はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

プラタモリ・宝永山

2015-10-25 10:39:58 | その他
 昨晩放映されたNHKTV 「プラタモリ」 の宝永山特集を見ました。
お笑い芸人のタモリが出る番組は一度も見た事は無かったが、NHKのやる宝永山に惹かれてチャンネルを回す事に・・・・・

そして見た結果は  非常に良かった! 

中でも感激したのは、高校時代7合5勺の山小屋でバイトをしていた時、宝永山の中に下りてよく遊びました。
そのとき登った 「恐竜の背鰭」 の様な物の名前が 「岩脈(がんみゃく)」 という事も初めて知ったし、
その岩脈が火山の割れ目噴火の際、溶岩が台地の間から 「貫入」 してできた岩だとも知りました。

また、岩脈の方向が全て山頂方向に向いてている事は知っていたが、その事に理由があったとは思ってもいなかった。
これは割れ目噴火の起きる場所の向きで、富士山は北アメリカプレートと接するフィリピン海プレートの外縁部にあり、
常に南東方向から圧力を受けている状態になっている。
このため大地の割れ目は、その圧力の方向に平行に裂け、そこが割れ目噴火の噴火口となっているようだ。
故に岩脈は北西方向の山頂に向かう事になる。

これからは宝永火口に下りた時、“恐竜の背鰭” のような物ではなく “岩脈” と言えるのが嬉しいな。

       
                           宝永山の 「岩脈」

次に知ったのは宝永山の火口壁の色の違った地層の事だった。
今迄あの色の違いは、宝永山の噴火の時に出来た物だろうと単純に考えていたが、それにも理由があった。
あの地層は宝永山の噴火で形成された地層ではなく、富士山の成立ちを現す地層そのものだそうだ。
それが宝永山の噴火により火口に穴が開いて現れたものだという。

今に “あの赤い地層は○○時代の△△噴火の際の溶岩跡です” なんて説明できるようになるかもね。

       
                            宝永火口壁の地層

宝永山そのものの話もあった。
標高2693m(フロクのサン=付録の山)の宝永山の上に立ってしまうと、その場所が盛り上がっている事は分からない。
しかし宝永山の西側から見ると、宝永山の山頂はピョコンと盛り上がっている岩の上であることが良く分かる。

       
                                宝永山

今迄ここも宝永噴火の際に出来た噴火口の一部だと思っていた。だがこれも大間違いで、あの宝永山の盛り上がった岩は
現在の 「新富士」 の前の 「古富士」 の一部だという。
3000m程あったいわれる古富士は、新富士と共に噴火を繰り返していたが、約2500年前ころ、風化が進み古富士の
山頂部が大規模な山体崩壊を起こして崩壊してしまった。
その後新富士は噴火を繰り返しながら成長を続け、残っていた古富士を覆い尽くしてしまったようだ。
その古富士が宝永噴火により顔を出したのだという。

私は今まで勘違いをしていた。所謂 “こ富士” は須走口の近くにある塚だと思い込んでいた。
そこで慌てて確認すると、須走口近くの “こ富士” は 「小富士」 でした。

       
                            宝永山と宝永火口

他にもこんな話があった。
富士山の御殿庭辺りを歩いていると、白い模様の付いた石があり、ペンキで書いた目印と勘違いする事がある。
私はこれを古い苔が岩に染み付いて白っぽくなったと思っていた。
だがTVでは、あの白い部分は石英の一種で、温泉の湯の花のような物だと説明していた。

 
             白い染みのある石                             白い染みのある石 
  
どうやらこの説明は私が聞き間違えたらしく、
 「石英は六角柱状のきれいな自形結晶をなすことが多く、中でも特に無色透明なものを水晶と呼ぶ。
石英は非常に一般的な造岩鉱物で、一般的に砂漠・砂丘の砂は石英が主成分となる事が多い。
また、どこにでもあるため砂埃(すなぼこり)にも石英が含まれている。」
なのだそうです。
その説明と上の写真では一致点は見いだせなかった。


次回のプラタモリは31日の土曜日に 「富士山頂」 が放送されるそうなので是非見なくちゃぁー。