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tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

人類社会と核について:難問をいかに整理するか

2022年08月09日 16時03分38秒 | 国際関係
人類社会と核について:難問をいかに整理するか
人類社会と核の問題といっても、現実に今の社会で喫緊の問題になっているのは核兵器の問題です。

核エネルギーは宇宙の活動のエネルギー源でしょう。アインシュタインはその全体像の基本原理「E=MC²」という公式を明らかにしました。
人類はその公式のほんの一部を、放射性元素を利用して巨大な原子核崩壊のエネルギーを爆弾という「核兵器」に使う事を考えつきました。

多分、放射線エネルギーは、今後人類社会の発展のために多様な役割を持つものでしょうが、そうした活用の背後で、常に人類社会の巨大な棘として、人類社会の存亡すら脅かす存在となっているのが核兵器の存在です。

ご承知のように、核兵器の存在については大きく2つの議論があります。1つは核の抑止力を重視する考え方、もう1つは核の廃絶こそが真の解決という考え方です。

確かに戦後77年、山ほど作った核兵器の使用がなかったという現実は、いったん核兵器が使用されれば、地球は核戦争の戦場となり、人類社会の破滅は明らかであるから、核兵器の存在そのものが核兵器の使用を抑止してきたのでしょう。

しかし核兵器が存在する限り、それが使用されないと言い切ることは出来ない、核兵器の廃絶こそが核戦争を無くする唯一の方法というのが確かな真実でしょう。

そして今、ロシアのウクライナ侵攻の中でプーチンが核の先行使用に触れて、世界を恫喝するという現実があるのです。

勿論プーチンは世界80億の人間の中でも際立って特殊な思考回路を持った人間でしょう。しかしそういう人間が核保有国のリーダーになることはありうるのです。

その意味では核廃絶を確実なものにすることは、これからの人類社会にとって最も大事なことでしょう。

では、その役割を果たせるのは誰かという事になるのです。80億の世界人類の思い、世界の核廃絶運動の願いを背負って、核廃絶のために動くべきは・・・。

多分それは国連であり、国連の機関であるIAEAでしょう。
IAEAのロゴの下には、次のように書いてあります。
The IAEA is the world's centre for cooperation in the nuclear field and seeks to promote the safe, secure and peaceful use of nuclear technologies.
(IAEAは、世界の核分野の協力のための世界のセンターとして、核の諸技術の活用についての安全とその保障、そして平和的使用の推進を希求する国連傘下の組織です:筆者意訳)

ウクライナでは、ロシア占領下の原発の不適切な管理、さらに新たに原発への攻撃など、危険の状態が多くマスコミによって伝えられています。
こうした状況への徹底した厳格な態応が、ロシアの核についての安易な発言や行動の抑止のためにも常に必要のように思われます。

ロシアが拒否権を持つ常任理事会ではなく、国連総会などの活動や決議等によって、IAEAの組織、権限、能力等の強化も不可能ではないように思われますが、そうした政策がまさに必要な時期に来ているのではないでしょうか。

アメリカとの付合い方に思う事

2022年08月05日 15時57分59秒 | 国際関係
日本は島国で、歴史的には外来文化を入れて成長発展してきた国ですが、第二次大戦後はアメリカ駐留軍の教宣活動をしっかり学んで、日本的ではありますが民主主義国に脱皮しました。

あの頃のアメリカは、新生の覇権国として心理的にも経済的にも余裕があり素晴らしい国だったように思います。

その後、東西対立の中で覇権国、自由世界のリーダーとして当時言われた「世界の警察官」としての役割を果たそうとするうちに、次第に経済的な余裕をなくし、貧すれば鈍するといっては失礼かもしれませんが、随分変わりました。

ベトナム戦争では経済力の消耗は激しく、1971年にはいわゆるニクソンショックで、基軸通貨ドルは金兌換をやめペーパーマネーになり変動相場制時代に入ります。
しかし、覇権国の自覚、誇りは維持しなければなりません。自由世界で覇権国の力量を持つ国は他にありません。

1970年代以降、アメリカは、覇権国、基軸通貨国の地位を守るための多様な努力を重ね、経済力で追い上げる国に対しては警戒の目で見るようになりました。

第一番にこれに引っかかったのが日本だったようです。
日本は平和憲法を持つ国で、アメリカの核の傘で国の安全を図っている国ですから、経済的に大きくなっても人畜無害のはずですが、やはりアメリカとしては日本経済に主導権を握られることは許せなかったのでしょう。

折しも、日米関係は未曾有の親密さの「ロン・ヤス」時代でした。しかしその親密さの中でも、アメリカは、確り計算し「プラザ合意」という形で、日本に円レートの切り上げを認めさせ、日本経済を長期不況に突入させました。

アメリカがどこまでの結果を読んでいたのかは解りません。しかし結果は1ドル240円が120円と、円は2倍の切り上げとなり、日本経済は、その調整に20年を要しました。

結果的に日本はその後今日まで、ほとんど経済成長のない国になって、アメリカの思惑は予想外の出来過ぎた結果になりました。

日米蜜月といわれる中で、アメリカは自分にとって必要のことはきちんとやっているのです。仕掛けるアメリカもアメリカですが、かくも長い不況は、やはり日本の対応の失敗と考えるべきでしょう。(日本人は他人のせいにせず、自ら反省して納得するようです)

アメリカは日本に親切です、しかし、アメリカにとって必要な事はきちんと手を打ってきます。それに倣って、日本は、日本として大事なことはきちんと発言し、日本としての立場、考え方を明確に発信すべきです。

平和憲法を持つ日本です。基本的な政策は、困難を乗り越えてこれからの人類社会の平和で安定した発展のための発言であり、行動でしょう。そうした形の日本のぶれない哲学を出来得る限り明確にし、日本の意思を世界に明らかにし続ける必要があると思うところです。

多分、アメリカも。そうした人類社会の将来のための日本の発言や行動には異論を差しはさまないと思っています。

「独裁度指数」:22世紀の笑話

2022年06月29日 18時00分49秒 | 国際関係
アインシュタインは「第三次、第四次世界戦争は解らないが、第五次世界戦争は確実に石と棍棒での戦いになるだろう」といったそうです。

核戦争の恐ろしさをブラック・ジョークにしたものでしょう。
本当か作り話か知りませんが、アインシュタインが言ったといえば、そんな気がしないでもないところです。

話は22世紀に飛びますが、そんなことにならないようにと、とある研究組織が、世界各国の「独裁度指数」という数字を発表することにしました。

その研究組織の発表によりますと、
いろいろな研究機関が、世界各国の生産性や、国民の満足度、ジェンダー平等の度合い、デジタル化などのランキングを発表しているが、もっと世界の役に立つランキングを考えてみましたというのです。

考えたことは、歴史上、戦争を起こしているのは独裁者が殆どだから、国のリーダーが独裁化する事に十分注意しなければいけない。

国のリーダーが独裁化することがないように、我が研究組織では、世界の国々の政権の「独裁度」を示す指数を作成し、ランキングを発表することを決定したのだそうです。

指数は、~59:問題ない、60~69:トラブルを起こしやすい、70-79:しばしばトラブルを起こしている、80~89:問題を深刻化させる恐れがある、90~:危険な国、という事になっていて、いろいろ問題はあるでしょうが、世界の平和のために思い切って発表を決めたというのです。

これを聞いて世界では、無関心な人や国から、関心あるという反応、馬鹿な事はやめろという意見、絶対やめろという強硬な態度までいろいろな反応がありましたが、その第一回が発表になりました。

結果は9割の国が60未満で、残りの10%の国が60~100の間に散らばっていました。

世界からの反応は、あまり大きくありませんでしたが、上位10%の国からは多様な反応がありました。

相手があるからトラブルが起きるという言い訳じみたものから、当事国間で解決に努力しているという現状報告などはいい方で、わが国のランキングは高すぎる釈明と謝罪を要求するというもの、更には、我が国を侮辱することは許さない貴研究組織の存在を認めないというものまでいろいろでした。

そこで、研究組織は、考慮の末、その反応を正確に文書にして発表し、その内容を指数の検討項目に加えて、新たな指数を作成して発表しました。結果は多くの人が予想した通りで、指数の高い国ほど指数がさらに高くなっていました。

この発表によるトラブルは簡単に収まりそうにありませんでしたが、これまで横眼で見ていた国連が調整に出ました。

22世紀には、国連も民主主義の基本である『多数決』の原理を尊重するようになっており、安全保障理事会も、国の数を増やし、多数決が原則になっていました。

この数十年で、国連の役割は強化され、21世紀より人類社会の中での権威が増し、信頼感を持たれ、頼りにされるようになっていましたから、問題は収拾の方向に向かいました。

世界の国の独裁度ランキングを発表した研究組織については、そうした仕事は、国連としても関心があるから、国連外郭にそうした研究機関を作ることも考慮し、独裁度指数のランキングを発表した研究組織の人間の中で、希望者がいれば、国連で採用することも可能いう事になったそうです。

という事で、先ずはメデタシ、メデタシ。

ウクライナ問題、世界のこれからを決める戦い

2022年04月11日 22時30分41秒 | 国際関係
当初はあまり長いものにはならないだろうと言われていたロシアのウクライナ侵攻問題が、長期戦になりそうといった見方が強くなっています。

ロシアは当初、ウクライナを早期に全面降伏させ、NATOの東漸を阻止できると考えていたのでしょう。
プーチンもウクライナがロシアの援助を求めていると国民に言い聞かせながら自分も多少そう思っていたのではないでしょうか。

然し現実は、かつてのソ連邦から独立して国々はロシアの圧政に強い反感を持っていたという事に次第に気付いているのではないでしょう。
しかし誤った情報と誤った信念で、築き上げたロシアの世論、自分の権威を否定するわけにはいきません。権威を失う事はプーチンの最も恐れる所でしょう。

情報操作の結果と考えられる80%を超える支持率に応えなければ、プーチン自身の権威が失われます。それはプーチンにとっては破局でしょう。
今や、何はともあれ、ウクライナ東部の一部でも「開放した」という実績が必要という所に来て、破局回避に全力を挙げるほかなしという状態になったのではないでしょうか。

現実に、いまロシアは、ウクライナ東部に戦力を集中、独立宣言を承認した地域の制圧を目指して大規模な作戦を仕掛けるというのが、いまマスコミを通じて我々が得ている情報です。

ウクライナは、これに対して、準備はは出来ている。我々は負けないと最大限の頑張りを見せているようです。

NATOは勿論、EU、アメリかも、ウクライナに最新鋭の武器供与を中心に、自由と民主主義を守るための協力を明確にしていることは連日報ぜられています。

テレビでも、「ウクライナはヨーロッパのために戦ってくれている」というヨーロッパの人たちの言葉をよく聞きます。
これを我々が翻訳すれば、「ウクライナが自由と民主主義のために独裁者(専制主義)と闘ってくれている」ということになり、バイデンさんの意識と同じことになるのでしょう。

現象としてはウクライナにおける戦争という事ですが、世界史の視点で見れば、明らかに自由・民主主義の世界と独裁・専制主義の残滓との闘いという事ではないでしょうか。

プーチンという19世紀型(正確には100年前?)の国家を理想とする一国のリーダーが20年余をかけ無理を重ねて作り上げた19世紀型の専制国家ロシアが、今日、人類の大多数が自由な思想と民主主義という政治体制の中で作り上げてきた平和で豊かで快適な生活のできる国々の中の偶々隣国であるという理由で、ウクライナという国を侵略するというアナクロニズムに対して、自由世界が否応なしに戦わなければならないという事になってしまったのです。

人類世界が、今回の独裁国家ロシアの暴挙に対して、人類社会に独裁国家は不要だという事を明確にするかどうかが、今後の人類社会の平和と安定に、大きく関係するということであってみれば、これは、地球上に未だに残る独裁国家の今後の在り方を大きく左右する、いわば第三次世界大戦とも言うべき世界の在り方の戦いであるのかもしれません。 

ウクライナにおける戦火の拡大を如何に抑えるかと同時に、この問題の解決が世界史の中で、世界をより良いものにするための契機にするという難題を、国連を中心に自由と平和を良しとする国々と人々の努力によって、地球人類が成功することを強く願う所です。

日本では出来た、世界でも出来るのでは

2022年04月06日 15時38分05秒 | 国際関係
ロシアのウクライナ侵攻はまだ続いています。
テレビの映し出すウクライナの惨状はますます恐ろしいものになっています。
キーウの近郊、ロシア軍の撤退した後の惨状は、テレビ画面では映し得ない残虐ものでしょう。

これ以上酷くならないことを願うばかりですが、東部、南東部では、一層激しくなるのではないかと言われています。

ロシアの侵攻が始まって都市の無差別の破壊が起きてから、多くのウクライナの人達から同じ言葉を聞いています。
「21世紀の今になって、何でこんな事が起こるのでしょう」
「21世紀になってもこんなことが起きるなんて考えもしなかった」

もし日本でもこんなことが起きたら、我々も異口同音にそういうのではないでしょうか。

宮澤賢治は「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」(『農民芸術概論』序論)と言っています。その境地までの到達な難しいとしても、少しでもそうした気持ちを持たざるを得ないような悲惨な事態が、この21世紀、文化・文明の先端を行くヨーロッパで起きているのです。

少なくとも、武力によって、公然と都市を破壊し大勢の一般市民の殺戮を行うような戦争が、本当に21世紀の今起きるなどという事は、人びとの予想の外でしょう。
ならば、こうした「もう戦争などということが、物理的に現実に起きるなどということはない時代になっている」という人々共通の認識を何としてでも現実にするために、戦争の悲惨を経験することは今回で終わりにしようとの世界人類が決心が必要でしょう。

そして、そのためにも、今回の戦争のもたらした究極の悲惨ともいうべき現実を徹底的に検証し、「人間の何が」そうしたものを人類社会に持ち込むのかを全ての人々に知ってもらう事が必要でしょう。

このブログではたびたび触れますが、日本は、明治維新を契機に内戦をやめ、太平洋戦争の敗戦を契機に憲法第9条を掲げ、戦争をしない国になりました。

考えてみれば、日本で出来たことが、世界で出来ないと決める理由はないのではないでしょうか。
同じ人間であり、世界のほとんどの人達は、今のウクライナの人達と同じように、「こんなことが(戦争が)21世紀の今、現実になる事など考えれない」と考えているでしょう。その気持ちは、21世紀に住む人間として全く共通のはずです。

戦争を無くする、この人類にとっての歴史的な事業は、世界の平和を望む国々の人々が、そしてより具体的にはその国々のリーダーたちが、国連の下に結集し、国連の名において、理非曲直を明確にすることから始めなければならないのでしょう。

国連とその旗の下に集う、平和こそをモットーとする国々の国民、そして、そのリーダーたちの、世界平和のための歴史的な努力に期待したいと思うところです。

領土問題流行の兆し? 解決は合理性で!

2022年04月03日 13時56分11秒 | 国際関係
アルゼンチンのフェルナンデス大統領がフォークランド紛争の40周年を受けてか、ウクライナ問題からの影響があってか、はたまた来年の大統領選挙の思惑からか、如何なるお気持ちの発露かは我々には知る由もありませんンが、イギリスに、フォークランドはアルゼンチンの領土である旨の主張をされ、イギリスに返還を求めたとのことです。

勿論「対話を通じて」という事で平和裏の話し合いという事ですから、いろいろな可能性もあり、そうした話し合いも話し合いの仕方によっては前向きの発展に繋がる可能性もあることで「それも良いでしょう」という感じもします。

そういえば、日本政府も、ウクライナ問題の刺激を受けたのでしょうか「北方四島は日本の固有の領土」に表現を変えて、原則的立場を訴える姿勢に戻ったようで、この様子だと、領土問題、国境線問題があちこちで起きるのかもしれないな、などと考えてしまいます。

土地の領有権問題ということになりますと、小は個人の家の地境問題から大は国境問題まで、昔から、紛争の種になることが特別に多い物で、人間というのは海馬の奥に、動物の時代からの生きるために自分の生活のための領分を確保するという本能が染みついているのかもしれません。

しかし現代では、考えてみれば、領有よりもいかに活用するかがより効果的に豊かさを実現するということが明らかになっていますが、人間でも知恵が本能に追い付いていない人が、まだまだ存在するという事なのでしょうか。

勿論多くの人間は、疾うにその知恵で動物時代の本能をコントロールし、領土や地境で無駄な殺戮や破壊の紛争を起こすことなく、適切なその活用と資本の移動や交易でより効率的に豊かさを実現しているのです。

今回のロシアのウクライナ侵攻問題は、偶々そうした人間らしい知恵の進歩の遅れた人が、一国のリーダーになってしまったという、大変不幸な事が原因で起きてしまったことで、出来れば人類社会でこういうことはこれが最後ということになって欲しいと誰もが望んでいる事は間違いない所でしょう。

これからの領土問題は、領有権ではなく合理的な利用のための協力の話し合いという人間らしい知恵の発揮で、紛争や戦争などとは無縁のものになるという世界になり、「力による現状変更云々」などという言葉が死語になるような世の中になっていくことを世界中の人達が願っていると思っているところです。

プーチンの戦争

2022年03月27日 16時09分30秒 | 国際関係
今回のロシアのウクライナ侵攻問題につては「プーチンの戦争」と言う人が多いようです。

恐らく、ロシアがウクライナの併合を目指して侵略の始めたというのは形式上の問題で、問題の本質(真の原因)を端的に言ってしまえば、プーチンという人間が、旧ソ連かロマノフ王朝の様な大きな国の「皇帝」になりたいという時代錯誤の野望みを持って、その個人的な夢を少しでも実現したいと思ったことから起きたもの、と認識する人が多いからではないでしょうか。

侵攻の始まった初期段階から、ロシア国内のほとんどの都市で「戦争反対」のデモが繰り広げられたという事がその実態を示しているように思われます。

プーチンは自分の思いを押し通すために、デモをする人々を何千人、何万人と逮捕して、国内での自分の意見に反対する行動を抑え、国民が皆この戦争に賛成しているという形を整えることに汲々としています。

デモに参加しないまでも、戦争に反対している人はデモに参加する人の何倍も多いでしょうし、国営放送のウソに騙されている人たちも、何らかの方法で真実を知れば、戦争反対の結論に行き着くのではないでしょうか。

問題は、プーチンが20年余をかけて作ったロシアの統治システムで、どこまで国民を騙し、また抑えられるかが、プーチンの邪悪な野心の命運を決めることになるのでしょう。

この戦争は、まさに「プーチンの始めた」「プーチンの戦争」なのです。ロシア人は、単純にプーチンを信仰している人と、プーチンに(国営放送に)騙されている人と、戦争に反対の人の3つの立場に大きく分けられるのではないでしょうか。

問題は、単純にプーチンを信仰している人と国営放送に騙されている人でしょう。その人たちが、何が真実で、何が正しいかに覚醒したとき、プーチンの野心は決定的に挫折することになるのでしょう。

この戦争は「プーチンの戦争」なのです。そう考えれば、戦争をやめる事の出来るのはプーチンなのです。プーチンがやめと言うまで戦争は続くのでしょう。

アメリカもEUも日本も制裁は出来ても、戦争をやめさせることは至難です。
既にプーチンは、核の使用をほのめかすような発言を脅しか本気か解りませんがしています。
当然、プーチンをあまり追いつめるな、追い詰めるのは危険だという意見が出ています。

矢張り「プーチンの戦争」をやめさせるという仕事はロシアという国の国内の問題として、プーチンを選んだロシア自身にやってもらうのが最良の選択でしょう。
戦争は、国際的な広がりにならず、ロシアの国内問題のレベルに収斂して、ロシアの国内問題として解決し、終戦を迎えるのが本当の解決でしょう。

バイデン大統領は「プーチンに権力を握らせてはいけない」と言っています。これは事の本質を明確に突いています。

既に、プーチンの側近の№1と言われた大統領特別代表のチュバイス氏が辞任、出国と言われ、そのほかにも、政権中枢の異変の情報の流れているようです。

国民が真実に目覚めたとき、プーチンは、権力を失うでしょうし、相手がモスクワやサンクトペテルブルグにいたのでは、核の脅しは効かない事を悟るでしょう。

「プーチンに権力を握らせてはいけない」というバイデン大統領の指摘は、いつの世でも、独裁者は、国の内外の多くの人々に災厄をもたらすという歴史の経験を指摘しているものとして、「プーチン」を独裁者の普通名詞として、何時の時代も、人類共通の指針とすべきものだという気がしています。

本質はロシアの国内問題

2022年03月16日 15時45分24秒 | 国際関係
ロシアがウクライナに軍事進攻してから3週間になろうとしています。
21世紀の今日、こんな形の地上戦を展開するような戦争が現実に起きるとは殆どの人が予想もしなかったのですが、ロシアは夥しい数の戦車とミサイル砲を使ってウクライナに攻め入りました。

恐らく、基本的には、ロシアのプーチン大統領という人間の個人的な欲望とその裏返しの故なき恐怖感、それを形作ることになった偏った情報の集積といった事が、時代錯誤の戦争によって自分の思いが実現するという誤った判断(錯覚?)に至る思考過程を齎したのでしょう。

当然、事は思うように運びません。プーチン大統領は、既に激しい焦りを感じているのではないでしょうか。それがまた惨禍を増幅するのです。

「プーチンは、2日ほどでキエフは陥落と予想していたが、15kmから30kmほど手前からほとんど進めない状況が続いている」といった見方が報道されています。

ロシアでは、ロシア軍がウクライナに行けば、多くの市民が歓迎すると教えられている人が多いようで、侵攻した兵士もそう考えていて現地へ行って戦争状態に驚き怖がっているというような報道もあり、真偽のほどは解りませんが、有り得ることのようです。

若しかしたら、プーチン大統領自身が、そうした自分に有利な情報しか受け入れていなくて、ある程度そうした情報を信じていたという「裸の王様」状態だったのかもしれないと思ったりします。

そんな勝手な想像は別として、プーチン大統領の固定化した信念はソビエト連邦の復活であり、NATOには徹底して対抗し、その侵略は許さないという思い過ごしの被害者意識でもあるのでしょうから、その信念を正当化することを自身にも国民にも徹底しようという事になるのでしょう。

ゴルバチョフさんであれば、21世紀は、もうそんな時代ではないのだから、東西対立を掲げて核弾頭を積み上げるようなことはやめて、民主国家として平和共存が適切と考えるのでしょうが、時代錯誤のプーチン大統領にはそうした思考の柔軟性は殆ど欠如しているという事なのでしょう。

そこに事の本質があるのであれば、今回のウクライナ侵攻問題の様な戦争による現状変更の試みはプーチン大統領が存在する限り常に起こりうるという事になります。

ならば、解決策は、プーチン大統領自身が、事の本質に気づいて自らの考えを改めるか、あるいは、ロシアの国民がリーダーとしてのプーチンの役割を何らかの手段によって停止するかしかないという事になるのでしょう。

つまり。ウクライナの徹底抗戦の意思と現実も、アメリカやEUを始めとした様々な対ロシア制裁政策も、その2つのどちらかを実現するための努力なのです。

世界経済の犠牲を伴い、更に最も重い人命を賭してまでの努力も、ロシアという国、その国民がプーチン独裁に終止符という行動を成し遂げることへの出来る限りの支援という事になるのでしょう。

国連に法的強制能力があれば別ですが、国連総会の決議でさえも強制能力はありません。

国の行動を決めるのは、直接的には、その国の国内問題としてしか方法はないのです。
ですから、今回のロシアのウクライナ侵攻問題も、戦争による解決を是としない限り、その本質は、ロシアという国の国内問題としての解決によるしかないという事なのです。

プーチン大統領はそれを恐れて、国内の情報統制を強めています。おそらく、ロシアの半数程度の国民はどの情報が正しいかそれなりに感づいているのでしょう。

今、最も重要なのは、1人でも多くのロシア国民に、特に権力サイドに立つ国民に、何が正しい情報かを知ってもらう事でしょう。
いずれ、ロシアの国民の大部分が真実を知ることになるのでしょうが、その日が、出来るだけ早い事を願うばかりです。

人類はこの経験から何を学ぶか

2022年03月05日 10時57分17秒 | 国際関係

ロシアのウクライナ侵攻問題は世界人類社会を強い沈痛感を齎しているのではないでしょうか。

情報が世界に瞬時に行き渡り、世界人類が同時に同じ光景を目の当たりにできるこの時代に、このような事が起きることが異常だとほとんどの人が感じているのでしょう。

国連総会緊急特別会合のロシア非難決議の採決結果、賛成141、反対5、棄権35がその実態を示しています。
反対の5か国は、ロシアと、ロシアと関係の深い独裁政権の国々です。

ハッキリしていることは、ロシア事態でもそうですが、戦争をしようというのは国のトップに座る独裁者とその取り巻きに限られていて、一般市民の大部分は、ロシアの各都市で見られる「戦争反対」のデモが示しているように、戦争は嫌だと考えているという現実です。

こうして今、明らかになって来ているのは、今、世界で起きている混乱の多くは、その典型としての、今回のロシアのウクライナ侵攻に象徴される「独裁国」の存在であるという事でしょう。

そしてもう一歩進めれば、独裁国と言っても、国全体がそうした特殊な国なのではなく独裁者と、一握りの取り巻きグループが問題なのであって、国民の多くは、平和な日常を望む正常な人間であるという事ではないでしょうか。

今日の朝日新聞朝刊の「朝日川柳」欄に、☆印がついて「ただ一人 たった一人を 止められず」というのがありました。
プーチンでなく、ゴルバチョフのような人が大統領であれば、こんな事は起こり得ないと誰もが感じているのでしょう。

こう考えてきますと、ならば、世界の国々が、独裁者を生まない様にするという事が、大変大事になってきます。

今回の問題も、もし、ロシアがプーチンを大統領から降ろすことが出来れば、系決するでしょう。
しかし、独裁制国家というのは、国民が、そういう行動を取れないように仕組まれ作られているのですから、それは容易なことではないでしょう。

しからば「国連が」という事が考えられるのですが、今の国連に出来ることは、上述の「ロシア非難決議」が限界なのでしょう。
国連憲章があり、国際法があっても、加盟国の大多数の決議があっても、「強制力はない」のです。

これは、国連が「性善説」に立った、(警察力のない)ソフトな組織であるからでしょう。つまり、地球人類が性善説に立っているという事なのではないでしょうか。
そして性善説は、「悪」に対してはあまり強くないのです。

地球市民の持つ、知識、思想、文化が次第の高度化し、暴力を持って事を制するといったことが現実には起こりえないという人類社会を前提に出来ている「国連組織」は、独裁性という時代錯誤には、いかにも弱いという現実が、いま明らかになっているのです。

今率直に現状を見れば、ロシアのウクライナ侵攻という時代錯誤の暴挙を直接に解決する手段は、ウクライナの勇気とロシアの政権交代しかないという事のようです。

これは国連の試練であり、地球人類の試練でもあるのでしょう。性善説に立つ地球市民の知恵が試されているという事でしょうか。

プーチンと「世界の世論・21世紀の良識」

2022年03月01日 13時42分54秒 | 国際関係
20年以上も独裁者の地位にいると、自分の周囲は自分に迎合する人ばかりなので、客観的な情報が入りにくくなったり、客観的な判断が出来なくなったりするのでしょう。

プーチンさんの頭の中は、旧ソビエト連邦が理想の姿として一杯に拡がってしまっていたのでしょうか。

一方21世紀の世界は、「核の抑止力」も大きなきっかけになって、戦争のない平和な暮らしの中で、経済を発展させ、国民の生活をより豊かでより快適なものにすることが国家の目的といった常識が次第に定着し、日本やシンガポール、ルクセンブルグなどに見るように、国の大きさや資源の有無、軍事力などが国の豊かさとは全く関係のない世界になって来ています。

所がプーチンさんの判断基準では、ウクライナが経済の発展を進めるためにEUに加盟するという事は、ヨーロッパがナポレオンやヒットラーのようにロシアに攻めてくる動きに見え、NATOはヨーロッパがロシアを侵略するための組織としか見えなかったのでしょう。

偉大な(?)アナクロニズム(時代錯誤)の持ち主のプーチンさんには、自分が旧ソ連邦の回復の願望を持っているように、ヨーロッパはロシア征服の意図を持っていると見えていた(今も見えている)のかもしれません。

今回の悲劇の根因は、こうしたプーチンさんのソ連邦の復活、それを果たした英雄としての賞賛・名誉といった独善的な希求だとすれば、「戦争は人の心の中で始まるものだから・・・」というユネスコ憲章の前文はまさに優れた洞察でしょう。

そうであればあるほど、プーチンさんの時代錯誤の思惑は、今日の世界の世論、そして、自らの足元のロシアの多くの国民の、恐らく、今ウクライナ戦線に派遣されているロシア軍兵士の心とも大きく食い違っているのではないでしょうか。

プーチンさんは、歴史的な同胞ウクライナの国民は、自分の意図に当然従うべきだと考えるのでしょう。
一方、前線の兵士の中にも、ウクライナに親戚知人を持つ人は多いでしょう。歴史的な同胞と、21世紀の世の中なのに、なぜ殺し合わなければならないのか、という感覚を持つ人の方が多いのではないでしょうか。 

既にプーチンさんは、戦争のない世界を作る大きなきっかけでもある「核の抑止力」を無視、「核の使用」についても、ロシアは、核保有の超大国として、その使用も視野に入れているという意識を、単なる威嚇と思いたいところですが、示しています。

こうした21世紀地球人類の「タブー」に、敢えて触れる発言をするという事は、プーチンさんの心の中には大きな「焦り」がある事の証左ではないでしょうか。

プーチンさんに、今、知らせなければならない事は、ロシア国民を含め、地球上の多くのの国も人々も、プーチンさんに「ダー!」(yes!)、 とは言っていないという事実なのではないでしょうか。
そして国連は今、それを「緊急国連総会」という形で、伝えようとしているのです。

「プーチンさん、あなたの思いが叶っても、あなたは英雄にはなれません」という事を早く分かって貰う事ではないかと思うところです。

ロシア国内の戦争反対の声を大事に

2022年02月26日 13時12分05秒 | 国際関係
プーチンがウクライナ侵攻を始めたとき、最初に気になったのは、ロシア国内の状況はどうなのか、はっきり言えば、ロシア国内に、この時代錯誤の戦争を仕掛けてプーチン政権に対して「戦争などと言う手段を使うのは大きな間違いだ」「この時代に戦争を仕掛けるなどは国として誤った選択だ」といったプーチン批判はないのだろうか」といった事でした。

つまり、今回のウクライナ侵攻はプーチンの個人的な意思で起きたもので、多くの国民はそんなことは望んでいないのではないか、それなのになんで?
という気がしたのです。

勿論、今や主要独裁国家の典型のようなプーチンのロシアですから、プーチンを崇拝する人たち、プーチンの言う通りに動く軍隊・警察があってのことでしょうが、一方にはノーベル賞の反政府ジャーナリストも、民主主義でなければという元大統領のゴルバチョフさんも居て、国民全体がプーチン独裁を認めているわけではないはずだと思っていました。

そうした中でやっぱりと納得したのが、ロシアの数十の主要都市で戦争反対のデモが起きたというニュースでした。
プーチンの出身地というサンクトペテルブルクの大通りを埋め尽くしたデモの写真は当然と思いながらも驚きでした。

プーチン政権は、神経を逆なでされたのでしょう。各都市で合計1800人以上を逮捕、拘束したとのことですが、問題は今後でしょう。

ロシアも形は民主主義で反対党もあるわけですが、プーチンは反対党党首については毒殺を試みて失敗、投獄して立候補させないといった事がマスコミ報道されていました。

プーチンに反対することは恐ろしい事でしょうが、それでも、逮捕者が出ても、デモが起きるという事は、今やロシアの中にプーチン独裁反対の機運が高まりっつつあるという事の証明でしょう。

ロシアのアカデミアの中では、ロシアの孤立はロシアの研究開発活動の劣化を齎すと危機感を表明する声が多いとのことです。

バイデン大統領は、今や世界の3分の2がロシアの行動に反対しているといっていますが、おそらく国の数でいえば90%以上になるのではない愛でしょうか。
こうした国際世論を「根拠のある情報」として出せるのは国連でしょう。

ロシアも形は民主主義国です。国際輿論の現実を示されればそれに反対することは多分にやりにくい事になるでしょう。

更に重要なことは、プーチンの足元、ロシアの世論が、プーチンの選択した「戦争」という手段に否定的であることが最も重要な決め手になるのでしょう。

今起きていることは、第三次世界大戦の入り口ではないかという見方さえあります。そしてそれは民主主義と独裁(専制)主義の戦いとなるのでしょう。

21世紀の地球市民が、そんな愚かな選択をして仕舞わないためにも、地球市民の多数の声が、人類社会の進む方向を決定するような、全地球的な民主主義の視点を持って、今の混乱状態についての合理的、適切な判断をするようにすることが、まさに地球市民に求められているのではないでしょか。

その意味でも、戦争をおこした当事国であるロシアの市民の声は極めて大切な意味を持つのではないでしょうか。
ロシア国民の「戦争は要らない」という声を大事にしたいと思います。

ロシアの暴挙、世界の輿論を国連に結集せよ

2022年02月23日 16時44分28秒 | 国際関係
ロシアという国の在り方が著しく時代遅れであることが世界に知れ渡ることになりました。

今回のウクライナ侵略などはかつての植民地時代か、さらにさかのぼれば中世の領土獲得が国力の誇示の最高の手段だった時代と変わらないメンタリティーを持ち続けながら、国連という組織が確立している今日に存在しているというアナクロニズムの典型のような国だという事が世界に明らかになったのです。

先日、「情報化時代と戦争の開始」という、今日の情報化社会を前提にした現状分析の様なものを書きましたが。時代認識が全く違う国を相手にしては、現代の感覚は必ずしも分析の手段にならないという事を実感した次第です。

最近の(プーチンの)ロシアの様な、時代感覚、版図拡大が、本気で国力の増強や誇示につながると考えているような国に対しては、世界が、国連という組織のもとに衆知を集めて、そうした国の再教育をし、今はもうそういう時代ではないのですよという事を理解させなくてはならないのではないでしょうか。

既に国連はその役割を果たすべく、今日の世界では、こう考えるべきなのですよという事を的確に闡明しています。

グレーテス国連事務総長の発言は
「同意なしに他の国に軍が入るとき、それは平和維持部隊ではない」
と明言して、ロシアに自制を求めています。

国連は、世界人類社会においてそのガバナンスを発揮して、人類社会に平和と安定と発展を齎すために作られた組織で、ロシアもその組織の中で、最も重要な中枢機能を果たす「常任理事会」を形成する5か国の1つという地位も名誉ある国なのです。

世の中では、時に、こういったトンデモナイことが起きることがないわけではありませんが、今回のケースは最悪の例の一つかもしれません。

いま世界には200余の国があるそうですが、ほとんどの国は国連加盟国でしょう、その世界の国々が一致して、国連を支持し、国連憲章に則った行動をすることの大切さをロシアに教えることが、この際大変大事ではないでしょうか。

戦後から一貫して国連中心主義を掲げている日本政府などは、そうした運動のために、どこよりも積極的に国連を支持し、国連憲章の意義を加盟国とともに世界に訴え世界の輿論を糾合する活動を始めるのが良いのではないかなどと感じるところです。

余計なことを付け加えれば、領土の広さに関係なく、いくらでも経済発展は出来るのですよという事を、教えられる国の一つでもあるのですから。

米中「民主主義論争」:本格論議に発展させよ

2021年12月06日 23時11分08秒 | 国際関係
アメリカが今月9日からオンライン形式で、110の国や地域の首脳などを招いて「民主主義サミット」を開催することになりました。
これに対抗するという事でしょうか、中国はアメリカ流の民主主義への批判を強めると同時に、中国も民主主義国家であるという主張を強めることになったようです。

具体的には、今月4日「中国の民主」と題する白書を発表し、5日には「アメリカの民主の情況」という文書を公表しています。

アメリカの「民主主義サミット」の呼びかけをきっかけに、米中間で、というより世界中で、「民主主義とは何か」を本格的に議論するという状況が生まれたとすれば、これは大変素晴らしいことではないでしょうか。 

 というのも、今の世界は、アメリカは世界の民主主義のリーダーということになっていて、一方、大国では中国、ロシアは専制主義と言われながら、それぞれに選挙制度、多数決せいどを持ち民主主義の形を取っているということになっているのです。

そうした中で中国は今回、民主主義というのは必ずしも一様ではない。それぞれの国にその国に見合った民主主義があって然るべきという論争を仕掛けているように思われます。
「論争」は大いに結構です。「戦争」はしない方が良いのです

私共が得られる情報は、マスコミの報道しかないので、それが正確であるという前提での話になるのですが、中国は、アメリカの情況について、金権政治で少数者が支配し、アフガニスタンでは20年も戦争をし多くの犠牲者を出して人道的に問題がある、などと批判しています。

一方アメリカは、中国・ロシアは専制主義国家と位置づけ、民主主義国家を守るために「民主主義サミット」を開催するわけです。
それに対して、専制主義国家と名指す中国が、中国は中国流の民主主義、より高度な民主主義を創造して実践していると言っているという事です。

こうなればアメリカも、自らの民主主義の正しさを立証し、民主主義の本質に照らして、いずれが真の民主主義に沿うものかについて、本格的に論争しなければならないという事になるのではないでしょうか。

そのためにも有意義な議論が9日からの「民主主義サミット」で行われることを期待することになるのですが、アメリカとて、決して問題がないわけではないでっしょう。 

ついこの間までのトランプ政権では、まさに専制君主的な行動をとる大統領を民主的な選挙で選んでいたわけで、特に米中関係では関税や制裁で、米中対立の激化をもたらしていたという実績もあるわけです。

勿論、中国は後発国に対する援助政策、先進地域では強大な軍事力を見せつけるような示威行為などと、国際的な緊張を高める行動の使い分けで、国際関係の安定を無視するような各種政策も日常です。

客観的に見れば、中国・ロシアなどの自称民主主義国は「拡張主義」の政策がお好きなようで、アメリカは自らの覇権の維持でこそ世界の安定は保てるという、時には独善的な政策でそれに対抗するといった形でしょうか。

その渦中で、改めて中国が「民主主義とは何か」という問題を提起してきたのです。
もし、中国がそれを本気で提唱、実行するというのであれば、世界の情勢は大きく変わる可能性もあり得ます。

少なくとも、地球人類がみな民主主義を良しとすれば、戦争による破壊や惨禍はなくなるでしょう。

結果はどうなるか解りませんが、ここは徹底的に論争・論戦を展開して、共に理想とするべき「民主主義」の本格的な実践の基礎作りに役立てるという方向に少しでも進んでくれることを期待したいと思う所です。

EU「グローバル・ゲートウェイ」計画発表 

2021年12月02日 14時55分43秒 | 国際関係

昨12月1日、EUは、世界的なインフラや気候変動対策プロジェクトなどに2027年までに総額3000億ユーロ(3400億ドル)を投資する計画を発表しました。

「など」の中には気候変動対策のほか、デジタル化、エネルギー、輸送部門、教育、研究など幅広い部門も入っているようで、EUとしては、この計画は中国の一帯一路を相手と意識したものであることを率直に表明しています。

EUによれば、この計画は、地元社会がインフラ投資の恩恵を受けられるように、民間部門と提携して実施すると表明。中国の一帯一路に対する「真の代替案」だとしています。

というのも、中国の一帯一路が、現代版シルクロードとして、ユーラシア大陸からアフリカまでのインフラ整備による経済発展を目指すとしているのですが、現実には、中国の場合、中国式の政治社会体制を目指していることのへの危惧があるでしょう。

更にこれまでの経緯を見ても、相手国が目を瞠るような巨大、豪華な整備を行い、結果巨大債務で相手国が返済不能になる、いわゆる「債務の罠」になる例(スリランカのハンバントタ港その他)などの指摘もあり、自由世界としても何か対抗措置が必要との意識あってのことでしょう。

EUはアメリカのようにあからさまに中国との対立意識をおもてに出しませんが、最近の習近平さんの言動を見ると、矢張りきちんと対抗措置を取っていかないといけないのではないかという強い意識を持っているのでしょう。

最近、ラオスに対する中国の援助政策の報道を目にしますが、まさに中国の威力を見せつけ、中国に頼るのが最もいいといった、いわば中国一辺倒のファンづくりのような感じを強く受けます。

確かに中国が援助してビエンチャンへの鉄道を敷き、それがタイからマレーシアに伸びてシンガポールにまで達するといった構想をすれば、インドシナ半島諸国からシンガポールというアジアのハブを経てインドネシアへと延びる東南アジア圏の経済の連携、それをベースにした広域の経済発展に資することは大きいでしょう。

こうした国際協力のためのインフら整備が共存共栄、関係諸国全てのwin=winの関係の中で行われるような状態が実現すればまさに素晴らしい事とですが、かつて日本が南満州鉄道に力を入れたように、特定国の植民地支配の構想の中に織り込まれていては、最終的な完成はおそらく不可能でしょう。

中國、習近平さんが,いかなる意図を持っているかは知りませんが、EUの構想は、こうした目標を持つ活動は公正な市場原理に基づいて、関係者がみな自由経済の原則に則ってこそ、最終的な完成にまで持っていけるという「自由競争原理」の大切さを、身をもって実践しようという意図の具体化と理解すべきでしょう。
 
EUにとっても冒頭に記した38兆円(日本円にすれば)は大きな負担でしょう。しかし、それをEUの力で実行しようという合意には、深甚の敬意を表したいと思う所です。

戦後のアメリカのマーシャルプラン、ガリオア・エロア、更にはアジアの経済発展を見ても、広域の国際協力が、如何に関係経済圏の発展、人々の生活の向上に役立つかは、目に見える形で存在します。

中國とても無限にカネがあるわけではないでしょう。今回のEUの構想が、喫緊の課題になりつつある気候変動への対応も含め、世界の国々のwin=winも経済協力関係への契機のもなることを願う所です。

中国は「台湾は国内問題」と言いますが

2021年11月16日 22時02分52秒 | 国際関係
米中首脳会談が始まりました。世界の1番と2番の大国のトップが話し合うのですから、人類社会の2大リーダーの(リモートとはいえ)直接対話ですから、何とかそれにふさわしい、世界人類のためになる結果を期待したいと思います。

アメリカもトランプさんの時代だったら、世界中が心配するでしょうが、バイデンさんになって、アメリカファーストはやめ、世界を良い方に導こうというお考えのようです。
しかし、国内ではトランプ流のアメリカファーストがいい人も沢山いるようで少し心配です。

中国は、習近平さんが、「覇権を目指そうとは思はないが、世界を良い状態にするにはアメリカ流の民主主義ではだめで、中国が(自分が)考えているような体制にしなければ纏まるものではない」というお考えのようです。

中国が今やっているのは、経済は自由経済の方が発展するからそれでいいが、政治は共産党一党独裁の専制型でなければならないという事に様に見えます。

心配なのは、習近平さんは、目標達成のために3選を目指していることです。
3選は、鄧小平さんが、毛沢東が中国の統一と発展を目指しながら、晩年は文化大革命といった過ちをしたことに鑑み、長期政権の弊害除去のために定めたものです。

習近平さんが、交替をしないという事は、自分でなければダメと思っているからで、「目指す世界」も自分しか解っていないという事から来るのでしょうか。
自由経済がいいと言いつつ、政治の世界では領土問題や人権問題を中心に国際的なトラブルが多いのが現実です。「目指す世界」は常人には理解困難です。

そうした中で、バイデンさんの(世界中の!)大きな心配は、習近平さんが台湾をどうしようとしているのかという問題でしょう 。

台湾は、中国に併合されたくないという気持ちでしょう。しかし、習近平さんは、「台湾は国内問題」で外国は口を出すべきではないと言っています。

習近平さんの考えと国際世論とはかなり違うでしょう。しかし習近平さんは、まさに本気のようです。

ところで、中國にも離婚はあるでしょうが、夫婦喧嘩で別居していた奥さんが、威張る亭主に愛想を尽かし、もう帰るつもりはないと言っているのに対し、亭主は「力ずくでも連れ戻す」と強引だという場合、中国の多くの人はどう考えるでしょうか。

友人や知人が、「あんまり無理を言うなよ、もうお前のこと好きじゃないんだから」といっても亭主は「これは夫婦の問題だ、口を出すな」と当たり散らすといったところです。

中國でも大抵の人は、亭主に「もういい加減で奥さんの自由にしてやれよ」「嫌われたんだから、しょうがないよ。お前は身を引け」というのではないかと思うのです。

夫婦の問題なら、端から見れば、こんなふうに思うのですが、事が国の問題になると、価値観が変わって、奥さんの権利も自由も認めないとなるのでしょうか。
人間に関わる問題であれば、個人でも国でも良識は変わらないのではないかと思うのですが、国というのは何か異常に感情的になるような気がします。

習近平さんは本心ではどう考えているのでしょうか。それも解りませんが、長期政権になると、ますます頑固になるというのが多くのリーダーの場合ですが、この辺りが世界が最も心配するところではないでしょうか。