長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

不思議な夜食

2015-03-31 08:29:02 | Weblog

昨日は「卵かけごはん」だった。

普通にごはんを炊いて、普通に平飼いの卵をかけて、

蕎麦屋で普通につくるかえしをかけて食べる。

毎週たまちゃんが、たまごかけごはんを食べにくる。昨日

は10時(まで)近くにきて「ゆうべ、野食を食べすぎて、ギブアップ」とのこと。

買い物や仕込みがあるので詳細はきかなかった。夕方たまちゃんがやってきて、

いつものように蕎麦を手繰って、ほぼぶらじるを飲みながら・・・

「何食べたの?」と聞いたら、「大福を器に入れ、それに牛乳をひたひたにいれてチンして、

ぐじゃぐちゃにして食べるのよ。はまるわよ。」とのこと。

85歳の野食にしては、野趣満天だけど、おまけに「やきおにぎりも、同じ食べ方をした。ら、腹こわした」

と言いながら、笑っている。まさに抱腹絶倒?

3月は今日で去る。桜も今週あたりで散るかもなんばん。

 


持続可能な生活をめざす  日々是好日

2015-03-30 07:08:38 | Weblog

今日は、これから「卵かけごはん」

蕎麦をだしている関係で、ごはんものは、週一回の月曜日

の朝だけにきめて4年になる。

具だくさんの味噌汁と、炊きたてのごはん、そこに平飼いの卵。

それに香のものをつけ、のりとかつおぶしのふりかけをつけている。

550円。珈琲100円(デミ)  という簡素なものだ。

最近自分で魚を開き、それをベランダの干し網に入れて、手前ひらきを

よく作る。それを炭火で焼いて、辛み大根をすったんとからませて食すと、

「お燗」といいたくなるくらい幸せな気分になる。ただ蕎麦と珈琲を供するお店

でそれをやると、魚の匂いがとれないので、あくまで自宅で幸せな朝ごはんを食べている。

夜は「論語の会」(順受の会)。今年は21年目。20周年を記念して、来月小川町で

パーティーをやることになった。平均年齢が還暦をちょい過ぎ、といったところなので、

赤いちゃんちゃんこ祝いみたいなものでもある。月に一度、論語や老子や孫子などを

勉強してきて20年。その時は、「儒学カフェ」さながらである。トレンドや流行りの市場調査

では、はしにも棒にもひっかからないような会だけど、「継続は力」よろしく、20年の年輪を

みごとに刻んだことになる。天真庵が寒山拾得ギャラリーとして、始まって20年でもある。

 

筆を持ったほうが「寒山」(かんざん)で、寒山詩を残した詩人。文殊菩薩の化身。

箒をもった相方が「拾得」(じゅっとく)で、森鴎外の短編「寒山拾得」によると、豊干老師

に拾われて、お寺のまかない、つまり「典座」(てんぞ)である。道元禅師の「典座教訓」

によるまでもなく、料理を作ったりするのは、大切な禅の修行である。

京都のお寺なんかで、ふたりが並んだ構図の襖絵などを発見し、「あ、寒山拾得だ!」なんて

いうと、なんだかえらくなった気分になる。でもその実、何もわかっていない自分に気づく。

生き方や哲学に「これ」というのはないけど、先人が煩悶し学問してきたことをたどっていくと、

「!なるほど」と腑に落ちるようなことがある。論語の読みの論語知らず、という名言はあるけど、

論語読みもしないで、毎日あの店のパウタがおいしいボリボリ、みたいで生き暮らすのはなんだか

なさけない気もする。

♪ぼろは着てても、こころは錦

粗衣粗食を苦にせず、自分の天真(ほんらい具わっている天からいただいた真のこころ)を貫いた

ふたりに学ぶこと多し。

二階でやる「お座敷で蕎麦遊び」は、寒山拾得の世界、お茶の世界など日本人が大切

にしてきたものを、遊びの中で学べるようなそんな内容にしたいと思っている。感謝。


都会でも高原のような空気感を味わえる

2015-03-29 09:01:20 | Weblog

昨日は「インヨガ」やった。期待の新人さんがふたり加わって

にぎやかになった。彼女たちは、味噌作りに参加した女子でこないだまで女子大生

だったような平成ぴちぴちがーるたちだ。

昨日はインドのサントゥールを聴きながらやった。途中に寝てしまったらしい。

まるで高原にいるような空気が漂う。天井にはりつけた「室内調室炭」の威力もある。

新米ヨガ。新しい味噌も来年できあがる。できあがったら「座敷で蕎麦遊び」に手前味噌

を持って参加するらしい。若いって、いろいろ可能性に満ちていて、いい。

今日は日曜日なので16時閉店。それから「日曜蕎麦打ち大学院」

明日の朝は「月曜日早朝蕎麦打ち特訓講座」と「卵かけごはん」

夜は21年目になる「順受の会」

男子かっぽれは4月から木曜日になる。4月2日(木)が、今学期の始業式。

桜も満開になった。わかれと出会いの季節が交差する。花粉や黄砂も、交差さする春。

 

4日(土)『沖縄Song Night』

演奏:片山恵理(三線)・吉田将幸(ギター)

19時開場 19時半開演 ¥3,500(お酒・肴・蕎麦・珈琲 付き)

 


街道を走ってきた魚

2015-03-28 08:19:18 | Weblog

鮮魚が手に入りにくい京都では、若狭から甘鯛(グジ、という)とか、鯖を調達

した歴史がある。その道を鯖街道といい、その名を冠にしたマラソンもある。いつか走りたいと思う。

小浜ではよく「京は遠ても十八里」と言われ、「遠ても」という言葉には「京は近い」という意味なんだろうけど、人が魚を

かかえて走るのは大変だったろう。先日そこでコンサートをやったかよちゃんが、お土産に「大きな鯖を焼いたん」

をくれた。お店のかたずけを終えて、竹にさした鯖をほおばりながら、酒を飲んだ。焼いた魚が生き帰って

冬の日本海を泳ぐのではないか、と思うくらい元気になる美味。その海で溺れるくらい酒が飲めそうだ。

浅草の骨董屋が不思議な昔の「こたつ」を持ってきた。電気ではなく炭を使っていたころのものだ。

その炭を入れる部分を、二階の囲炉裏に使っては・・・という提案だったけど、少し小さいので、持ち帰ってもらった。

帯に短し、襷にながし、である。「ほどほど」のもが見つかった時のうれしさといったら、なにものにも代えがたい。

今日の夜は「インヨガ」。カッポレとインヨガやお茶お花のお稽古は二階でやる。その時に、囲炉裏を移動

せんとあかん。狭いところで生活したりするのは大変だけど、工夫しだいで無限の楽しみもある。

粗衣粗食を旨とし、小さなあばらやに住んでいても、こころの置きどころ、もののおきどころにより、

そこが独房にもなれば、天守閣にもなる。「居」が肝心。

早川駅前の「ながや」の主人・長屋くんから開店の案内書が届いた。

早川漁港から徒歩2分の地に、カウンター5席、ぜんぶで9席の小さなお店を開きました。

新鮮な魚料理と、フランスの「YEN」で培った縁を大切に締めに蕎麦を供するスタイルでスタート、

みたいなことが、自然体の気持ちが伝わる文章で書いてある。先日いった時に忘れた「うな坊」も

同封されていた。「ながや」のシンボルマークは「鯛」。彼が修行した吉兆の湯木翁は、鯛茶づけ

からスタートした。「ながや」も夢がかなってメデタイ。そのうち、「見知らぬ」あたりが見つけるやろうけど、

知らぬ顔して、自分の道を歩いていってもらいたい。あまり人に教えたくないお店だけど、もらった名刺を

縁ある人に手渡しながら、「よろしく」と頭を下げる今日このごろ。

 

 


女房を質草にしても食べたい!

2015-03-27 08:13:16 | Weblog

初物の好きな江戸っ子が「初鰹」を食べるときに昔からいわれた言葉。

昨日は「気骨の鮨会」だった。月に一度、8人限定でカウンターに座って

もらって鮨を喰う会。佐賀のがばいじいちゃん、気骨の鮨職人の「ブッチー」

が元気に鮨をにぎってくれた。昨日は「初鰹」を食べた。昔から魚を

焼く時は「遠火の強火」というのが大原則。皮のついたんを下にして、

さっとあぶる。その炭の香りが「春」だ。昔の人の気持ちがわかる。

炭といえば、二階の座敷の囲炉裏がいい具合になった。東京でも

暑気払いの夏は、炭火で鳥すきやすきやきなどを、汗をかきながら食べた。

今年は二階で夏も「湯豆腐」とか「とうじそば」をやろうと思っている。

先週かそこらに京都の老舗旅館の「おもてなし」をやっていたけど、京都で

「たる源」の豆腐桶の中で泳ぐ豆腐を食べる粋、というのを江戸でも

やってみたいと思う。

天真庵の天井にも「炭の袋」をぶらさげている。感度のいい人たちが

「あ、すみだ」という。そう、ここは墨田。炭は昔から、多湿な日本の風土

で快適で持続可能な生活をしてきた「知恵袋」の代表選手。

明日の夜は「インヨガ」。

 

 


最後の味噌作り完成!パチパチパチ

2015-03-24 09:19:59 | Weblog

昨日の朝は「卵かけごはん」だった。

月曜日の朝限定。震災のあった2011年から始まったので4年になる。

昔からよくいわれるように、「お米と味噌が日本人の命を紡いできたものだし、それだけあれば充分」

だと最近つくづく思う。今年は味噌作りに60人が参加されたので、自分たちの手前味噌をやっと昨日

終えた。秘密の味噌部屋に、味噌を仕込んだ甕を入れたらなんだか今年の仕事が終わったみたいな

気分になり、とりそばを作って、酒を燗にして乾杯した。「日本人らしく生きる」というのは、とても大事なことだと

思う。二階に「囲炉裏」が完成したので、「とうじ蕎麦」をやることにした。もうこの蕎麦を座敷で食ったら、

「けつめど」まで日本人になる。

明後日は「気骨のすし会」  ちゃんとした修行を積んだ鮨職人がつくる鮨の「すごさ」を

感じながら、うまい日本酒を飲む日。じいちゃんの体調をかんがみ、月一度でいつも満席状態で

すんません。

4日(土)『沖縄Song Night』

演奏:片山恵理(三線)・吉田将幸(ギター)

19時開場 19時半開演 ¥3,500(お酒・肴・蕎麦・珈琲 付き)

10日(金)・11日(土)・12日(日) そめもん展

「京の染色工芸」 河野染色工芸スタジオの仕事

13時から19時 会場:二階

25日(土) ぶらじりあん らいぶ (ブラジル音楽)

演奏:布上智子(ヴォーカル)・長澤紀仁(ギター)

19時開場 19時半開演 ¥4,000(お酒・肴・蕎麦・珈琲 付き)階


♪二階貸しましょ お望みならば 下も貸しましょ 後家じゃもの

2015-03-23 07:05:29 | Weblog

そんな都々逸がある。朝からなんやけど・・・

昨日はうららかな春天気で、うらぶれた十間橋も、人がでた。

おかげで、早朝からばんばんうった蕎麦も2時半ころに売り切れごめん。

3時ころこられた常連さんたちは、「じゃービールとがれっと」という感じだった。

4時にお店をしめ、それから「蕎麦打ち教室」。昨日はまだ新米くんと新人2人

だったので、老体に鞭うちながら手本の蕎麦を打ち、むーちをふりふりちーぱっぱ

のめだかの学校よろしくの蕎麦教室を終了。

今朝はまた5時に起き、そばをばんばん打って、卵かけごはんの準備をし、

がれっとと珈琲で朝食を食べ、家に帰って、パソコンに向かっている。

4月もいろいろおもしろい催しをやる。二階貸しましょ、ではないけど、もう15年ちょっと

になるけど、この季節に「染めもん展」をやっている。

京都にロウケツ染めの野村富造さんいう、ぼくの兄貴みたいな人がいた。

西陣の歩き方とか、老舗の蕎麦屋とか、ジャズとかいろんな薫陶をいただいた恩人。

かっぽれの時にまく、珈琲カップの描いた帯も彼の作品やし、昔から「ココ」という勝負服

を着る時は、彼が染めてくれたネクタイをしめていったものだ。もう旅立たれて4年になる。

彼の意志をついで、河野さんが毎年京都からきて染めもん展をやってくれてはる、そんなもんやねん。

4日(土)『沖縄Song Night』

演奏:片山恵理(三線)・吉田将幸(ギター)

19時開場 19時半開演 ¥3,500(お酒・肴・蕎麦・珈琲 付き)

10日(金)・11日(土)・12日(日) そめもん展

「京の染色工芸」 河野染色工芸スタジオの仕事

13時から19時 会場:二階

25日(土) ぶらじりあん らいぶ (ブラジル音楽)

演奏:布上智子(ヴォーカル)・長澤紀仁(ギター)

19時開場 19時半開演 ¥4,000(お酒・肴・蕎麦・珈琲 付き)階


ついこないだまで女子大生

2015-03-22 08:24:08 | Weblog

昨日は、天真庵に初めて「ホルン」のコンサートだった。

ホルンのはるかちゃんの若々しいホルンの音が、春を

告げる花や鳥の声のようで、とても素敵なコンサートだった。

はるかさんは「春香」。天の命名みたいなお名前。

ピアノの野代さんも、天真庵の所縁の音楽家たちと無駄のない縁で

根っこまで繋がっているような女性だ。昨日のピアノも澄み切った

高原の空気の中で鳴くオオルリの声のように、気持ちよかった。

終わった後に、ついこないだまで女学生だったようなふたりとそばを

手繰りながら、談論風発。はるかちゃんは、ぼくの3まわり下の「猿」。

「来年はとしおんなです」とのたまわれた。そうだ、ぼくは還暦バイ。

奥のテーブル4人中3人がぼくの蕎麦の「おでしさま」だった。

もうひとりは「かもん弁護士」。彼が独立する前からつきあっている。

ビジネスをやっている時は、いろいろ相談にのってもらったが最近

は、「たまには飲みにこんね」と誘うだけ、つまり「カモン」。

今日は日曜日なので16時閉店。それから「蕎麦打ち日曜会」

今日も「きたい」という期待の新人がふたり登場。Rくんに師範代を

やってもらおう。

二階が、囲炉裏の間みたいな雰囲気になってきたので、

「座敷で蕎麦遊び」の幅をもう一歩ひろげようと思っている。

「とうじそば」を二階でやろうかね。鍋はいいね。これから老人社会には

ぴったりの蕎麦会やね。「投籠」という竹の道具も竹教室で作ったし、いい

感じになりそうだ。「投扇興」とあわせてもおもろいな。着物がいいね・・

 


本日は花の日  16時で閉店

2015-03-21 08:31:26 | Weblog

昨日は「タイムドメイン」やった。イワジーの嫡男が就職がきまって、

お祝いの会になった。安岡章太郎の「父の酒」というのが好きで、何度も

読んだ。父と子が、酒を酌み交わすのは素敵なことだ。

その本の中に、リンゴのスライスしたんに醤油をかけて酒肴にしていた父

が書いてあり、ときどき、同じ飲み方をすることがある。賛否両論にいつも

なるけど、ときどきしたくなる不思議な「父の酒」

春は日本酒がうまくなる。昨日はみんなかなり飲んだ。

今日は「ホルンとピアノのコンサート」。

16時閉店。いよいよ春本番。

21日(土・祭) 春のホルンコンサート

演奏:野代 奈緒(ピアノ)・藤井春香(チェロ)

19時開場 19時半開演 ¥3,000(お蕎麦・珈琲 付き)


かきつばた  春は花のある人と飲みたい

2015-03-20 08:20:53 | Weblog

昨日はお休み。雨も降っていたので、仕込みを

しながら井伏鱒二先生の「かきつばた・無心状」を読んだ。

なかなかおもしろい短編集だ。井伏さんは広島の福山出身で

原爆をその地で体験し、のちに「黒い雨」を著す。そのプロローグ

みたいな短編。

無心状は早稲田時代のお話で恩師が、大塚の庚申塚に住んでいた話

で、なんとなく親近感を感じた。京都から上京した時、井伏さんの小説

によくでてくる「荻窪」にあこがれ、最初は南口から歩いて10分のところの

ワンルームマンションに住んだのがはじまり、その後は南砂に一年、

そして、ぶくろ、こと池袋に長いこと住んだ後に、押上に天真庵を結んだ。

明日は、花のお稽古がある。夜はホルンのコンサート。花の女子大生

みたいなふたりのアーティストが、春にふさわしいコンサートをやってくれる。

21日(土・祭) 春のホルンコンサート

演奏:野代 奈緒(ピアノ)・藤井春香(チェロ)

19時開場 19時半開演 ¥3,000(お蕎麦・珈琲 付き)