鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第1376回】 違う国、違う業界の流れを見て、自分が携わっている業界の未来を予測する

2014年10月07日 | 住宅コンサルタントとして
住宅会社、工務店、それから建材店や木材店の経営者の大半は、
今、自分たちが携わっている業界が変わらないものだと思っています。

でも、個人的には、それは大間違いだと思っています。

ここ20年から30年で小売業界で起こってきたことが
これから住宅業界で起こり、業界の構図がガラッと変わります。

私個人的には、工務店、住宅会社で元請けとしてやっていける会社がおそらく20~30%となり、
残りの70~80%の工務店は下請け、廃業、倒産になるだろうと思っています。

売り先が20~30%しか無くなる訳です。

サッシ屋、建材屋、木材屋は、売り先の7~8割が無くなることになるのですが、
その辺を分かって経営している経営者がなんと少ないことか、と思います。

また工務店の経営者も、7~8割の会社が無くなるということを実感していない感じです。
どうやって、2~3割の勝ち組に入るかを考えていない人が圧倒的に多いのですね。

今から30年前は、街に個人商店の魚屋さん、八百屋さん、酒屋さんがありましたが、
こうした個人商店の90%以上は、コンビニに事業転換するか、イオンやイトーヨーカドー、
後は地域の食品スーパーでチェーン展開しているところに商売で顧客を取られ、
廃業・倒産に追い込まれていきました。

それと同じことが住宅業界で起こることをイメージできていない経営者が多いのですね・・・。

小売業界に例えると、サッシ屋、建材屋は食品卸に例えられますが、
今、食品卸業界を見れば、売り上げが数千億~兆の単位の企業か、
特殊な商材を扱い、それを全国の得意先に販売しているような企業しか生き残っていないのです。

建材店も同じようになるでしょう。
売上数百億の先か、特殊な商材を仕入れて販売できる会社しか必要とされなくなるのに、
各メーカーや各問屋が勧めてくる、誰でも仕入れられる商品を仕入れて販売するという、
付加価値が低いことしかできない会社が多すぎるのです。

工務店経営者も、市場のお客様に認知してもらうための活動が全くもって不足しています。
お客様から依頼された仕事をやることが仕事だと思っているのですが、
それだと完全に受け身ですよね・・・。

日本の家電メーカーが海外市場やスマホ市場でボコボコにされたサムスンですら、
数年後にフィンランドのノキアのようになっているかも知れないくらい、
世の中の流れが格段に上がっています。

外部の流れを見て、感じて、そこから自分の業界がどうなるのか、
真剣に考えて対策を打っていきたいものですね。
コメント
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