長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

阿闍梨餅

2010-12-04 07:42:31 | Weblog
京都の比叡山で難行苦行をされた坊さんのことを「あじゃりさま」
という。その名にちなんで、「阿闍梨餅」という京銘菓がある。
ぼくらが学生だったころは、三条河原町の古色蒼然としたお店で
しか売っていなかった。京都駅近辺のエチカや、デパチカでも
売っているので、希少価値は減ったけど、丹波の大納言を、あまり
甘すぎず煮て、お餅でつつんだ味は美味で、これに勝る京土産は
ない、と昭和50年くらいから思っている。

そんな話を時々するので、京都から遊びにくる友だちは、必ず
「おたべ」ではなく、「阿闍梨餅」をもってこられる。昨日は、
宅急便が届いた。お歳暮の季節なので、それかと思いきや、
送り手の名前をみたら、「戦車くん」だ。(もちろん、本名が書いてあった)
彼が京都に出張にいき、土産に買ってきたが、
年末で忙しいので、おっくった、とのことだった。賞味期限が
近いので気をつけてください、とメモが。ほんとうに、こまかい
ところに気付く男だ。「戦車」とかいう無粋な渾名では、もったいない。
「洗車」にかえようかしらん?巷には、賞味期限ぎれみたいな男女が
あまたいるけど、この阿闍梨餅は、賞味期限がきれても焼いたらまた
別物になる。

そんなことを思いながら、ひとつ口に入れたとき、坊さんみたいな
風袋の男子がカウンターに座って、蕎麦を所望された。
食べた後に、「この店、京都みたいな味がありますね」と京都弁で
いうので、「おおきに」と答えた。藍染をやっている人で、友だちから
「あのお店は京都みたいなお店だからぜひ、いっておくれやす」みたいな
ことをいわれて、京都からわざわざきはったらしい。
藍染というのは、もともと「東寺」の中でやられていたのが起源らしい。
「徳島」だと思っていたら、「一京都、二灘、三阿波」だったらしい。
それが京都はほかの艶やかな染めに移り、灘は酒にうつりして、徳島が特産
になった、らしい。
ちょうど週明けに京都の骨董やに野暮用があり上洛する予定があるので、
時間があったら、工房にお邪魔しようかと思う。

本来は冬休みだったけど、今日・明日・明後日は営業します。
来週は火曜日・水曜日・木曜日が休み。