Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

シノーラ

2023-11-06 | 映画(さ行)

◼️「シノーラ/Joe Kidd」(1972年・アメリカ)

監督=ジョン・スタージェス
主演=クリント・イーストウッド ロバート・デュバル ジョン・サクソン ドン・ストラウド

荒野の七人」などで知られるジョン・スタージェス監督とクリント・イーストウッド が組んだウエスタン。撮影は「ダーティハリー」のロバート・サーティーズ、音楽ラロ・シフリン。初見は1993年に地上波放送にて。2022年にBSPの録画で再鑑賞。

西部にも法の支配が及んできた時代。メキシコ系の人々が住んでいた土地をめぐって、開拓者としてやって来た白人が権利を主張して争いが発生していた。双方が法廷での解決を好ましく思わず、メキシコ系のチャマ(ジョン・サクソン)を追って銃で決着をつけようとする悪役ハーラン(ロバート・デュバル)の対立。保安官も何も出来ずにいる。土地勘があることからハーランに雇われたジョー(イーストウッド )だが独自で事態を解決しようと動き出す。

名の知れたスタッフ、キャストが揃っているけれど派手さはない。法による秩序がうまく機能していない時代のじれったさが全編に漂う。勧善懲悪ではあるのだがスカッとする娯楽作ではない。イーストウッドのマルパソプロダクションが手がけた西部劇は、現代にも通ずる不安やテーマが取り上げられるが、主人公の素性がよくわからないまま話が進んでしまうので、説得力が乏しい印象。

それでもクライマックスは、敵の布陣を破るために蒸気機関車を使う突然のド派手な展開から、裁判所を迷路のように使う演出が面白い。また、スナイパーと撃ち合うライフル対決シーンは、緊張感あるいい場面。後の「アメリカン・スナイパー」を思わせる。結局、イーストウッドが放つ銃弾でしか問題が解決できない結末。無力な保安官の態度に拳を振るう苛立ちが心に残る。



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