週刊浅草「江戸っ子瓦版」 -のんびりHiGH句な日々-

文学と食とRUNの日々を、PHOTO5・7・5で綴るエッセイ♪

ポークに酔った夜!?

2015年03月08日 | ★江戸っ子エッセイ★



 仕事のリズムが外回りに戻り変わった

 いや、元に戻ったということか。

 両国にある第一ホテルで、取引先とランチと洒落込むのも、その特権の一つ。

 前菜のハムも野菜もこだわった自然食。

 

 これは大塚人参のスープ。

 大塚っていっても、山梨県の緑豊かな土地のこと。

 添加物も生クリームも入らないのに、甘くてスムージー。

 大地の恵みをそのままいただく。



 そして、これが話題のヘルシーな豚肉、ノンメタポークだ。

 これが目当てで訪れたわけだが。

 脂肪が少ないのに、赤身はとても柔らかくジューシー。

 フォークで押すと、肉汁が溢れてくる。

 千葉大学とさる企業が共同開発した発酵飼料で育った豚からとれる。

 糞の臭いを抑えるために与えたところ、抗生剤も投入せず、健康でビタミンB1の豊富な豚が出来たらしい。

 タレをかけずとも、塩胡椒だけで十分。

 噛むほどに甘い黄金の汁の香りが鼻孔を抜ける。

 ご飯もパンも進むが、ああ、赤が飲みたい。

 ランチなので我慢したわ。



 野生のベリー、マンゴーとエスプレッソのアイスも絶品だ。

 こんな贅沢、バチが当たるんとちゃうか。



 同じ週末。

 今度はそのポークをしゃぶしゃぶでいただいた。

 いろいろと選べるお出汁だが、豚肉を味わうために、シンプルな昆布出汁と鶏ガラ出汁にした。

 サッと湯を潜らせるだけで、ふっくらとした食感だ。

 舌が肉のまる味を受け止め喜んでいる。



 脂っぽさがないのに、甘みはしっかりと残る。

 乳酸菌、納豆菌、麹菌、発酵する食材は生き物の腸に届いて、健康な肉体を作るという証明なんだろな。

 この発酵飼料は、牛にも魚にも野菜にも応用できるらしい。

 現在は鳥で試験中とか。

 私のチームがお手伝いすることで、世に広まれば、人のためにもなる。

 これは夢のある話しだ。

 いざ明るく前向きになれる材料があるってのはハッピーだね。

 世情を嘆いても、簡単には変わらない。

 身近なところから元気を発信していこう。

 仲間と気炎を上げ、ポークに酔った夜の風は優しかった。
 



 食にまつわる仕事が目の前にある関係で、幕張の食の祭典Foodexにお邪魔した。

 しばらくぶりの海浜幕張駅は、イベントで通った昔とは景観が一変していた。

 まったく、6年ぶりに歩くと、街の変貌にはビックリさせられる。

 日本各地の食、世界各国の食を目と舌で堪能。

 脂ののったブリやチョコレートコーティングされた黒にんにく。

 イタリアのチャンピオンがカットする極上の生ハム。

 樽から注ぐマコンビラージュに、カベルネ、とろりとした舌触りのラム酒、本場ベルギー、ドイツのビール。

 得体の知れないペルーのクソ甘いリゾット風、南国のバナナ、高級なふりかけ。

 中国茶に、スペインのイケメンが淹れるエスプレッソ。

 もう胃の中が、すでに東京オリンピックの前哨戦だ。

 しかし、リーゼントの決まったスペニッシュのウィンクには、おっさんもやられたね。



 おじいちゃんと孫娘のコンビが実演するタイ料理は、料理の鉄人さながらの臨場感。

 この可愛い女性が、20分の間に、トムヤムクン、話題のマッサムカレー、Fried ヌードルの三品を作る。

 真ん中のお姉さんは実況中継。

 マッサムカレーは辛くないのに香ばしい、不思議な新感覚カレー。

 このトムヤムクンのスープが旨かった。

 旨かったと伝えたら、お土産にペーストをくれた。

 コップクン クラップ!



 こんな人もいた。

 街は驚きと発見に満ちている。

 そう実感した2月のひと月だった。

 春は近いな


【髪を切り風の温さに春感ず】哲露