司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

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会社法第459条第1項柱書が変?

2015-02-17 12:41:55 | 会社法(改正商法等)
改正前
 (剰余金の配当等を取締役会が決定する旨の定款の定め)
第459条 会計監査人設置会社(取締役の任期の末日が選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の日後の日であるもの及び監査役設置会社であって監査役会設置会社でないものを除く。)は、次に掲げる事項を取締役会(第二号に掲げる事項については第四百三十六条第三項の取締役会に限る。)が定めることができる旨を定款で定めることができる。
 一~四 【略】
2・3 【略】

 会社法第459条第1項の規定により「剰余金の配当等を取締役会が決定する旨の定款の定め」を置くことができるのは,

(1)会計監査人設置会社であり,かつ,監査役会設置会社である株式会社が,取締役の任期を1年以下と定めている場合
(2)委員会設置会社である場合

である。

 平成26年改正会社法により,上記第459条第1項は,次のとおり改正される。

改正後
 (剰余金の配当等を取締役会が決定する旨の定款の定め)
第459条 会計監査人設置会社(取締役(監査等委員会設置会社にあっては,監査等委員である取締役以外の取締役)の任期の末日が選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の日後の日であるもの及び監査役設置会社であって監査役会設置会社でないものを除く。)は、次に掲げる事項を取締役会(第二号に掲げる事項については第四百三十六条第三項の取締役会に限る。)が定めることができる旨を定款で定めることができる。
 一~四 【略】
2・3 【略】

 要は,「取締役」→「取締役(監査等委員会設置会社にあっては,監査等委員である取締役以外の取締役)」と改正されるわけだが・・・。

 監査等委員会設置会社の「監査等委員である取締役以外の取締役」の任期は,改正後の会社法第332条第3項の規定により,「1年」であり,伸長することはできない(同条第2項の適用はない。)。

 したがって,「監査等委員会設置会社にあって,監査等委員である取締役以外の取締役の任期の末日が選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の日後の日である」ということは,あり得ないのだが。

 改正後の会社法第459条第1項の規定により「剰余金の配当等を取締役会が決定する旨の定款の定め」を置くことができるのは,

(1)会計監査人設置会社であり,かつ,監査役会設置会社である株式会社が,取締役の任期を1年以下と定めている場合
(2)監査等委員会設置会社である場合
(3)指名委員会等設置会社である場合

であるのだから,端的に,そのように規定すればよかったのではないか。
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1 コメント

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本日2.17税制改正法案閣議決定されました。条文掲載はあさってごろでしょう。 (みうら)
2015-02-17 14:25:30
本日2.17税制改正法案閣議決定されました。条文掲載はあさってごろでしょう。
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