「キル・ビル」のルーツを探せ!(その12)★ゴーゴー・ボール/♪Super16(空間美学PART2)

■「片腕カンフー対空とぶギロチン/獨臂拳王大破血滴子(One Armed Boxer VS The Flying Guillotine)」(1975年・台湾)
監督=ジミー・ウォング
主演=ジミー・ウォング カム・カン ドリス・ロン ロン・ファン
オーレン・イシイのボディーガード、ゴーゴー夕張が操る鋼鉄の球が”ゴーゴーボール”。ブレザー姿の女子高生と鉄球という妙な組み合わせもあって強烈な印象を残してくれる。ゴーゴーのキャラがいたく気に入ったタランティーノが何度もそのシーンを撮り直すので、直径12センチの鉄球は何度も修理され、小道具係を泣かせていたとの話もある。さて、その武器のルーツとされるのが、ジミー・ウォング主演のこの映画。仇役の盲目の老殺し屋(カム・カン)が操る空とぶギロチン”血滴子”がそれだ。ガンダムのハンマーではないぞ(笑)。この”血滴子”は半球状のもので相手の頭に帽子の様にかぶさり、内側から刃が飛び出して首を引きちぎるという必殺の武器。これにはジミー・ウォング扮する片腕カンフーも苦戦を強いられた。決して想像の産物ではなく、中国の伝説や歴史書にも記録があるそうだ。
本作「片腕カンフー対空とぶギロチン」は、ジミー・ウォング主演作「片腕ドラゴン」の続編として製作された。今回初めて観たのだが、正直面白い!。騙されたと思って一度観てくださいよ!。カルトな人気にも心底うなずける。前作で弟子を殺された封神無忌がギロチンを手に片腕ドラゴンに復讐するのがメインのお話。ここに異種格闘技トーナメントが絡むから俄然話が面白くなる。中国拳法だけでなく東南アジアのムエタイやらヨガ使い(手が伸びる場面はもう笑うしかないけれど)トンファーを操る日本人も登場して実に楽しい。仰々しい音楽とともにいちいち「勝」「負」と記した扇を開いて勝敗を宣告するレフリーも印象的。このトーナメント場面がアーケードゲームの「ストリートファイター」の元ネタとも言われる。ジミー・ウォングが弟子達の前で、空のカゴの縁を歩いたり壁を歩いたりする場面が登場するけどこれなんか「マトリックス」のアクションのルーツ?。とにかくエンターテイメントに徹しているのがいい。床が鉄板になっている小屋に火を放ち、裸足で戦うムエタイを苦しめる場面なんざぁ、ウケ狙い?とさせ思えてくるけど。
悪役が魅力的だと映画は面白さが倍増するけれど、本作もその好例。というよりも悪役こそが主人公?と思えるくらいだ。弟子の復讐を誓って住処に火を放つオープニングにしても、壮絶な棺桶屋での死闘にしても、主人公ジミー・ウォングよりもずっと迫力がある。数々の仕掛けで封神を倒すジミー・ウォングの方がずっと情けない。封神が登場する場面では”ボイング、ボイング”と不思議な音楽が流れる。これはジャーマンロックのバンド、ノイが演奏する ♪Super16(空間美学PART2) で、映画で無断使用されたもの。タランティーノは「vol.1」でこの曲を使用、サントラにも抜粋が収録されている。オリジナルはずーっとあの調子で3分37秒・・・(呆)。

■「片腕カンフー対空とぶギロチン/獨臂拳王大破血滴子(One Armed Boxer VS The Flying Guillotine)」(1975年・台湾)
監督=ジミー・ウォング
主演=ジミー・ウォング カム・カン ドリス・ロン ロン・ファン
オーレン・イシイのボディーガード、ゴーゴー夕張が操る鋼鉄の球が”ゴーゴーボール”。ブレザー姿の女子高生と鉄球という妙な組み合わせもあって強烈な印象を残してくれる。ゴーゴーのキャラがいたく気に入ったタランティーノが何度もそのシーンを撮り直すので、直径12センチの鉄球は何度も修理され、小道具係を泣かせていたとの話もある。さて、その武器のルーツとされるのが、ジミー・ウォング主演のこの映画。仇役の盲目の老殺し屋(カム・カン)が操る空とぶギロチン”血滴子”がそれだ。ガンダムのハンマーではないぞ(笑)。この”血滴子”は半球状のもので相手の頭に帽子の様にかぶさり、内側から刃が飛び出して首を引きちぎるという必殺の武器。これにはジミー・ウォング扮する片腕カンフーも苦戦を強いられた。決して想像の産物ではなく、中国の伝説や歴史書にも記録があるそうだ。
本作「片腕カンフー対空とぶギロチン」は、ジミー・ウォング主演作「片腕ドラゴン」の続編として製作された。今回初めて観たのだが、正直面白い!。騙されたと思って一度観てくださいよ!。カルトな人気にも心底うなずける。前作で弟子を殺された封神無忌がギロチンを手に片腕ドラゴンに復讐するのがメインのお話。ここに異種格闘技トーナメントが絡むから俄然話が面白くなる。中国拳法だけでなく東南アジアのムエタイやらヨガ使い(手が伸びる場面はもう笑うしかないけれど)トンファーを操る日本人も登場して実に楽しい。仰々しい音楽とともにいちいち「勝」「負」と記した扇を開いて勝敗を宣告するレフリーも印象的。このトーナメント場面がアーケードゲームの「ストリートファイター」の元ネタとも言われる。ジミー・ウォングが弟子達の前で、空のカゴの縁を歩いたり壁を歩いたりする場面が登場するけどこれなんか「マトリックス」のアクションのルーツ?。とにかくエンターテイメントに徹しているのがいい。床が鉄板になっている小屋に火を放ち、裸足で戦うムエタイを苦しめる場面なんざぁ、ウケ狙い?とさせ思えてくるけど。
悪役が魅力的だと映画は面白さが倍増するけれど、本作もその好例。というよりも悪役こそが主人公?と思えるくらいだ。弟子の復讐を誓って住処に火を放つオープニングにしても、壮絶な棺桶屋での死闘にしても、主人公ジミー・ウォングよりもずっと迫力がある。数々の仕掛けで封神を倒すジミー・ウォングの方がずっと情けない。封神が登場する場面では”ボイング、ボイング”と不思議な音楽が流れる。これはジャーマンロックのバンド、ノイが演奏する ♪Super16(空間美学PART2) で、映画で無断使用されたもの。タランティーノは「vol.1」でこの曲を使用、サントラにも抜粋が収録されている。オリジナルはずーっとあの調子で3分37秒・・・(呆)。