常識と非常識、それはそもそも相対的なものであり、国や民族が異なれば驚くほどに価値基準が違ってくるものでもある。言葉の表現方法の差異、そして音が同じ言葉なのに意味が異なる言葉など、興味深い事例はたくさんある。
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日本で「コーヒー」と言えばCOFFEEであり、あの茶褐色の飲料を指すことは言うまでもない。
ところがタイ(THAI)で「コーヒー」と言うと大変なことになるので注意が必要だ。
タイ語で「コー」は「下さい」の意味。「ヒー」は女性器の意味。従って「コーヒー」とは簡単に言えば「やらせろ」という意味になる。実にとんでもなく危ないことであり充分に気をつけられたい。
タイでCOFFEEが飲みたければ「カフェ」と発音すれば大丈夫だ。
ホットなら「カフェ・ローン」。
アイスなら「カフェ・イェン」。
これで通じる。
ただしタイのコーヒーは砂糖がいっぱい入ってくるので油断していると滅茶苦茶甘いコーヒーを飲まされることになるかもしれない。特にアイスコーヒーの場合は注意だ。
タイでの食事作法も日本とはかなり異なっている。
フォーマルな食事の席でも傍目に見るとかなりラフな、というか、言い方は悪いがかったるそうに食事している人が多い。ナイフやフォークの使い方もまぁラフである。日本だと腋はしっかりしめて正しく上品に食器を使うのが善であると考えられているが、タイでは(ざっくり言えば)逆の価値観がベースにあると考えて間違いない。
そして、日本では出された食事は全部食べるのが礼儀であることになっているが、タイでは普通に平気で残す。これは背景に食文化の根本的な違いがあるように思う。つまり、タイでは食材がそこかしこにあるので、たとえ路上生活者であってもなんとか食えていってしまうほど食材が豊かな国なのである。従って「もったいないから全部食べましょう」という価値観は形成されなかった、と。
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西洋の食事におけるマナーも日本人においてはいくつか誤解されている点があるようだ。
たとえばフォークとナイフの使い方。
日本人はフォークの背に食べ物を乗せて食べることが良い作法であると思い込んでいる人が少なくないがこれは間違いである。
フォークは先端部に食材を刺したり、湾曲した腹の部分に物を乗せて口に運んでいくのが正解である。
ジャズ・ピアニストの山下洋輔氏の古い著書にはドイツで経験したフォークとナイフの作法についてのエピソードが語られている。
彼の著書である「ピアニストを笑え!」の中にその名も「ジャガ・ナイ・フォークのせはダメよ」という章がある。そこでは初めて欧州演奏旅行に出かけた山下洋輔氏がドイツ人プロデューサーからフォークとナイフの作法について教授される場面が描かれている。
ドイツ人が指摘した作法をいくつか箇条書きにしてみよう。
1.ジャガイモをナイフで切るのはNG。公共の場所でそれをやると教養のない人間と思われる。ジャガイモは左手のフォークでほぐすように切るのが正解。
2.日本人はフォークの背にものを乗せる。これが一番おかしい。フォークの背はものを乗せるようにできていない。持ち替えて内側に乗せて口に運ぶ。すくいたい場合はナイフでフォークに押し付けるようにして乗せれば良い。
3.フランス人はともかく、ドイツではフォークは絶対右手に持たない。
[参考:晶文社 山下洋輔著「ピアニストを笑え!」]
個人的には食事の作法はあまり堅く考えない方が結果的に食事が美味しくいただけると考えているが、マナーは必要な時には必要である。ちょっと心の片隅に置いておいていただければ、と思うところである。
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日本で「コーヒー」と言えばCOFFEEであり、あの茶褐色の飲料を指すことは言うまでもない。
ところがタイ(THAI)で「コーヒー」と言うと大変なことになるので注意が必要だ。
タイ語で「コー」は「下さい」の意味。「ヒー」は女性器の意味。従って「コーヒー」とは簡単に言えば「やらせろ」という意味になる。実にとんでもなく危ないことであり充分に気をつけられたい。
タイでCOFFEEが飲みたければ「カフェ」と発音すれば大丈夫だ。
ホットなら「カフェ・ローン」。
アイスなら「カフェ・イェン」。
これで通じる。
ただしタイのコーヒーは砂糖がいっぱい入ってくるので油断していると滅茶苦茶甘いコーヒーを飲まされることになるかもしれない。特にアイスコーヒーの場合は注意だ。
タイでの食事作法も日本とはかなり異なっている。
フォーマルな食事の席でも傍目に見るとかなりラフな、というか、言い方は悪いがかったるそうに食事している人が多い。ナイフやフォークの使い方もまぁラフである。日本だと腋はしっかりしめて正しく上品に食器を使うのが善であると考えられているが、タイでは(ざっくり言えば)逆の価値観がベースにあると考えて間違いない。
そして、日本では出された食事は全部食べるのが礼儀であることになっているが、タイでは普通に平気で残す。これは背景に食文化の根本的な違いがあるように思う。つまり、タイでは食材がそこかしこにあるので、たとえ路上生活者であってもなんとか食えていってしまうほど食材が豊かな国なのである。従って「もったいないから全部食べましょう」という価値観は形成されなかった、と。
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西洋の食事におけるマナーも日本人においてはいくつか誤解されている点があるようだ。
たとえばフォークとナイフの使い方。
日本人はフォークの背に食べ物を乗せて食べることが良い作法であると思い込んでいる人が少なくないがこれは間違いである。
フォークは先端部に食材を刺したり、湾曲した腹の部分に物を乗せて口に運んでいくのが正解である。
ジャズ・ピアニストの山下洋輔氏の古い著書にはドイツで経験したフォークとナイフの作法についてのエピソードが語られている。
彼の著書である「ピアニストを笑え!」の中にその名も「ジャガ・ナイ・フォークのせはダメよ」という章がある。そこでは初めて欧州演奏旅行に出かけた山下洋輔氏がドイツ人プロデューサーからフォークとナイフの作法について教授される場面が描かれている。
ドイツ人が指摘した作法をいくつか箇条書きにしてみよう。
1.ジャガイモをナイフで切るのはNG。公共の場所でそれをやると教養のない人間と思われる。ジャガイモは左手のフォークでほぐすように切るのが正解。
2.日本人はフォークの背にものを乗せる。これが一番おかしい。フォークの背はものを乗せるようにできていない。持ち替えて内側に乗せて口に運ぶ。すくいたい場合はナイフでフォークに押し付けるようにして乗せれば良い。
3.フランス人はともかく、ドイツではフォークは絶対右手に持たない。
[参考:晶文社 山下洋輔著「ピアニストを笑え!」]
個人的には食事の作法はあまり堅く考えない方が結果的に食事が美味しくいただけると考えているが、マナーは必要な時には必要である。ちょっと心の片隅に置いておいていただければ、と思うところである。