長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

寺子屋そのもの。順受(じゅんじゅ)の会

2011-06-29 06:40:02 | Weblog
昨日は、通称「論語の会」、正確には、順受の会だった。

この会はうちでは一番古く、上池袋の最初の天真庵(上池袋4-12-12)に
あった「お化け屋敷」みたいな大きなうちで始まった。たぶん15年くらいなるのでは
。その後、上池袋4-12-13、つまり隣のこんどは、ペンシルビル、いたいな、
細い敷地に4階建てのビルに移り住んだ。一階が倉庫、二階が自分の会社、三階
に自宅、4階がギャラリー、つまり天真庵。屋上に、長崎くんが、池袋の摩天楼を
借景に、枯山水?(写真参照)の庭をつくってくれた。そこでお茶をたてたり、長屋くんがときどき料理をつくってくれたりして、「味楽会」というのもやっていた。
長屋くんは、今、縁あってパリの「YEN」という有名なお店の料理長をやっている。
久保さんの織部の器を、ていねいに見ているのを青山の器やで見てからの縁だ。
彼の料理の締めにいつもぼくが蕎麦を出し、そのうちに彼も広島「達磨」にいって
蕎麦打ちを極め、長屋くんがパリにいき、ぼくは長屋の街に移りすんだ。

そして、論語の会も、押上で継続してやることになった。
月に一度集まる会。普通は、ほとんど会うことがない。
「あのひとの過去を聞いてはいけない」ということではないが、みな
何を職業にしているか、など不問。論語に「下問を恥じず」というのが
ある。知らないことを、後輩に聞いたりすることを戸惑うな、という
ような意味だ。でも相手の職業やら素性なんかは、聞かないほがいい
場合も多い。肩書きや、年収なんかで、人を評価するようなバカな時代が
長く続いたけど、これからは、「人間性」が一番最初にくるだろう。
そうあってほしいものだ。

この会は、今あるいろいろな「文花的な寺子屋」の模範みたいな会。
7時に始まる。その前(30分以上)に来た人たちは、カウンターに座って
お客として、珈琲や蕎麦を食べる。でもビールを所望する人が多い。
勉強する机の上には、久保さんの白いマグが置かれていて、夏は「裸麦茶」
をペットボトルで冷やしたものをおいている。各自がセルフで注ぐ。
7時になったら勉強開始。一時間、今は伝習録をやっている。(きのうまで)
そして、その間に、カウンターに焼締めの皿(各自のとり皿)と、竹橋、
雑炊やおでんなどの料理を準備して、並べている。みんなで協力しながら席を
つくったり、料理を運んだりして、蕎麦会が始まる。

先生の松田さんが鹿児島なので、この会は昔から焼酎を飲む。
そこで、「コップください」なんて、なまいきなことをいうと、すこし
浮いてしまう。托鉢の雲水みたいに、椀ひとつで、飲んだり食べたりする、
のが、ならわしだ。(茶のコップはでる)ぞうすいで、皿に残飯が残っている状態で、ほかの料理を盛るのは、確かに不都合だ。でも、そこを工夫するところに、食の修行というか、生活の中の禅味、みたいなものがある。普茶料理(煎茶の世界の精進料理)
みたいに、ひとつの器に、料理を盛って、それをみんなで分けて食べる、を
基本にしている。そうすることによって、「ありがたさ」や「ともに楽しむ」
、つまりは「おいしいものを食べる」よりも、「おいしく食べる」のコツが
わかる。9時半くらいになると、かっぽれの相方のイワジーが、そうろうと
(早漏ではない、そうろう、ゆっくり)席を立ち、「では、みなさんおさきに」
と挨拶をする。そうすると、「おひらき」の時間だ。空いた焼酎のビンは外の
置場、まだ入っているのは、もとの位置。そして、それぞれの使った器や
はしなどは、それぞれが雲水のように、厨房までもってきてくれる。
もちろん食べ残しなどは、皆無。おかげで、片付けもスムーズで、10時半には
お店をでることができた。「そんなことを勉強している」という「そんな」の幅の広い会である。
来月から「呻吟語」(しんぎんご)。しんぎん、とは、苦しんでウーンとうなる
ようなことをあらわしている。「どう生きたらいいか」とか右往左往している輩
が多い。でも頭で悩んでいる間に、何かからだを動かしてみることだ。
お茶を飲んだり、音楽を聴いたり、散歩したり・・・その刹那刹那の中にこそ、
人生がある。


水木が定休。金曜日はもう7月。すばらしいコンサートで、7月はじまる。

7月1日(金) MUSICA LIBERA TOKYO(現代音楽)
演奏:山根孝司(クラリネット)・曽根恭子(ピアノ)
19時開場 19時半開演 ¥5,000(お酒・肴・蕎麦・珈琲付き)

2011.7.10(sun) Nobie trio
Nobie(vo&per) 伊藤志宏(pf&key) 小森耕造(ds)
19時開場 19時半開演 ¥4,000(お酒・肴・蕎麦・珈琲付き)

7月15日(金)ピアノとヴィオラの調べ

演奏:野代奈緒(ピアノ)・神永枝理子(ヴィオラ)

19時開場 19時半開演 ¥2,000(蕎麦・珈琲付き)





呻吟語が届いた。今日は論語の会

2011-06-28 08:07:50 | Weblog
「ウーン」と唸ることを、呻吟(しんぎん)という。
なんだか震災から100日以上たって、現実がなかなか把握できず、
いろいろな矛盾とか、これからのこととか、呻吟することが多い。

論語の会、と、わかりやすくいっているけど、正確には「順受の会」という。
今は「陽明学」をやっている。
後半は、明代の哲人、呂新吾(りょしんご)の「呻吟語」。「しんぎんご」という。
九州弁で、いやなこと、辛いこと、ウーンとうなりたくなるようなときに
「おらぼーごた」という。その「うーん」を呻吟という。
論語ほど有名ではないけど、 幕末から明治にかけて「菜根譚」(さいこんたん)
などといっしょに、文人たちに愛読されたものだ。地面に足をつけて、もがきながら
生活しているぼくたち庶民にとっては、宝みたいな本だ。

今朝は蕎麦を打って、二階の「寒山拾得(かんざんしゅうとく)」の「月取り」の絵を眺めながら、煎茶を飲んだ。寒山拾得、寒山が詩人なので筆をもっていて、拾得はお寺
に拾われて、まかないや掃除をするので、箒をもっている構図。
寒山は文殊菩薩の化身で、拾得は普賢菩薩の化身だと日本人は信じてきた。よく
大塚の江戸一で飲んでいた先生の本に、「そんなことを知らない日本人は日本人では
ない」と書いてあった。ちょうど、30年前に京都で長期入院をしているときに読んだ。
月取り図は、寒山拾得が、月を眺めて「上を向いて」いる。
♪上を向いて歩こう・・・きゅうちゃんの歌が聞こえてきた。やはり上を向く、
月をとる、つまりは「つく」「運がついている」という縁起からきたもの。
拾得がもっている箒・・・その先がまっすぐになり、節目みたいなところに。
第一、第二展望台らしきものがあるので、まるでスカイツリーみたいだ。
この絵をTシャツにでもしてみるか。


水木が定休。金曜日はもう7月。すばらしいコンサートで、はじまる。

7月1日(金) MUSICA LIBERA TOKYO(現代音楽)
演奏:山根孝司(クラリネット)・曽根恭子(ピアノ)
19時開場 19時半開演 ¥5,000(お酒・肴・蕎麦・珈琲付き)







ミュージシャン・keisukeから電話

2011-06-26 08:20:35 | Weblog
昼間、外人が京都弁でしゃべるように「ノムラサンいはる?」と電話があった。
「ダレヤ?」と問うと、「ケイスケや」という。「どこにいるんか?」
と聞くと、「ロンドンからやねん」。

ロンドンでジャズをやっている「ケイスケ」だ。ロンドンにいってあったのが
もう四半世紀も前のこと。日本ではパソコンやCDが普及してきた時期だったが、
ロンドンでは、まだほとんど見ることがなく、サッチャー政権の中で、減価償却は
終わったけど、生活はしんどい、そんな声が聞こえてくるような国だった。
とにかく食い物がまずくて、以来、1度もいっていない。

ケイスケは、ぼくが大学に入学した年に、中学3年やった。同志社の新町校舎の
近所の古い町家に住んでいて、そこは下宿やもやっていて、立命館の野球部の
連中が何人も下宿していた。毎日大学生と生活しているので、ケイスケは少し
変った中学生やった。オーディオや喫茶店が好きで、毛もはえていないのに、
恋愛話なんかを、大学生と同じ目線で語っていた。その下宿に住んででいる京大生
なんかが勉強を教えても馬耳東風で、いっこうに勉強せず、「高校にはいれるかいな?」と心配した母親が、立命館の先輩の久保田さんに相談して、「アイツやったら
同じくらい変わっているし、いいかも」ということで、白羽の矢が飛んできた。

かまやつひろしの歌ではないが、♪家庭教師のガラじゃなく・・なので、
「報酬はいらない」ということにしたら、それは悪いので、ということで、
いくたびに、お銚子が2合徳利にはいってでてきた。先輩が気をまわして、
ぼくの大好物の伏見の銘酒「名誉冠」だ。

何ヶ月がやって、ぼくの教え方がうまかったのか?いまだに謎なんだが、
「紫野高校」に入学した。お礼に自転車をもらった。その自転車で
花脊峠までツーリングをけいすけとした。京都にいたとき、たった一度きり
やったけど、一生の思い出になるくらい、しんどくて、達成感のある旅だった。
フルマラソンをその後なんども完走したけど、そんなものとは次元が違うほど
しんどかった。し、熊注意の看板がこわかった。

その後、ケイスケはギターにはまり、高校時代から北山のフレンチ・クウォター
みたいな有名なライブハウスでやったりして、すぐに高校を中退してニューヨーク
にいって音楽の修行をして、その後にロンドンに舞台を移し、今もライブハウスなんかでジャズを演奏している。
「3年以内に天真庵でもライブやりに帰国するので、それまで店つぶさんといてや」
といって、電話をきった。ほんとうに、「てにをは」のない京都弁をしゃべる、
イチビリな男だ。

さて、今日は竹細工の会。夜は、「ブラジリアン ギター デュオ らいぶ」

今日はお店は16時で閉店。
演奏:長澤紀仁(ギター)・阿部浩二(ギター)
19時開場 19時半開演 ¥4,000(お酒・肴・蕎麦・珈琲付き)
ギターの長澤さんは、浅草生まれ。やはり若いころにギターに
のめりこんで、友だちの実家の料亭なんかで練習をつんで、プロ
になった。風雅というか風狂まで、はまりこまないと、どんな
「道」も切り開いてはいけない。

明日は月曜日。「卵かけごはん」(8-10)の日。
♪夏がくれば思い出す ように、日曜日がくれば、思い出す。

8月27日は、隅田川花火大会、その日は「浴衣か甚平で、ライブ)
長澤さんとマツモニカの「モニジン」で、恒例のライブです。

7月1日(金) MUSICA LIBERA TOKYO(現代音楽)
演奏:山根孝司(クラリネット)・曽根恭子(ピアノ)
19時開場 19時半開演 ¥5,000(お酒・肴・蕎麦・珈琲付き)

2011.7.10(sun) Nobie trio
Nobie(vo&per) 伊藤志宏(pf&key) 小森耕造(ds)
19時開場 19時半開演 ¥4,000(お酒・肴・蕎麦・珈琲付き)

7月15日(金)ピアノとヴィオラの調べ

演奏:野代奈緒(ピアノ)・神永枝理子(ヴィオラ)

19時開場 19時半開演 ¥2,000(蕎麦・珈琲付き)










暑い夏は、暑いまんま楽しむのがいい。

2011-06-25 08:17:53 | Weblog
今日は「かきつばた」を生ける。
毎月宇部から原田先生がやってきて、お花の指導を受けている。
最初はチンプンカンプンだったけど、毎年同じことを繰返して
いくうちに、なんとか、少しわかってきた気がする。
町を歩いていて、とくに押上界隈には路地で盆栽とか鉢植えとかを
するのが、あたりまえみたいだけど、そこに目がいくし、毎週の
ように森林地帯なんかにいっても、木や草に目がいくようになった。
そして、なにげなく集まってきた花器たちの出番が多くなった。
部屋に一輪、季節の花を、気にいった花器に投げ込むだけで、部屋の
フンイキがガラっと変るから不思議だ。

昨日はタイムドメインの日。月に一度、イワジーがブルーシートに
yoshii9(ヨシイナイン)をつつんで、やってくる日だった。
大塚の美味い豆腐を持ち込んだ(この日は、飲物、食べ物、CDが持ち込み
OK、というかそれだけで、楽しむ日)新人も加わり、おおいに盛り上がった。
まだエアコンもいれず、34度くらいあったけど、涼やかな風と、気のおけない
仲間たちといっしょにいると、暑さなんか、なんのそのだ。
天真庵では、ボーズで音楽を聴いている。坊主ではないBOZE。
ギャラリーを始めたころに、買ったものだ。ときどき地震がくると故障
するけど、今は調子がいい。

明日は「竹細工の日」
新しい先生がやってくる日。5人目。

夜が「ブラジリアン ギター デュオ らいぶ」
演奏:長澤紀仁(ギター)・阿部浩二(ギター)
19時開場 19時半開演 ¥4,000(お酒・肴・蕎麦・珈琲付き)
暑い夏がやってきて、ピッタリなライブになりそうだ。
8月27日は、隅田川花火大会、その日は「浴衣か甚平で、ライブ)
長澤さんとマツモニカの「モニジン」で、恒例のライブです。

7月1日(金) MUSICA LIBERA TOKYO(現代音楽)
演奏:山根孝司(クラリネット)・曽根恭子(ピアノ)
19時開場 19時半開演 ¥5,000(お酒・肴・蕎麦・珈琲付き)

2011.7.10(sun) Nobie trio
Nobie(vo&per) 伊藤志宏(pf&key) 小森耕造(ds)
19時開場 19時半開演 ¥4,000(お酒・肴・蕎麦・珈琲付き)

7月15日(金)ピアノとヴィオラの調べ

演奏:野代奈緒(ピアノ)・神永枝理子(ヴィオラ)

19時開場 19時半開演 ¥2,000(蕎麦・珈琲付き)







軽井沢の珈琲屋

2011-06-24 08:10:01 | Weblog
ひさしぶりに軽井沢にいってみた。
アウトレットのお店や新しいお店がいっぱいあったけど、
あまり触手がのびず、そのまま通過。

今は昔、軽井沢の72ゴルフの近くに、老夫婦の営む
小さな珈琲屋があった。おじいちゃんが小さな焙煎機で焙煎をし、
それをおばあさんがサイフォンでいれて供してくれた。その年季のはいった竹べらの
具合が、茶杓のそれにもにていて、風情があった。カッコーの声なんかが聞こえ、
オープンエアーなベランダのテーブルで、珈琲を飲むと、「幸せ」を感じたものだ。
ちょうどそのころ、ぼくの友人が、某大手企業の社員倶楽部をまかされることになって、その珈琲屋の珈琲を仕入れて、そこの社員に、珈琲の指導をしたことがある。
5年くらい豆がおくられてくる旅に、軽井沢の野鳥や、珈琲や蕎麦の話や、四方山
話を綴ってくれていた。ある日、「そろそろ珈琲の生豆の袋を運ぶ体力に限界を
感じ始めたので、そろそろ緞帳を下げる」みたいな手紙がきた。齢90を2つくらい
過ぎていたと思う。
今から思うと、そのおじいさんにずいぶんいろんなことを教わった気がした。
そのお店があった場所にいったけど、今は昔、新しいチェーン店が回りに建ち、
昔の面影はなし。

今日はタイムドメイン。
明日は、花のお稽古

明後日が「竹」
夜が「ブラジリアン ギター デュオ らいぶ」
演奏:長澤紀仁(ギター)・阿部浩二(ギター)
19時開場 19時半開演 ¥4,000(お酒・肴・蕎麦・珈琲付き)

7月1日(金) MUSICA LIBERA TOKYO(現代音楽)
演奏:山根孝司(クラリネット)・曽根恭子(ピアノ)
19時開場 19時半開演 ¥5,000(お酒・肴・蕎麦・珈琲付き)




喫茶去

2011-06-22 07:19:02 | Weblog
きっさこ、と読む。禅の言葉で、「ま、お茶を一服どうぞ」
という意味。その刹那の中に、禅味がいっぱいつまっている。
喫茶店の名に使われてきたし、きっと「喫茶店」という言葉も
ここから使われたに違いない。「居」とともに、「生きる」とか
にも通じる言葉。
昨日は、貞本さんがその「喫茶去」を一気呵成に書いた。
白井さんにもらった硯に墨をすって、えいっ、と書いた。

書の前に建築家の白井さんが、お茶を飲みにきてくれた。
広島の達磨、つまり、私の蕎麦の師匠の建築をして、ぼくを
そこに派遣した張本人。ひさしぶりにいただいた名刺に、
メールアドレスが書いてある。ぼくのHPにもリンクしているけど、
白井さんがメールやツイッターをするなんて、ぼくが蕎麦を打ついじょう
に奇跡みたいなことだ。昔ゴルフをいっしょにしたMさんもいっしょで、
おおいに盛り上がった。

今日明日は連休。これからまた東京を脱出。

土曜日は、お花のお稽古。せんしゃくんが正式に入門する。

日曜日は、暑い夏にぴったりのライブ。

6月26日(日) ブラジリアン ギター デュオ らいぶ
演奏:長澤紀仁(ギター)・阿部浩二(ギター)
19時開場 19時半開演 ¥4,000(お酒・肴・蕎麦・珈琲付き)

7月1日は、「やまね」さんが現代音楽をやってくれる。

書の会

2011-06-21 08:43:59 | Weblog
今日は書の会。貞本さんが颯爽ときて、書を書いたり、教えてくれて、
酒をおもいきり飲み、蕎麦を手繰る会。

昨日、隣の隣の、正確にいうと、そのまた隣の角の、経師屋のくろさきさん
が、頼んでいた書の裏打ちをもってきてくれた。
1枚が貞本さん。震災の後に「南無阿弥陀仏」と揮毫したものだ。
鎮魂の意味も含め、薄墨で書いた。
もう1枚は、足利紫山老師が、100歳のときに「竹」と書いた
もの。坊さんや書家が書いた書には、作為というか、何かにおうものが
あって、あまり好きな字が少ないが、老師のものは、いい。
「古松は般若を談ず」と書いた軸も時々かける。最近は大分から竹の
匠たちがあまたやってきて、竹細工の会も大盛況だ。
来週の日曜日も、5人目の先生がやってくる。ぼうと同郷の福岡生まれ
らしい。

今朝の朝日新聞の天声人語に、「川上澄生」さんの「初夏の風」が
紹介されていた。天真庵のトイレから、下へ下る階段の上に、
着物をきた美人の版画がある。説明はしたことないけど、川上澄生さん
の作品。

初夏の風

かぜになりたや
はつなつの かぜになりたや
かの人のまえに はだかり
かの人の うしろより吹く
はつなつの はつなつの かぜに なりたや


父の日

2011-06-19 08:59:31 | Weblog
今日は父の日だ。
いつから始まったか知らないけど、母の日にくらべたら「ついで」みたいに、
地味で盛り上がらない。
一昨日、九州の父に、「父の日のプレゼント」をおくった。
ヤフオフで買った「寿岳文章 しず著作集」第六巻。
自分で読んだ本の中で、「おもしろい」と思ったもの、「いつか時間が
できたら読もう」と思ったものは昔から実家におくることにしている。
これをプレゼントといえるかどうかは「?」だけど、今回の本は、もう一度
読みたいと、久しぶりに思った。装丁は、芹沢圭介で、彼らしく緑で気持ちのいい
装画がかかれている。

田舎におくった本で、帰るたびに読む本がある。
安岡正太郎の「父の酒」。
高知生まれの父親のことを書いているのだが、読むたびに
涙がでるくだりがある。酒は年をとるにつれ、うまくなっていくものだが、
文章の味わいみたいなものも、同じようなものかも。
著者の父親の酒肴が、実にもしろくて、池袋時代には、よく酒席にでた。
簡単なレシピなので、ぜひこの本を読んで、マスターしてもらいたいものだ。


今日は「エリカ庵」
リカさんも「高知」の出身。
なめたらいけんぜよ!の気骨がある。

明日の朝は「卵かけごはん」(8-10)
一週間って、あっという間だ。

火曜日は「書の会」
大酒飲みの貞本さんがやってくる。
先日久保さんから二合入る黄瀬戸の徳利がおくられてきた。
これで飲むとするか・・

今月のライブはあといっかい。
6月26日(日) ブラジリアン ギター デュオ らいぶ
演奏:長澤紀仁(ギター)・阿部浩二(ギター)
19時開場 19時半開演 ¥4,000(お酒・肴・蕎麦・珈琲付き)

7月1日は、「やまね」さんが現代音楽をやってくれる。


酒の器

2011-06-18 08:21:00 | Weblog
そんな展覧会をやっている。昨日、角居康宏くんが突然遊び
にきて、パンフをくれた。
今月20日まで、丸の内ブリックススクエア1Fで、開催中。

もっぱら「入りにくい」と悪評の天真庵の玄関。「ままよ、きんたま、
男の子」と、勇気をもって扉を開くとき、みなが手にする「天真庵」と
刻まれた取っ手をつくってくれたのが角居くんだ。
ぼくが愛用するコーヒーのドリッパーも彼が錫でつくってくれた。むずかしい
注文だったにかかわらず、楽しみながら(実際は苦しかったと思う)、予想
の3倍以上いいものを完成させてくれた。煎茶道具で、お茶をはかる茶合(さごう)
も、彼につくってもらったし、茶托もなんどか御願いした。
お酒でいえば、熱燗をつけるチロリも、角居くんのものをつかっている。

彼の仕事場は、信州の善光寺の門前にある。般若くんも坊さんみたいな
名前と風貌だけど、門前を歩いたりする角居くんも、禅林にまけないくらい
フンイキがある。これから、ふたりとも、世界に向けて飛翔するに違いない。
(虚無僧でもやりながら、世界を放浪してもおもろいかも)

今日は「スケッチの会」
放浪したり、旅をしたりするとき、カバンの中にスケッチブックがはいって
いて、その場の自分の心象まで描く、というのは、この上なく幸せなことでは
なかろうか。昔から「メガネをかけて、カメラをもっている」というのが
日本人のイメージだったけど、それだけでは芸がない。

明日は「エリカ庵」
先週やってもらったら、ますます五十肩の具合がよくなってきた。
最近は、自分でもストレッチなどをまめにやるようになったけど、
自分ではできないことを助けてもらうと、より調子があがってくる
ようだ。


雨の金曜日

2011-06-17 08:32:07 | Weblog
朝から雨がふっている。
お店の前の火鉢で誕生したメダカたちも一週間が過ぎ、
赤ちゃん用のメダカのえさをあげると、水面まであがってきて
「おいしい」といって、パクパク食べるようになった。
ほかのメダカをつついたり、アクロバットな泳ぎ方をしたり、
メダカも人間と同じで、いろいろな性格があっておもしろい。
家の庭の池の睡蓮も花が咲き、その下を泳ぐ先輩のメダカたちも
風格?がでてきた。

きのうbunkanにいったら、表に「準備中」の看板があって、夏樹くんが一所懸命、焙煎したり、豆を袋ずめしたり、水出しコーヒーをペットボトルにいれたり、忙しそうに
していた。「明日、群馬県の避難所にいって珈琲をいれてくる」とのこと。
二回目になる。「お金以外に何か足りないものは?」ときくと、「アイスコーヒー」
というので、お店にもどって、「ホボブラジル」のアススをつくって、もって
いった。震災後3ヶ月が過ぎ、物資はかなりあるらしいが、そろそろ、「おいしい
コーヒー」とか「体操とか体を動かしたり」とか「音楽を聴く」みたいなことが
必要とされてるみたい。うちの照明を担当してくれた「たけちゃん」も、運転手
兼、しゃみせん弾きとして、現地へ赴くらしい。こころあたたまる話だ。
お金はないけど、やさしい気持ちをもった彼らみたいな若者が身近にいて、
いろいろな「力」をもらっている。幸せなことだ。

明日は「スケッチの会」
明後日は「エリカ庵」

今月のライブはあと一回。
6月26日(日) ブラジリアン ギター デュオ らいぶ
演奏:長澤紀仁(ギター)・阿部浩二(ギター)
19時開場 19時半開演 ¥4,000(お酒・肴・蕎麦・珈琲付き)

隅田川花火大会の時は、長澤さんのギターが毎年恒例になった。
ミュージシャンもお客も、浴衣や甚平をきて、夏を楽しむ。
今年は自粛ムードで、最初は「中止」だったので、急遽、
ギターで、ブラジル音楽を楽しみながら、夏を迎えよう、という企画で
うまれたもの。
8月27日に花火大会が決定したので、いつものよに、その日も
長澤さんのギター、マツモニカさんのハーモニカで「夏祭り」も
やります。生きている刹那に、ライブという一期一会な「永遠の感動」
を楽しみたいと、つくづく思う今日このごろ。
震災の直後に仙台で亡くなった織田流煎茶道の家元の葬儀が先週おこなわれた。
音楽葬で、とても感動的な葬儀だったらしい。