カニグモ科のチシマカニグモ♂ Xysticus kurilensis Strand, 1907
津市の芦原海岸。イネ科植物の株際を探す。指で砂を掻き出すと,時々小さなカニグモが出てくる。K氏の同定により,芦原海岸の砂浜にもチシマカニグモが生息していることが分かった。
「交尾器などにより確認しました。千島の名前が付いていますが,三重県内に普通に居ます。」と教えてもらった。
手持ちの図鑑には載っていないので,県立図書館へ出かけ,改訂版写真日本クモ類大図鑑で調べた。「♀7.0~8.0 ♂5.0~6.0㎜。オオヤミイロカニグモによく似ている。外観だけでは区別がむずかしい。♀の外雌器や♂の触肢の構造を比較検討することによって区別がつく。各地に普通に見られる種である。山林の林床にはえたクマザサや低木などの葉上や落葉のリターの中にも生息している。成熟期5~6月。分布:千島,北海道,本州。」などと解説されていた。
『鈴鹿市の自然』にはチシマカニグモが記録されているが,砂浜海岸では見つかっていない。同属のヨコフカニグモが千代崎海岸で記録されている。
はたして,津市の芦原海岸や豊津海岸ではチシマカニグモ以外のカニグモ属(Xysticus)が見つかるだろうか。
2009.9.26
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