京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

『春、こころの桜 日本画家・奥村土牛』日曜美術館

2014-05-02 06:03:15 | 美術・博物館

今回の日曜美術館は、 『春、こころの桜 日本画家・奥村土牛』です。





豊臣秀吉が盛大な花見を催したことでも知られる桜の名所、京都の醍醐寺。
その三宝院の境内に悠然と 立つ樹齢150年のしだれ桜があります。
この桜を描いたのは、奥村土牛(1889~1990)です。

私の撮影した、今年の三宝院の大枝垂れ桜です。





昭和の名画100選にも選ばれた作品です。
「醍醐」1972





優雅にしな垂れる花びらは、やわらかな陽射しをまとい、透けるような美しさです。
醍醐寺三宝院の桜に出会ったのは74歳、師匠の7回忌法要のときです。

ここの桜に究極の美を感じた土牛は、数日にわたり写生に没頭しました。
それからおよそ、10年、今年こそとの思いで書き上げたのが「醍醐」83歳の作品です。
流麗な線を重視する日本画にあって、土牛の絵はその常識と大きく異なるものでした。
輪郭があいまいにもかかわらず、奥行きと質感を感じさせる花びらは、薄い色を100回以上も塗り重ねるという手法で描かれています。










土牛は幼い頃から絵が得意で、16歳のとき画塾に入門し、日本画を6歳年上の小林古径に師事します。
小林古径は後に日本画壇を牽引する画家となります。

代表作のひとつ「髪」1931





土牛は古径から、ひたすらものをよく見て描くことを学びます。
写生の大切さを 説いた古径の教えを土牛は生涯守り、対象を食い入るようにみつめ、何度もその姿を写し取っ たといいます。


「雨趣」1928
画像では伝わりにくいですが、霞がかった集落、降り注ぐ雨の一筋一筋を描いています。










「壺に桜」





「浅間山」





「信濃の山」





柿の写生





鯉の写生









「緋鯉」1947





「聖牛」1953




「舞妓」1954





「城」1955





「鳴門」1959年、70歳の作品です。
薄い白の絵の具を何度も塗り重ねる独自の画風に到達します。





「茶室」1963





「門」1967





「吉野」1977





「醍醐」も幹を中心に描き、広がる枝はあえて描いていません。
狭い構図だからこそ、幹や花の繊細な表情が伝わってきます。
そして、画面に描かれない枝や花を想像することができます。
最後にもう一度「醍醐」。





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2 コメント

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5月の京都 (葉月)
2014-05-02 10:44:24
こんにちは。

忙しかった4月も終わり、ホッと一息ついています。
4月のお仕事の評価をこれから受けるので、気分的には完全にのんびりできませんが・・・。

先日のツツジのお写真、見事でしたね。
これからしばらくは、花々と新緑が美しいので
街歩きも楽しいです。

今月中に京都に行こうかと考えています。
いつものようにバタバタで、のんびり街歩きができるかは疑わしいですが、出来たら鈴虫寺にお礼参りに行こうかと・・・。
Unknown (京都で定年後生活)
2014-05-02 20:11:55
葉月さんこんばんは。
お仕事、おつかれさまでした。

この数日、もうひとつの天気だったのですが、今日は暑いくらいでした。
気温もぐんぐんあがり、京都も真夏日です。

今月京都にお越しになるようですが、お天気に恵まれたらいいですね。
新緑の京都もいいですよ。

私は昨年、退職直後のアレルギーで、5月はさんざんでしたが、今年は今のところ順調です。涼しい午前中にあちこち出歩くつもりです。

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