私が最初に働かせていただき、
仕事の基本を徹底的に教わった会社がまたも社長を交代します。
その会社は、LIXIL。
2011年にGEから藤森義明氏をCEOとして招聘したものの、
2016年に退任させました。
後任としてモノタロウの瀬戸欣哉氏に社長の座を委ねましたが、
2019年4月に社長を退任するとのこと。
創業家より潮田洋一郎氏が実質の経営をするようです。
2代続けてプロの経営者を招いて経営を託しましたが、
今の時代の変化の速さに適応し、利益を出し続けるのは難しい。
なかなか業績が改善しなかったことに忍耐の限界だったのかもしれません。
でも、こんなことを繰り返しやっていたら、
企業としての信用が無くなってしまうのでは、と心配してしまいます。
私が好きだったのは、創業者の潮田健次郎さんの考え方、姿勢でした。
毎月、社員に配布される回覧の中に、
トステム企業文化論という、
潮田健次郎さんがいろんなメッセージを発信するコーナーがあって、
その中で潮田健次郎さんの考えに触れられるのを楽しみにしていました。
その価値に気づかず、
読みもせず目を通したというハンコをついて次の人に回す社員が大半でしたが、
私、毎回じっくりと潮田健次郎さんの言葉に触れ、咀嚼し、
そこからいろんなことを学ばせていただき、
自分のモチベーションの源にもなっておりました。
当時、売上が6000億弱でしたが、売上高1兆円を達成する、とか、
80-60作戦とか、3ppmとか6シグマとか、
とにかく数字で分かりやすく目指すべき目標を提示してくれて、
しかもなぜそれを目指さなければいけないのかを
その企業文化論で教えて下さった潮田健次郎さんは
大企業を率いるのにふさわしい方だったと思います。
あの当時のような、経営者の意思と目標が社員さんに分かりやすく明示され、
思想が統一されている組織になれば、OBとして嬉しいです。