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京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

『明治の工芸 知られざる超絶技巧』日曜美術館

2014-05-17 06:14:20 | 美術・博物館

今回の日曜美術館は、『明治の工芸知られざる超絶技巧』です。
私は、番組で紹介された素晴らしい明治工芸を見ていると、以前の展覧会『皇室の名品』で見たのと同じ感動を覚えました。





京都の清水寺に向かう参道の途中に、清水三年坂美術館があります。
展示されているのは、幕末から明治、大正にかけて作られた工芸品の数々です。





目を引くのは、細密を極めた職人の技です。





古びた瓦にとまる一羽の鳩が、蜘蛛を狙っています。
蜘蛛の大きさは、わずか8ミリです。
金工「古瓦鳩香炉」










七宝「蝶図瓢形花瓶」
高さ20センチほどの花瓶に施された見事な技です。










こういう職人たちを駆り立てたのは、激動する時代の空気でした。
明治維新を機に、西洋の文化が流れ込み、日本は近代化の波にさらされます。
そうしたなか、時の政府は新たな政策を打ち出します。
外貨獲得のため、日本独自の工芸品を海外に輸出しようと考えたのです。

甲冑や刀装金具などを造っていた金工師、和装から洋装という変化に影響を受けた繊維業など、社会の変化によって職を奪われた職人たちは、海外に活路を見出しました。





19世紀ウィーン万博などの博覧会に出品されるなど、日本の輸出産業品として海を渡ったのが そうした工芸品でした。





伝統的な日本の美とは少し異なった、緻密で繊細、超絶技巧を駆使 して作られ品々は、高い評価を受け、欧米人たちを驚かせました。

しかし、そうした多くの工芸品は、海外のコレクターの手に渡り、日本ではやがて忘れられた存在になっていきました。

それに再び光をあてるきっかけになったのが、清水三年坂美術館です。
海外のオークションにも参加し、1万点を越えるコレクションを収集したのです。

そのなかから、いくつか紹介します。

「竹の子、梅」象牙の作品です。









彫刻家の前原冬樹さんは、この素晴らしい作品に感激です。





前原さんの作品も紹介されました。










明治の作品に戻ります。
「蜂の巣」










竹の子や蜂の巣を作ったのは、同一人物で、安藤録山(明治18年頃~?)という方です。
でも詳しいことはほとんどわかっていないそうです。


「老人二童」石川光明
象牙を使った際密な作品です。





象牙に色をつける技法は、古くは正倉院の宝物に見られます。
象牙の小石です。
象牙を彫ってから模様を書く撥鏤(ばちる)という技法です。





安藤録山の「石榴」です。





柿やミカンの作品もあります。












今回は画像が多いので、次回に続きます。













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