法務大臣閣議後記者会見の概要(令和3年5月28日(金))
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00201.html
「2件目は,公証制度の充実についてであります。
公証制度は,国民の私的紛争の防止,私的な法律関係の明確化・安定化を図ることを目的とする制度でありまして,公正証書の作成や,会社設立時に必要とされる定款の認証などの場面で,国民生活にも定着しております。
法務省としては,このような公証制度の重要性に鑑み,広く国民に対し必要な公証サービスが提供されるよう,ユニバーサルサービスの維持に努めるとともに,IT技術の活用についても取り組んでまいりました。
近時,公証制度につきましては,公正証書の作成に係るオンライン化など,更なるIT化を求める声があり,現在の社会情勢等を踏まえますと,このような課題についてもしっかりと検討する必要があると考えられます。
そこで,今般,更なる公証制度の電子化に向け,必要な検討に着手するよう,事務方に指示をいたしました。
併せて,かねてより要望の寄せられることが多かった定款認証に係る手数料につきまして,起業促進に資するようにとの観点から見直して減額するよう指示をいたしました。
公証人による公証事務が手数料収入によってまかなわれていることも踏まえつつ,令和3年度中に必要な措置を講ずることといたします。
これらの点につきましては,河野太郎規制改革担当大臣とも意見交換をいたしまして,認識を共有しているところでございます。
法務省としては,今後も,公証制度の重要性に鑑み,制度の更なる充実・発展が遂げられるよう,国民のニーズと時代に合わせた見直しをしっかり検討してまいりたいと考えております。」
○ 定款認証手数料の引下げに関する質疑について
【記者】
定款認証手数料の引下げについてお伺いします。先ほども御発言がありましたが,今年度のいつ頃をめどに検討されるのか,具体的な検討のスケジュールを教えてください。
また,法務省はこれまで手数料の引下げには慎重な立場だったと思いますが,今回見直しを行うに至った理由についてお聞かせください。
【大臣】
定款認証手数料の引下げのスケジュールについては,スピード感をもって速やかに検討したいと思っておりまして,本年度中の可能な限り早期に政令を改正した上で,引下げを実施するよう指示しているところでございます。
先ほども公証制度につき申し上げたところでございますが,国民の私的紛争の防止などといった予防司法に重要な役割を果たしており,ユニバーサルサービスを維持しつつ,制度の更なる充実,発展を図ることが重要と考えています。
公証制度に対しましては,IT化を始めとする様々な声が寄せられているところでございまして,利用者のニーズや時代に合わせた見直しを検討していく中で,定款手数料の引下げにつきましても,起業促進に資するように見直しを行うこととしたものでございます。