週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

チンチン電車の小さな旅

2015年04月05日 | ★全国蕎麦屋飲み好き連★




【君の肩こぼるる花の一二片】 優女 天賞


 4月初っ端の土曜日。

 わが全そ連恒例の花見の句会でござんす

 起きたてに隅田川をRUN♪ 桜の花をチェックする。

 きっとこの週末が見納め。

 築山にユリカモメが舞う。

 大川の桜の空はいつでも美しい。


 


【すみだがわ流れる色は散る桜】瑞芭蕉 


 ここリバーセンター脇でも桜祭りが開催されている。

 日曜は水前寺清子さんがゲスト。

 隅田の両岸では、町会が露店を出している。

 たこ焼き、焼きそば、焼き鳥、モツ煮、安いおつまみが充実。

 これじゃ花見客もひっきりなしだわ。





 この日は、都電荒川線のちい散歩。

 一日乗車券を購入すると、乗り放題で400円なり。

 こりゃお安いバカンス。 

 下町の旅は、お財布にも優しい。






【春うらら仲間とうたげ楽しいな】 和女 会長賞
 

 始発は三ノ輪橋。

 妙齢のカメラ小僧の集団がシャッターを切る。 

 プロ顔負けの機材が凄い。 

 駅には懐かしの看板が望郷を誘う。

 さぁ、みんなの待つ飛鳥山へ、元気ハツラツ!レッツらゴー!





【チンチンと汽笛が通る花の道】 哲露 人賞


 心地よい汽笛が鳴る。

 小さいな家々の間を、右へ左へ都電が縫っていく。

 チンチン♪ チンチン♪

 ちっちゃい頃、これ、鳴らしたかったのよ。

 25分ほどで王子駅。

 飛鳥山は目と鼻の先。

 駅前の東急ストアでツマミと酒を買い入れる。ケーブルカーなど乗らず、天頂を目指す。




 山を登り顔を上げれば、桜の絵が広がる。

 恵比寿のヒト、ラガーのヒト、ブラックニッカのヒトもそろって乾杯!

 北の風を避けて、山の裏へ。

 吉宗公も慈しんだ花を愛でて廻る。

 散る淡い花びらが行く手に流れてゆく。

 北島サブちゃんもビックリの、花吹雪は生と死のコントラストを演出している。

 たった一週間の花の命。

 この世の無常観がたっぷり。 


【行く春を告ぐるが如き花筏】 酔徹 幹事長賞




 
 あちこち小さな山の起伏が、古来からの名勝を贅にみちびく。

 太閤の愛でた西の山桜の賑わいを彷彿とさせる造り。

 武士たちのみた壮観を、目を閉じ、想像してみるのも一興だ。

 紙の博物館の隣に、渋沢栄一展もやっている。

 優女さん曰く、深谷のヒトだという。

 へえ、毎度才女の博学から知ること多し。

 お勉強になりやす。




 ヒトも車も行き交う街中に、やはり都電は似合う。

 幼い頃、仁丹塔の安全地帯に立ち、父に手を引かれて乗車した記憶が蘇る。 

 チンチン♪ チンチン♪

 車両の貸し切りが、たった13,820円なり。

 安くないすか。

 いつか仲間で、貸し切り宴会。

 やってみたいわ。


 

 飛鳥山から乗り込み、癒しの行楽地へ。

 荒川遊園地への道も、桜並木がつづく。

 モヤモヤサマーズばりのノリで、流れるプールを見ている、盥のようなボートがぷっかぷか。

 それはフーラフラと不安定そのもの。だが、女の子たちは無邪気で楽し気。

 春になっても、水はまだ冷たいだろう。

 懸命なうちらオトナは、誰もチャンレジしなかった。

 若くないのね。




 
 園内も桜がいっぱい。

 200円の入場料で、じつにのんびりできるのだ。

 ここで同期組が合流し、総勢11名で豪快に乾杯!

 持ち寄ったつまみがテーブルに並ぶ。

 たちまち園内の一角が、和みの空間に。





【絨毯の如し河面の桜帯】 鶴輪 地賞 


 敷き詰めた薄紅は迫力があるわ。

 生け簀への流れそのものが淡いピンクに染まっている。

 まさにサクラの絨毯。

 やはりこの花は散り際がうつくしい。

 いつの日か、私もこんな散り様が出来ようか。





 いい歳したオトナがハシャグのが素敵じゃないか。

 カップル、薔薇族、いろんな組み合わせで観覧車は廻る。

 振り向いた鶴ちゃんの不安げな顔。

 いってらっさいまし。


【しゃぼん玉陽光の花集めけり】黒い編隊





 空中の花見とはお洒落やね。

 隅田の支流を花筏が永遠の帯をひく。

 この高さだから楽しめる景色もある。

 ジェットコースター、作るも乗るもあっしにはまったく意味がわからん。

 ああ、でも、おいら、観覧車は好きやで。 


【春の日に荒川ゆうえんよかったね】 75歳紳士


 
 ブラタモリっぽい?

 男の子はいつだって、鉄道模型に夢中。

 女子はまったく興味なし。

 これが男女の意識の差。

 だからこの世は面白い。 





 ふたたび、三ノ輪橋まで戻り、青木屋で千住名物を薦める。

 揚げたてのコロッケパンは、コロッケが二つは入る青春の味。

 少年たちはぺろっと食べてしまうが、おじさんたちは持て余している。

 モヤモヤの小さな旅。

 このあと、ふるさと資料館で、荒川区の歴史をお勉強。

 ここ千住は松尾芭蕉の奥の細道の出立の地。

 宿場町もあったかつても賑わい、息遣いを感じることができる。

 たった100円の学びは、オススメ!


【桜餅お茶の香りのほほんと】 30代歌姫





 
 もう一度、都電荒川線に乗って、東尾久三丁目まで。

 ローカルの手打ち蕎麦屋【実】に寄る。

 馬刺、胡瓜とミョウガ和え、糠漬け、マスターの差し入れイカの薫製の天ぷら、浅蜊蒸し、鳥わさ。。

 ビールに、ぬる燗に、トマト酎ハイが飛ぶようにすすむ。

 酔う前にと、すかさず、用紙を配る。
 




【呑み干せば酒の肴か花一輪】 草露


 総勢11名による、春の句会。

 桜にちなんだ、有田焼を用意する。

 俳句などまるで浮かばない。

 燗酒をあおり、今日一日を憶う。

 みんなの句作を転写していく。

 クスッとしてしまう素直な句。

 さーて、発表!

 個性溢れる句が並ぶ。

 玄人、素人、選者も同じだからオモロイのだ。

 気になる結果は!? 

 おっと、ビックリ!

 意外なことに、人賞をいただいた。

 その日その場を詠む。それしか考えずに投じた。

 発句の要諦はまさにこれなんだな。

 同期も会長賞を取った。

 また一つ、素敵な思い出。

 仲間がいるってえのは、ありがてえ。





 マスターの手打ちのセイロ。

 ボリューム感もあり、歯ごたえもしかり、汁の辛さもほどよい舌触りだ。

 山葵も本物。

 いい店を発見したわ。

 店の外までお見送りしてもらう。

 マスター、女将さん、美味しい蕎麦を、ごちそうさん。




 
 75歳の俳人が連れてってくれる、怪しいスナック【みっちゃん】。

 船長さんと淡路恵子ばりのママがいい味出している。

 焼酎のみがお約束。それで、1500円の飲み放題歌い放題。

 さすが、町屋は侮れないわ。

 地元の先輩方に感謝。


【流れゆく新し出会い花いかだ】恭花


 今年も愉しい花宴でござった。

 全そ連の仲間たち、地元の同期組の仲間たち。

 優女さん、初の天賞おめでとう!

 鶴ちゃん、あの盃は羨ましいぜえ。

 帰りはチンチンの終電。

 たくさんのご参加と笑顔に、多謝!

 皆さん、お疲れさま
 
 



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
昨日は・・・ (鶴輪)
2015-04-05 21:06:37
お疲れ様でした。
盃は早速使せて頂きました。呑み心地最高です!
見所多い吟行。企画・調整、有り難うございました。
次回も何卒、宜しくお願い致します!
楽しかったね (海光。)
2015-04-09 10:08:51
鶴輪さま
花見会はお疲れさまでした。いつもサポートしてもらい、本当に感謝してます。
人賞もさすが!おめでとう!
次回へ向け、またどっかで打合せしましょう。
【:+* コンバンワ *+:】 (百音)
2015-04-10 00:05:40
先日はお疲れ様でした。

1500円の『みっちゃん』
また、行きましょう。

よろしくお願いします_〆(・ω・)
ありがとうございます! (海光)
2015-04-10 22:31:33
百音さま
ご参加頂いたどなたか、ですよね?コメントありがとうございます。

みっちゃん、秀逸でした。
カラオケも、久しぶりに気分良かったっす!

どなたか判らないので、あれですが、またの機会があれば是非よろしくお願いします!

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