はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

菩提山下見 2

2015-10-17 10:00:00 | 低山歩き
歩行記録                                                          H27-10-13(火)
歩行時間:8時間40分   休憩時間:1時間15分   延時間:9時間55分
出発時刻:7時55分     到着時刻:17時50分
歩  数: 45、269歩(推定距離33.0km)    GPS距離32.1km
行程表
中山BS 0:40> 不動峡 0:20>  水車村 1:00> 菩提山登山道入口 0:10> 滝之谷峠 0:25> 道不明 0:55> 
菩提山登山道入口 0:25> 菩提山 0:40> 桧峠  0:35> 椿山 1:00 上滝沢 0:35 中山BS 1:55 藤枝駅
 
                      不動峡・菩提山・椿山観歩記

                    
                  滝ノ谷峠の祠                         滝谷峠の標識

 菩提山入口から10分ほどで滝ノ谷峠入口に着いた。入口の標識は間違いなく 「滝ノ谷↑」 となっている。
峠の地蔵さんの前に組んである細い竹の櫓も農道途中にあった地蔵尊の所と同じだ物だ。
それなら間違いなくこの道を下ればさっきの地蔵尊の所に出る。と林の中の山道を下りだした。

 
               唯一あった標識                            道が陥没していた

 林の中の道は余り歩かれていそうもない道だったが、唯一あった標識の辺りからは更に踏み跡が薄くなった。
これでは山歩きに慣れていない仲間達に、また 「道なき道を歩かされた」 などと言われそうだ。
先に進んでも踏み跡も濃くなる気配も無いし、朽ちた倒木が道を塞いでいて踏むとボキッと折れたりする。どうやら山に慣れていない
人には適さない道のようだ。止めようこの道を仲間と歩くのは。かわりに農道を歩いて来ればいいのだから。

 そう決心したのだが下るのは止めなかった。後は下見ではなく自分の好奇心を満足させるために下った過ぎない。
朽ち始めた作業小屋の所で道が分からなくなった。前・左・右と見ても目印は無い。木間を透かして下を覗くと、沢沿いに踏み跡
らしきものが見える。一先ずあれを歩いてみよう。と、右側の沢沿いに進んで行った。
最初右から聞こえていた沢音が左からも聞こえてきた。オッと危ない。薄い踏み跡が突然無くなってしまった。
イヤイヤ無くなったのは踏み跡だけでなく細い稜線(?)すら無くなっていて、写真では見にくいが、前方にある太い木の根元と
手前の草が盛り上がった所の2m程が消失していた。
危なかったな。知らないで進んでいれば落ちてしまうところだった。危ない!危ない!

 
                  左の沢                                    右の沢

 左側を覗き込むと下の方の岩の川底を水が流れていてる。右側は斜面になった岩を水が滑り落ちていた。
どうやら大水が出たとき左右の沢の水流で稜線(?)が削り取られ、沢が合体してしまったようだ。前に見える部分は島状に
なっているのだろう。止めた、止めたこれ以上進むのは。命あってのもの種だ。

       

 家に戻り地図を見てみると、地蔵尊の所らしき所から沢沿いに山道が引かれ稜線まで延びていた。これがきっと昔の峠道で
あり、ハイキングコースだったのだろう。
一応歩いた所を赤線で書いたが、地図の沢の場所と私が出合った沢が同じ場所かは自信はありません。

 
                 菩提山入口                               菩提山山頂

 菩提山入口の標識ある農道の分岐点まで戻ったが、約1時間40分のロスとなってしまったが、マーいいだろう。
これで下見に来た甲斐があったと云うものだ。
 
 写真の農道を直進すれば今日歩いて来た農道で滝ノ谷に向かい、右に農道を曲がれば藤枝市大久保集落の下る道です。
菩提山はその中間にある山道を登って行きます。また農道を逆に戻れば滝ノ谷峠、笠張山、高尾山方面に向かいます。

 農道を西(右)に下る道が大久保集落に出ると初めて知った。今まではてっきり島田の伊久美出るのだと思っていたのだ。
大久保集落は瀬戸川上流の蔵田から峠を下った所の集落で、本来なら峠から大分下がっているので島田市属すると思う。
それが藤枝に属しているとなると何か理由がある筈だ。そこでこの峠道の事を知りピンときた。
大久保集落は蔵田と縁があるのではなく、滝ノ谷集落とこの峠道を通じて縁があったのだ。
滝ノ谷集落には今川側の臼井氏が住んでいたが、大久保集落も同じように臼井氏が住んでいたのではないか。
もうこうなると妄想的歴史観は止りません。

 滝沢城の案内には、滝沢城は大井川上流の徳山城の出城で葉梨城と対峙していたあったが、それは間違いで実は滝沢城は
葉梨城の出城で徳山城の攻撃に備えていたのではないか。
城も東西にあったのではなく、あったのは大井川に抜ける街道のある西砦だけで、両砦の間にある滝谷から大久保に抜ける
間道に対しては、今川の家来である臼井氏が集落を作り農林業をしながら守備をしていた。所謂屯田兵であったのだ。

 その根拠は滝沢城と対峙していた葉梨城は、瀬戸川右岸の烏帽子形山の中腹にある花倉城のことで、その麓の花倉の里は
今川家が駿河に来た時の最初の居住地で、謂わば今川家の聖地でもある。
その葉梨城から滝沢城までの直線距離は僅か3kmしかなく、道を辿っても4kmほどだ。これでは滝沢城は常に敵の攻撃に
さらされていて、怯えていなければならない。
一方味方の徳山城は直線距離で18kmだが、これは山越え川越えの直線距離で、現在の道を辿ると36km程にになってしまう。
例え応援は身近な出城から来るとしても、滝沢城から大井川まで15kmはある。
これでは今川方がその気になればいつでも城を攻略する事ができてしまう。そんな場所に出城を造るわけはない。

 そこで滝沢城を葉梨城の出城として考え、今川方が西の大井川からの敵に備えた出城と考えれば万事うまく収まる。
どうですか今日の妄想的歴史観は。これで朝読んだとき感じた滝沢城の謂れの違和感は無くなった。

 菩提山の上りは最初急な上りが続き、中だるみがあって最後にまた急な上りを行けば山頂です。

 
                山頂から東の眺め                            山頂から西の眺め

 標高691mの菩提山山頂からの眺めは余り良くない。それでも東南の方向は少し開けていて藤枝の街が見えていた。西側は
木の間から見えた山は何処の山か分かないが、手前の山並が伊久美川右岸で、奥の山脈は大井川右岸だという事は分かる。

   
                        苔の道                               悩む標識

 菩提山から三角点のある所までは緩いアップダウが続いたが、後は下りばかりになる。
林の中の道がズート続くが、椎茸の榾木置場が茶畑になった所で山道は終わりになる。そこに緑の絨毯が続いていて、
その上を歩くとまさに厚い絨毯の上を歩いているようにフカフカした感触がした。緑の絨毯の正体は杉苔(多分)だった。
こんな道が続けば足に優しく幾ら歩いても疲れないだろな、などと無い物ねだりをしてしまう。

 茶畑の間の道を下って来た所に立っていた標識を見て考えてしまった。今上から下りて来たのにその道が × になっている。
一体何故? 正解は × が付いた道を縦に書いているが、それを横にすれば良いのだ。
これでは下から来た人は一瞬考えてしまうだろうな。そして考えた結果正しい道に行くだろう。

 
                桧峠付近の茶畑                               桧峠のお堂

 前方がスッキリ開け茶畑が広がっている。ここまで来れば桧峠は近い。
桧峠は市境になっていて集落のある所は島田市伊久美だった。峠のお堂には地区を紹介する古い新聞記事が張ってあり読み
だすときりが無くなる。その話は今までも何回も紹介したので今日はパス。

 
               椿山と県道の分岐                             秋番茶の収穫

 桧峠を少し下った所に椿山と県道の分岐がある。仲間と来た時は疲れているようなら、ここを左に行けば登りは無い下りだけの
道で上滝沢に行く事が出来る。尤も中々厳しい下りだが。
今は直進する椿山の道を行くが、この道が中々疲れる道で、毎回ここを最後に登っているので椿山は大変だというイメージが強い。

 椿山の農道脇では秋番茶の刈取りが行われていた。この秋番茶の刈取りは菊川や掛川の遠州では見かけるが大井川以東では
あまり見た事がない。茶の葉は春の新芽に比べ色も濃くて堅そうに感じるが、これで美味しいお茶が出来るのだろうか。
値段は多分安いだろうから一度飲んでみたい。

 
                椿山山頂標識                                 椿山三角点

 椿山の山頂標識は最高点とは言えない農道の脇に立っていて、三角点も民家の庭にある。
何とも張り合いのない山頂なので、以前最高点を求めて藪を掻き分け尾根に登った事がある。
だがそこからは農道からだと見えなかった西の方向が見えたが、藪を掻き分けて行くほどの価値は無かった。
そんな無理をしなくてもこの先の 「開拓の礎」 まで行けば絶景が待っている。

                                       椿山開拓の礎から北から東にかけての眺め

                                       椿山開拓の礎から東から南にかけての眺め

 今日も晴れてはいるが遠くは霞んだ状態で、富士山は肉眼では見えているが写真では拡大しなければ見えない状態だった。
それでも左は菩提山から右は千葉山まで300度以上の範囲を眺める事ができる。ここの景色は私に言わせれば藤枝の山の
中では最高の部類に属する眺めだと思っている。
ただ椿山自体が周りの山に比べ標高も低く、道の全てが舗装された農道のため登る人も少なくて知られていないのが残念だ。
菩提山に登るときは是非椿山にも立ち寄って、ここからの景色を眺めてください。

今日は菩提山しか登ってないが、いつかは高根山、高尾山、笠張山、菩提山を縦走して、ここ椿山で歩いてきた山並を振り返り
ながら一服してみたい。きっと達成感に満ちた休憩となるだろう。

山の名前は “当たらずとも遠からず” と、思ってください。

 
              富士山の雲が取れた                              県道合流

 農道を下り始めると、開拓の礎では富士山の中腹にかかっていた雲がとれ、初冠雪をした山頂も顔を出してくれた。

 長い下りの農道がようやく県道215号に合流すれば、バスの終点 「上滝沢」 はもうすぐだ。
バスは平日なら2時46分、土曜日は3時16分があるが、予約制とか書いてあり利用方法はよく分からない。
ここからもうひと頑張りすれば藤枝駅行の中山バスがある。私? 私はさらに頑張って瀬戸川沿いを藤枝駅まで歩きます。

                               桧峠から椿山経由中山までの道

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 明日18日は9月の仲間たちとのウォーキングで、浜石岳と興津川遊歩道を歩いてきます。
天気予報は今日土曜日は雨で、明日は晴となっている。予報通りなら更に雪化粧をした富士山を眺められるかもしれません。