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「阪神・淡路大震災」は「南海トラフ巨大地震」の前兆か

2023-02-13 12:35:35 | 気象・地震
今年は1995年に発生した阪神淡路大震災から28年になる年である。また、「南海トラフ地震」という超巨大規模の地震が起きる可能性が取り沙汰されているが、阪神淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震が南海トラフ地震の前兆なのではないか、と言われている。その根拠と可能性はどの程度なのであろうか。これについてウェザーニューズ社の気象・地震解説担当の山口剛久氏が詳しい解説をしているのでそのビデオを紹介したい。

『「阪神・淡路大震災」は「南海トラフ巨大地震」の前兆なのか』




山口氏は下記のように説明している。


そもそも「南海トラフ」の「トラフ」というのは、「海溝よりは浅くて幅の広い、海底の溝状の地形」を表す言葉である。日本近辺には例えば「日本海溝」という非常に深い海溝があるが、それと違って「トラフ」というのは海溝ほど深くないものを指しているのである。

「南海トラフ」は2つのプレート境界面であり、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に潜り込む場所である。また、過去に何度も発生している大地震であり、その周期は100年から150年ほどで、地震の強さを表すマグニチュードで言うとマグニチュード8以上のパワーを持つ地震である。



さて、阪神淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震が南海トラフ地震の”前兆”とされる理由について記してゆく。

南海トラフ地震はいわゆるプレート型の地震であり、これが起きれば巨大な力が発生して大きな被害がもたらされる可能性がある。近年では東日本大震災が代表的な事例だ。

このプレート型地震は海側プレートが陸側プレートの下に潜り込んでゆく事で発生するメカニズムであるが、陸側プレートが海側プレートからの強い圧力を受け受け続けていると、陸側プレート内部の浅い場所にごく狭い範囲だが、地盤にひび割れが生じて、時に局所的な崩壊が発生することがある。当然その場所では地震が発生する。

↑このメカニズムで発生した地震の一つが1995年に阪神淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震であるが、同様の地震を箇条書きにすると下記のようになる。


西日本のM6.5以上の内陸地震(1995年~)

1995年 兵庫県南部地震
2000年 鳥取県西部地震
2005年 福岡県西方沖地震
2016年 熊本地震



このように、M7クラスの地震がいくつも起きているのだ。



上述のように、南海トラフ地震は過去に何度も発生している。

前回は1944年と1946年であった。この時も本体地震が起きる前の数十年前から内陸地震が活発になっていたのである。


1944年と1946年の南海トラフ地震の場合に前兆となった内陸地震をリストアップすると下記のようになる。

1943年 鳥取地震
1909年 姉川地震
1925年~1927年 北丹後地震、北但馬地震



このような内陸地震が立て続けに起きていて本体地震に繋がった、という事例があるのだ。



さらにもう一つ前の1854年の南海トラフ地震の時にも同様の傾向があった事が確認されている。

それらを考慮すると、この28年間で起きている各地の内陸地震もまた次の南海トラフ地震の前兆と言える可能性があるのだ。



南海トラフ地震は、向こう20年以内で約60%程度の確率があるとされている。30年以内では70~80%にもなるのだ。次の本体地震(南海トラフ地震)の前に、もう少し西日本の内陸部でM7クラスの地震(*1)が起きる可能性もある、と山口氏は述べている。







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(*1)
もちろん阪神淡路大震災クラスの地震である。