京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

こころの時代、作家・精神科医師 帚木蓬生

2014-03-16 06:44:32 | 定年後生活


今回、御紹介する「こころの時代」は、「“平安の祈り”を求めて」です。





登場人物は、ギャンブル依存症の治療に尽力する作家・精神科医の帚木蓬生さんです。
ちなみに帚木蓬生はペンネームで、源氏物語五十四帖の巻名「帚木(ははきぎ)」と「蓬生(よもぎう)からです。





女優の檀ふみさんがお話を聞きます。





私は以前、 帚木さんの小説を何冊か読んでいました。
お気に入りは『ヒトラーの防具』でした。
数冊見つかりませんでしたが、書庫から出してみました。





本名森山成彬さんは、東大卒業後にテレビ局TBSに入社しましが、2年で退社し、九州大学医学部に再入学します。

フランス留学時代に出会った精神科医師の影響を大きく受けます。
イギリスの精神科医の「お医者さんが処方できる最良の薬は、その人の人格である」という言葉に深く共感します。

またフランス滞在中の経験が作家になる大きな影響を与えました。
1979年『白い夏の墓標』でデビュー、以来医師の仕事をしながら作品を書き続けました。

一方精神科医師としての帚木さんは、多くの精神科医が治療対象として扱わないギャンブル依存症の治療に尽力し、自助グループを設け、「気づき」を通 して治癒の動機づけを助けてきました。





帚木さんがギャンブル依存症の患者にミーティングが効果的であると気づいたのは十数年前です。











だが、 帚木さんは6年前の1998年、急性骨髄性白血病を発病します。





帚木さんは、自らが病気となって、「気づき」の会合の最後に唱和する、「平安の祈り」の意味をかみしめていると言います。

自分に変えられないものを受け入れる落ち着きを
変えられるものを変えてゆく勇気を
そして、二つのものを見分ける勇気を


平安の祈り、私も非常にいい言葉だと思います。


帚木さんは、病院を58歳で退職し、福岡県中間市で『通谷メンタルクリニック』を開業しました。
毎朝2時間執筆し、8時半に出勤する日々が30年続けられ、毎年1冊出版しているそうです。

よき相棒のセラピー犬、副院長の心くん





帚木さんは各地の講演で、ギャンブル依存症の恐ろしさを説きつづけます。
「どんな徳目のある人でもギャンブルをやっていると人間性を失っていく訳です。どんな人間でも、思いやり、寛容、正直、謙虚を失います」と。





今、カジノが一部で叫ばれていますが、これについても 帚木さんは強く警鐘を鳴らしていました。



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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
スタートの遅さ (「へんちき論」管理人)
2014-03-16 07:53:40
京都で定年後生活さん、おはようございます。
東大(医学部以外)出身者で、ほかの大学の医学部に入りなおす人はとても多いのです。
むかしから私の母校にも毎年一人は、東大出が入学してきます。
難関大学に2回も受かるなんてすごいなぁ、と思って見てきましたが、彼らは意外にも医者としてさほど伸びないんです。
平均的かそれ以下。
これはたぶん、医者の修行を始めるのが遅かったからです。
医者は職人ですから、頭がいくらよくても、東大に行っていた4年間のブランクが大きいのでしょう。

その点、帚木さんはすごいです。
依存症の治療という難しい仕事を立派にやっておられますから。
文筆面でいい仕事をするのはよいのですが、それだけでは医者である必要はありません。
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Unknown (京都で定年後生活)
2014-03-16 14:16:48
先生、いつもありがとうございます。
医師としての評価はわかりませんが、小説は面白かったです。最近の作品はあまり読んでいないので、この機会に読んでみようと考えています。

京都で定年後生活より
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ありがとうがざいます (yukiharu.koseki)
2016-04-26 20:58:47
はじめまして?こんばんは、私は沢山の人にケアされて命を長らえています。病を得て自己を見つめ、命と向き合い、結局今に集中し自分らしく自己実現を目指そうとおもっています。国の法制度、生き方において、不備と言いますか、穴になんらかの影響を与える可能性が先生にはあると思います。本ブログなどで勉強させていただきます。
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信心 (鶴田 忠則)
2017-09-12 14:20:02
帚木さんは金光教の信心をなさっていると聞きましたが、
本当でしょうか。
信心なさっているとしたら、何処の教会にお詣りでしょうか
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鶴田 忠則さまへ (京都で定年後生活)
2017-09-12 16:31:57
こんにちは
ご質問の件につきましては、全く存じ上げておりません。
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後輩です (樋口 靜子)
2019-10-28 10:48:22
初めまして(__)明善高校二年後輩の樋口と申します。
閉鎖病棟が上映されると聞き、随分前に読み本箱に鎮座していた文庫本を読み直しました。映画が楽しみです。
 現在退職されて京都にお住いなのですね。久留米付近でご講演など予定があれば是非拝聴させて頂きたいと思います。今日は真夏から一気に冬がやってきた気温です。お身体大切にお過ごしください。
 
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樋口 靜子さまへ (京都で定年後生活)
2019-10-28 16:34:23
こんにちは
申し訳ありませんが、何かの勘違いだと思います。
私は明善高は全く存じあげないです。

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申し訳ありません。 (樋口 靜子)
2019-10-29 21:42:05
本当に申し訳ありませんでした。高校時の同窓会とやらで本好きの仲間ではまことしやかに先輩として流れ、うかつにも鵜呑みにしておりました。このような失態が私の日常茶飯事。入る穴も近頃は見当たりません。
 意を決してお送りしたメールでしたが、ごめんなさい。
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