司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

共同相続された株式は,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない

2014-02-25 20:12:42 | 会社法(改正商法等)
最高裁平成26年2月25日第3小法廷判決
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83978&hanreiKbn=02

【裁判要旨】
1 共同相続された委託者指図型投資信託の受益権は,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない
2 共同相続された個人向け国債は,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない

 原審の福岡高裁は,株式についても,「相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割され,共同相続人の準共有となることがない」と判示しており,びっくりですね。

 よく考えると,これまでの常識を覆す大胆な判決であり,理由付けを読んでみたい気はしますね。

 これを受けて,最高裁は,

「株式は,株主たる資格において会社に対して有する法律上の地位を意味し,株主は,株主たる地位に基づいて,剰余金の配当を受ける権利(会社法105条1項1号),残余財産の分配を受ける権利(同項2号)などのいわゆる自益権と,株主総会における議決権(同項3号)などのいわゆる共益権とを有するのであって(最高裁昭和42年(オ)第1466号同45年7月15日大法廷判決・民集24巻7号804頁参照),このような株式に含まれる権利の内容及び性質に照らせば,共同相続された株式は,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはないものというべきである(最高裁昭和42年(オ)第867号同45年1月22日第一小法廷判決・民集24巻1号1頁等参照)」

と初判断(?)。

 上掲の最高裁昭和45年1月22日判決は,「株式を相続により準共有するに至つた共同相続人は・・・」とさらりと論じてあるだけなので,初なのでしょう。
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