週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

千貫御輿に憧れて!

2015年06月14日 | 呑み屋探訪(浅草、根岸、本所界隈)


        鳥越神社の千貫御輿


【夏の野に白いダボシャツ洗いたて】哲露


 浅草では、最初のお富士さんが過ぎると、今戸と鳥越の祭りが来る

 子供の頃、実家の町内が今戸神社の氏子だったので、鳥越は話しに聞くだけで担ぐどころか見た事すらなかった。

 三社祭の本社神輿の一之宮の重さが1060Kgの約1トン強、貫目に直すと、283貫。

 鳥越の本社神輿は、なんと3倍以上の、千貫(4トン)ある。

 三社祭の本社を担ぐのが浅草っ子の通過儀礼として、隣町の千貫御輿はいつか担いでみたい憧れだった。



 宮入の日曜日、家族で見学にいく。

 この神社の廻りに、数え切れないほどの露天商が出る。

 しかも、昨今見たこともない、全国津々浦々の食材の屋台があって面白い。

 図体だけ大きくなっても、そこは子供だ。

 食い物で釣ると、父ちゃんにも付き合ってくれるのだ。

 高張提灯は、鬼平の時代劇だけじゃない。

 下町では今でも健在!

 荒っぽさは、三社祭と双璧かそれ以上のようにおもえる。

 そのせいだろう、警官の数が半端じゃない。

 統率が取れた警備は、かなりの訓練の証。

 そろった掛け声に、日体大が多いんだろうな、という長男のひと声に笑ってまう。






 おかず横丁側から見ていたら、なかなかこない。

 蔵前橋通り、氏子と氏子を渡しながら、ゆっくりと行ったり来たりしている。

 ようやく目の前に来た!

 町会が渡御した瞬間、天に向かってさした。

 いよいよクライマックスだ。

 数年前は神社の鳥居傍で見たが、あちこちで乱入するヤンチャな男たちがいて騒然となった。

 今年はバリケードが張られ、近づくことは叶わない。

 いいんだかどうだか。これも時代の趨勢か。





 黒ラベルでホロ酔いになり、露天を冷やかしながら歩く。

 その脇を子供らは小銭を握って走る。すれ違う若者の活気がうれしい。

 大人たちは、地べたやらビールケースやらに腰掛けて、さらに本格的に飲もうという態勢。

 夕暮れ、明かりが灯る。
 
 お江戸の夏が駆け足でやってきた。



         角萬の冷やし肉南蛮そば

 
 一葉記念館のそばに、そば界のB級グルメがある。

 たまに無性に食いたくなる。

 遠方から来られる紳士諸君もたくさん。

 夏は麺がことさら旨いのだ。

 注文は、ひや肉と一言。大盛りは、ひや大と。

 祭りもひと息ついた。

 夕刻の日も伸びて、大層気分がいい。

 落ち着かぬ気持ちを沈めて、自分自身に向き合わないことにはいつまでも書けない。

 送別、壮行、打ち上げ、親睦、再会と宴会がつづく。

 どれもサラリーマンとしての人の営み、付き合いだけに仕方ないと諦めているんだが………。

 昨夜の同窓との会合は一次会スナック、二次会ボックスとカラオケ三昧、しかも午前二時半まで歌う通しの粋狂。

 カラダは疲弊し、酔いすぎの同期になぜだか憔悴した。ここはココロに喝をいれなきゃ。

 継続性、才能、どちらも泣きたくなるほどの乏しさ、小ささ。

 少しずつ、すこしずつやっていくしかない、そういうことよ