司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

相続法制検討ワーキングチーム

2014-02-18 09:59:27 | 民法改正
相続法制検討ワーキングチーム 第1回会議(平成26年1月28日(火)開催)
http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900197.html

「第185回国会(臨時会)において,嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分と同等にする民法改正が行われました。この民法の改正に際しては,各方面から,法律婚を尊重する国民意識が損なわれるのではないか,配偶者を保護するための措置を併せて講ずべきではないかといった様々な問題提起がされました。そこで,相続法制の在り方について検討を進めるため,家族法研究者や一般有識者等の協力を得て,この「相続法制検討ワーキングチーム」を設置することとしたものです。」


 とりあえず,論点としては,「生存配偶者の居住権を法律上保護するための措置」「配偶者の貢献に応じた遺産の分割を実現するための措置」「遺留分制度の見直し」が挙がっている。
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相続分の全部を譲渡した者は,遺産確認の訴えの当事者適格を有しない

2014-02-17 14:34:56 | 家事事件(成年後見等)
最高裁平成26年2月14日第2小法廷判決
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83947&hanreiKbn=02

【裁判要旨】
共同相続人のうち自己の相続分の全部を譲渡した者は,遺産確認の訴えの当事者適格を有しない

「共同相続人のうち自己の相続分の全部を譲渡した者は,積極財産と消極財産とを包括した遺産全体に対する割合的な持分を全て失うことになり,遺産分割審判の手続等において遺産に属する財産につきその分割を求めることはできないのであるから,その者との間で遺産分割の前提問題である当該財産の遺産帰属性を確定すべき必要性はない」
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取締役が欠格事由に該当した場合の退任を証する書面

2014-02-17 01:23:42 | 会社法(改正商法等)
 会社法第331条第1項では,取締役の欠格事由を定めている。

 例えば,現に取締役に在任している者が,有罪判決を受けたとき(会社法第331条第1項第3号又は第4号に該当するに至ったとき)は,当該判決が確定した時に,資格喪失により退任する。

 そして,取締役の退任による変更の登記の申請書には,これを証する書面を添付しなければならない(商業登記法第54条第4項)ので,「退任を証する書面」は何かが問題となる。

 原則として,刑事事件の判決書となろう。

 それでは,会社は,取締役の退任による変更の登記を申請するために,どのようにして判決書を入手すべきか。

 刑事訴訟法は,被告人その他訴訟関係人は,自己の費用で,裁判書又は裁判を記載した調書の謄本又は抄本の交付を請求することができる(同法第46条)と定めている。

 したがって,被告人又はその弁護人の協力が得られるのであれば,裁判書等の謄本の入手をお願いすればよい。

 しかし,その協力が得られない場合には,どうしたらよいのか?

 何人も,被告事件の終結後,訴訟記録を閲覧することができるので(刑事訴訟法第53条第1項本文),刑事確定訴訟記録法に基づいて閲覧し,謄写の許可を得て,当該訴訟記録を写真撮影することができそうである。

 よって,退任を証する書面としては,裁判書等の写真を添付することになるのであろう。

 ただし,判決がいつ確定したのかが判ずる必要がある(控訴がされなければ,判決の言渡し後14日の経過により確定)が,おそらく裁判書上に,当該日の記載がされているのであろう。

cf. 刑事確定訴訟記録法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S62/S62HO064.html
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合同会社を中心とした法人全般の比較

2014-02-15 22:52:00 | 会社法(改正商法等)
愛知県司法書士会会員研修会「合同会社を中心とした法人全般の比較」は,大雪の影響で中止の懸念もありましたが,無事終了。オリンピックの余波で,爆睡状態の方も少なからず見られましたが(^^)。

枕に,時節柄の話題として「会社法改正法案の概要」の話をし,その後に「合同会社」関係の話を展開しましたが,考えるといろいろ論点がありますね。

懇親会では,うなぎの「釜まぶし」をごちそうになりました(^^)。ありがとうございました。
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ポスタージャック(相続登記はお済みですか月間)

2014-02-15 22:21:31 | 司法書士(改正不動産登記法等)
京都市地下鉄の京都駅です。これは,効果大の予感。

お気軽に御相談ください。

cf. 相続登記はお済みですか月間 by 京都司法書士会
http://www.siho-syosi.jp/topics/doc/20140115.pdf
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NPO法人の理事の任期の定め方

2014-02-13 22:26:35 | 法人制度
 NPO法人の理事の任期については,法律が定める上限である「2年とする」とした上で,法第24条第2項の規定による定款の定めを設けることが多い。

 このような場合,例えば,3月決算のNPO法人においては,理事の任期を6月1日から2年後の5月31日までとした上で,任期満了直前である5月中に定時総会を開催して理事を予選し,代表権を有する理事については,理事の就任の効力が生じた6月1日以降に開催する理事会で選定しなければならないのが通例となっている。

 株式会社と同じような運営は,内閣府が定めている定款準則に従えば,不可能なのである。

 しかしながら,法第24条第2項の規定による定款の定めを上手く活用すれば,実は可能なのである。

【定款例】
 (役員の任期)
第○条 役員の任期は,就任後2回目の4月30日までとする。
2 前項の規定にかかわらず,後任の役員が選任されていない場合には,任期の末日後最初の総会が終結するまでその任期を伸長する。
3・4 【略】

 上記のような定款規定を置けば,例えば,平成26年5月20日開催の定時社員総会で選任された理事の任期は,定款第○条第1項の規定により平成28年4月30日までとなるが,同条第2項の規定により,同年5月に開催される定時社員総会の終結の時まで任期が伸長される。

 すなわち,毎年5月に開催する定時総会で2年ごとに理事を改選し,同定時総会終結後の理事会で代表権を有する理事を選定することが可能となるのである。

 いささかテクニカルな定款例ではあるが,法が許容する範囲内であり,問題はない。定款準則どおりでないことが気に入らない御役人は,多分いるかもしれないけれど。

 そもそも論ではあるが,NPO法人の理事の任期についても,会社法や一般社団法人・財団法人法のような法定任期にすれば,よいだけのことなのだが。
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「礼金ゼロ,敷金ゼロ」物件に注意

2014-02-11 15:59:52 | 消費者問題
朝日新聞記事
http://www.asahi.com/articles/ASG1X577GG1XOIPE012.html?iref=comtop_6_01

 「礼金ゼロ,敷金ゼロ」を謳いながら,入居を決めると,修繕負担金の支払を要求されるケースが増えているという。

 そのため,国土交通省中部地方整備局は,不動産の業界団体に適正な広告や十分な説明を促す通知を発出したのだそうだ。

cf. 入学・転勤など春の新生活を安心して迎えるために~賃貸住宅契約で注意すべきポイントについて~by 国土交通省中部地方整備局
http://www.cbr.mlit.go.jp/kisya/2014/01/1333.pdf
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設立時取締役の選任の時点

2014-02-10 17:45:20 | 会社法(改正商法等)
 設立時取締役とは,株式会社の設立に際して取締役となる者をいう(会社法第38条第1項かっこ書)。

 株式会社の設立の手続は,原則として発起人が行うので,設立時取締役が有する権限は,限定されているが,設立時代表取締役の選定(会社法第47条第1項)と設立手続の調査(会社法第46条第1項)については,設立時取締役が行うべき行為であるとされている。

 したがって,あまり注目されていない論点であるが,設立時取締役が選任され,就任の効力が生ずる時点が問題となり得る。

 設立時取締役が定款で定められたときは,出資の履行が完了した時に,設立時取締役に選任されたものとみなされ(会社法第38条第3項),定款で定められていないときは,発起人は,出資の履行が完了した後,遅滞なく,選任しなければならない(同条第1項)。

 いずれにしても,出資の履行の完了が設立時取締役を選任するための要件とされている。

 それでは,公証人の認証後であることも要するのか?

 発起人が作成した定款は,公証人の認証を受けなければ,その効力を生じない(会社法第30条第1項)。しかし,この「効力を生ずる」の意味合いが実は明らかではない。

 すなわち,公証人の認証を受けた後でなければ,定款の規定に基づく設立の手続を行うことができないのか,単に,定款の内容を確定させる効果だけにすぎない(会社法第30条第2項参照)のか,いずれであるのかである。

 この点,発起人が出資の履行をする時期は,定款の認証前であっても,定款の作成又は発起人の全員の同意の後であれば差し支えないとして取り扱われていることからすれば,後者と考えてよいのであろう。

 この理からすると,設立時取締役が定款で定められたときは,公証人の認証の前であっても,出資の履行が完了した時に,設立時取締役に選任されたものとみなされ,設立時取締役は,設立時代表取締役の選定をすることができることになる。

 しかし,どうやら,公証人の認証を受けた後でなければ,設立時取締役は,設立時代表取締役を選定することができない,と考える立場があるようで・・・甚だ疑問である。

 同様の話として,一般社団法人の設立において,設立時理事が定款で定められた場合,やはり選任の時点が問題となり得る。この場合,会社法第38条第3項のような規定がないことから,定款の作成時点で選任されたものとして取り扱うのが合理的であろう。

 しかし,どうやら,上記設立時取締役の場合と同じく,公証人の認証を受けた後でなければ,設立時理事は,設立時代表理事を選定することができない,と考える立場があるようで・・・甚だ疑問である。

 定款認証前に諸々の手続を行うことに関しては,いささか古い先例であるが,定款認証前に株式の引受け及び役員の選任をなし,その後定款の認証を受けている株式会社の設立の登記申請は,受理してよい(昭和31年10月19日法務省民四第103号回答),というものがある。

 すなわち,定款認証前に諸々の手続を行うことは,容認されてきたのである。

 この点が,会社法等によって,変更されたとは考えられない(条文の整理がされた点は別として。)。

 条文の整理によって取扱いが変更された点を除けば,従来(会社法前)の登記実務が踏襲されているはずであり,またそうすべきであるから,定款認証前の行為を安易に否定すべきではないのだが,無理解の故か,どうも硬直的な取扱いが増えているような感があるのである。
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消費税率改訂に伴う官報公告・決算公告等の料金改定のお知らせ

2014-02-10 11:39:18 | 会社法(改正商法等)
消費税率改訂に伴う官報公告・決算公告等の料金改定のお知らせ by 東京官書普及株式会社
http://www.tokyo-kansho.co.jp/asp/menu/info_detail/?op=1&id=233

 平成26年4月1日掲載分より,消費税率が8%になることに伴い,官報の公告掲載料金が改定となる。

 申込みが3月中であっても,掲載日が4月1日である場合は,消費税は8%である。
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大津地方法務局草津出張所及び守山出張所が廃庁

2014-02-08 14:30:47 | 司法書士(改正不動産登記法等)
大津地方法務局からのお知らせ
http://houmukyoku.moj.go.jp/otsu/static/tougouosirase.pdf


大津地方法務局草津出張所は,
 平成26年1月17日(金)をもって廃止し,
 平成26年1月20日(月)に大津地方法務局(本局)へ統合された。

大津地方法務局守山出張所は,
 平成26年3月7日(金)をもって廃止し,
 平成26年3月10日(月)に大津地方法務局(本局)へ統合される予定である。
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運送・海商関係の商法の見直し

2014-02-07 14:35:34 | 会社法(改正商法等)
法務大臣閣議後記者会見の概要(平成26年2月4日(火))
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00504.html

 本日開催の法制審議会の総会において,法務大臣から「運送・海商関係の商法の見直し」等の諮問がされる(た?)そうだ。

「明治32年に商法ができて以来,実質的な見直しができていません。そのために,海の船の輸送等については規定がありますけれども,航空運送に関する規定などはありません。そこで,社会あるいは経済情勢の変化に対応した見直しが必要であり,当事者の公平に配慮した適切な契約ルールなどを定めていくということが,円滑な経済活動に資するであろうということです」

 
 「会社法」や「保険法」が独立して,抜け殻のように思われている「商法」であるが,「第1編 総則」「第2編 商行為」「第3編 海商」が現今だに存在し,重要な意義を有している。

 今般の改正では,「第2編 商行為」の第543条以下と「第3編 海商」の見直しとひらがな化が図られるものである。

 現今だに文語体であるのは,主要な法律としては,商法(一部),手形法,小切手法ぐらいであるが,今般の見直しに併せて,商法の現代語化が完成されることになる。
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公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律施行規則の一部改正

2014-02-06 20:09:19 | 法人制度
公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律施行規則(平成19年内閣府令第68号)の改正案についての御意見募集
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=095131300&Mode=0

 施行規則第23条を改正し,国等からの補助金等に由来する公益目的事業財産を有する場合に,目的である事業が終了する等,そのまま保有し続けることが合理性に欠けることとなったときは,自主返納することができることを明文で認めることとするものである。

 意見募集は,平成26年2月16日(日)まで。
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「事業者・専門家の連携がカギ!!京都における「空き家」対策を考える」

2014-02-06 11:05:46 | 空き家問題&所有者不明土地問題
「事業者・専門家の連携がカギ!!京都における「空き家」対策を考える」
https://www.miyakoanshinsumai.com/event/?act=detail&id=33

日時 平成26年3月4日(火)15:30~17:30
場所 アーバネックス御池ビル西館4階研修室(京都市中京区烏丸御池東南角)
主催 京都市

 京都市の空き家対策条例と専門家の役割を考えるシンポジウム。私もパネリストとして登壇する予定です。

 専門家向けですが,御関心のおありの向きは,是非お越しください。
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