普段、政治、思想的な言動はあまり好きじゃないのだが、今回はレポートという形でご勘弁願いたい。
2012年6月22日(金)首相官邸前の大飯原発再稼動反対デモに参列してきた
駅に降りると、一種異様な緊張感がある。三大宗教の聖地イスラエルでも目に見えない緊張感を感じた。怒り、思想、願いありとあらゆる人間の魂が呼応するのであろうか。
まず、飛び込んできたのは駅付近で立ち止まらないように、と案内する女性たち。彼女たちもまたボランティアで自然発生的に集まった人々なのか。大人しく従う人々の列はどこまでも続く。坂を下った。
福島を忘れるな!
そう、たった1年前に起きた東日本の惨状。そして人災ともいえる放射能汚染で家族分断生活を余儀なくされている人々。生まれ育った土地に暮らす、当たり前が叶わない人々がまだいるのだ。人類の平和な生活には脱原発しかありえない、と宣言した菅元首相だけをエスケープゴードにして、時の政権と2大野党は道筋なき再稼動に踏み切った。
茱萸坂を下るに随い、次第に熱気に取り囲まれた。
それもそのはず、そこにいるのはどこにでもいる普通の市民たちだから。
小さなお子さんを抱っこして駆けつけた主婦、声を張り上げていたのは学生服を着た中学生、高校生たち。戸惑いながらも、「再稼動反対」とつぶやくおじいちゃんとおばあちゃん。
こんなたくさんの市井の民衆が、いてもたってもいられずに集まったんだ。
陽が傾くほどに高まる「再稼動反対!」のシュプレヒコールの連呼。
太鼓や笛、拡声器を用いての叫びは、けっして威圧的でなく、願いそのものである。
これぞ、平成の蜂起である。
主催者発表によると、4万5000人が集まったという。
民放各局、新聞社、報道機関の知った顔もちらほら見える。
いまやスポンサーが牛耳るマスコミにあって、ほぼ抹殺されてきた脱原発デモ。
落合恵子さんを筆頭にした著名人、野党からもデモに参加していた人もいる。
NHKは黙殺。海外の数百、数千のデモは報じても、国論を二分する官邸前の4万5000人の民意は報じない。新聞も週刊誌も一面を飾ってもおかしくない特ダネではないか。
小川キャスターの姿に、淡い期待はかけてみた。
果たして、報道ステーションはやってくれた。開始から3番目のニュースで大きく取り上げていた。もちろん、そこには小川キャスターの熱意があった。古館さんの屈しないぞという気骨を感じた。
日本にも、ジャーナリズムは生きていたのだ。
今後、圧力はかかるだろう。屈せず、頑張ってほしい。
平成の天草四郎時貞は、ツイッターで呼びかけた介護士の若者だ。あらゆるメディアからシャットアウトされた情報も、交流を活かしたSNSは止められなかったようだ。思えば、アラブの春も新しい時代ならではの兆しであった。
消費税しかり、沖縄しかり、東北しかり、年金しかり、子育てしかり、嘘をついたら閻魔様に舌を抜かれると、曾祖母から教えられて育った。
永田町も、霞ヶ関も、そう教えてもらえなかったのだろうか。
民衆は静かに怒りを蓄えているのだ。
うねりが始まった。
300人から始まったツイッターの市井の勇士たち。
この6.22は、4万5000人。来週にはもっと膨れ上がるだろう。
再稼動は止められなくとも、その後の原発の可否を問う世の中になってほしい。
偽政者の戯言に、何か一度はアクションを起こしたかった。
子どもたちに、子孫たちに、地球に住まう生き物、植物に、あの時どうして行動しなかったのかと、悔やむことはしたくない。
いまできることをしよう。
お百姓さんは田畑を耕す、漁師さんは魚介を獲る、作家は心安らぐ愉しい物語を紡ぎ、ジャーナリストは真実を表裏双方から伝えるのだ。
この再稼動反対デモも真実。一方、ほとんど報道されない日本の支配社会も真実。
手続きが便利だからと国民総ナンバー制を導入しようという、犯罪者を捕まえる最新技術だからとどこもかしかも監視カメラの目が光る。
近未来映画にみた恐怖が、ひたひたと忍び寄る不気味さ。
大切な事実を、当たり前に知ることができない真実から目を逸らすことはやめよう。
諦念、あきらめこそが、敗北なのだから。
平成のええじゃないか。
同人の前代表は封建の一揆を見事に描いた。
その本から、権力者は一揆、蜂起が起ったことを隠したがる生き物なのだと知った。
官邸前
同じ夜に、官邸では消費税や再稼動への道筋を話し合っていたようだ。
心穏やかならぬまま、高級車で立ち去る首相がこの国を導くのだ。
だが、このうねりは止められない。
何故なら、主役も主権も国民のものなのだから…。
来週の金曜日も、官邸前のデモは行われる模様。
大衆のなか知らず口にしていた言葉に胸が熱く、頭は冴え渡る。
観世音菩薩様を灯す光に、明日への希望がみえた気がした。
今夜の蜂起は、「紫陽花革命」と命名されたらしい。
ジャスミン革命のように、平和への歴史的な革命の日となることを祈る
「子どもらの 寝顔に祈る 夏の風」
海光
されど、という言葉は大嫌いだと思ってきたけれど、己自身が、「されど」そのもの。
今が、小○そのもの。
それを気付いてる政治家が何人いるのか。
憤りを感じる日々。
国民一人一人が少しでも良いから何かをしていかないと と感じます。
ジャスミンではなく、季節と花の風情、その美しさまで重ね合わせた命名に、日本人の文化と感性を感じます。
来週の金曜日、京都から行けるものなら行きたい!
でも…まだ印税が入ってないから行けないだろうな。往復一泊となると、やっぱり5万近くは消えるし…(涙
行けなくても、ハートとネットで応援します!
あの夜の熱気がひしひしと伝わってくるようで、素晴らしいレポートありがとう~
参加されたのですね!
前日、いつも強い問題意識で私たちを喚起してくださる絵本作家の人たちが、デモ参加の呼びかけメールを流してくれました。たくさんの著名な絵本作家たちが参加したようです。
私はあいにく予定が入っていて参加出来ませんでしたが、6月30日の『子どもの本・九条の会」4周年集会で、お話を伺えると思っていましたが、海さんのblogで・・・。
紫陽花革命・・・。
うつくしく、そして原発で苦しんでいる子どもたちやたくさんの人たちのことを思うと切なくなるネーミングです。
日本児童文学者協会でも、理事会で「脱原発」声明を作り、総会声明としてマスメディアに流しました。教育基本法以来です。なんとしても阻止したいですね。
未来のために、子どもたちのために!
若き日の辛い思いを、すみません。
白赤だすきの小○の旋風が起こる予感がした貴重な時間。たくさんの弱く強い市井の民の鼓動に、感動して体が震えました。おかし過ぎることには声をあげなきゃいけないんだ、そう思いました。今週もまた行こうと思います。
恋狼さま
一人ひとりの行動が国を変えると信じます。
一人では弱いもの。
300人が4万5000人、これが10万人、100万人になれば政変が起るはずです。
どうせ誰かがやると傍観したり、どうせ無駄だよと諦めてはいけない。一緒に行動しましょう。
りえ子さま
江戸は紫陽花で染まってます。このしっとりと美しい花を何の不安もなく見られる世の中にしたいものです。関西電力前でもデモがあるそうです。りえ子さまにしかできないこと。それは子供たちに夢を与えること。子供たちに希望を与えるりえ子さまの筆力で、暗いこの世の中を明るくしてくださいまし。あっしも及ばずながら、後に続きます。
ジュンコさま
強い問題意識を持たれるのは勇気と胆力がいるもの。あの夜、そんなジュンコ先生のお仲間である絵本作家さんがたくさんいらしたのは、真に心強いです。
今日は子供ふたりとも芝生と土のグランドで試合をしてました。人間が制御できない爆弾が日本中に地雷のごとく埋まってます。放射能に怯え、被爆に侵される子供たちの姿はけっしてあってはなりません。子供たちの未来を守りたいです。弱き民衆は数が必要です。団結しましょう。
皆さん、コメントありがとうございました。