解の中の典型的なものは、「付加価値=粗利益」とか「付加価値=限界利益」といったものです。
何が誤解かといいますと、付加価値というのは、「人間が資本を使って経済活動をし、新たに生み出した価値」 ですから、付加価値は人間(労働)と資本に分配されることになります。それ以外のコストは、すべて外部から購入した財・サービスの代金ですから、購入先企業の付加価値になるものです。
粗利益は売り上げから直接原価(製造原価)を差し引いたもの、限界利益は売り上げから変動費を差し引いたものですから、定義が全く違います。粗利益の中には工場の人件費が入っていませんし、逆に販売費などの外部購入コストが入っています。限界利益は、人件費を固定費と見るか(日本)変動費と見るか(アメリカ)で全く違います。ここで誤ると、労働分配率の正確な計算も不可能です。
付加価値は「人件費+資本費」で、=「人件費+課税前利益(*)+金融費用+賃借料+租税公課」 です。これに減価償却費を加えれば粗付加価値になります。 (*)利用目的によって経常利益でも可
経済でも経営でも最も大切な付加価値であるだけに、付加価値の理解には正確を期したいものです。