田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

アレチモウズイカ 初採集は三重県

2006-03-09 | 草花
英名をTwiggy Mullein
1955.7.10三重県の四日市港で鈴鹿市の太田久次さんが採集した。この標本にアレチモウズイカの和名新称が付けられた。
その翌年の7月28日に太田さんは津市の江戸橋でも発見している。
江戸橋ではこれ以降毎年のように紡績工場の内外で見られたと言う。
花花穂

それから半世紀、2005年夏、私は同じ江戸橋の地でアレチモウズイカと出会った。50年前におそらく羊毛と一緒にオーストラリアから船に乗って運ばれてきたのだろう、その子孫たちである。
花弁が散った後の株の様子

茎葉
2006.3.13太田さんに確かめたところ、和名新称の標本よりさらに1年前の1954.7.17に同じ四日市港で採集していたとのことであり、これが日本初記録となる。太田さんの著書「改訂三重県帰化植物誌」(1997)での記述はこのあたりの事実関係に不明確の部分があり、次回の出版では補足説明を加えたいとのことであった。

モウズイカに似ているが、花柄が細く長さも1㎝を超えるモウズイカに対し、アレチモウズイカの花柄はやや太く長さは5mmまでと短い。

茎上の葉は無柄で基部は心臓形となり茎を抱く。

株
これは来年の夏に花咲く株。

ホザキモウズイカは別名。









アレチモウズイカ果実果実(さく果)は球形で、種子は微小。


松植樹とアレチモウズイカ