歩行記録 27-3-17(火)
歩行時間:6時間35分 休憩時間:1時間20分 延時間:7時間55分
出発時刻:8時20分 到着時刻:16時15分
歩 数: 32、352歩(推定距離24.3km) GPS距離21.2km
行程表
立石バス停 0:35> 林道横断 1:40> 天子ヶ岳 0:40> 長者ヶ岳 0:30> 休暇村分岐 0:25> 長者ヶ岳登山口 0:40>
陣場の滝 1:00> 麓の吊橋 0:15> 麓 山の家 0:35> 自然歩道分岐 0:15> 朝霧高原道の駅
朝霧高原道の駅へ
明るい尾根道 東海自然歩道合流
天子ヶ岳から長者ヶ岳への尾根道は、両側に雑木の裸木が続く明るい道だった。こんな道を歩いているとホッとするのは
明るいからか? いやいやそうではなくて単に道が平か下りなので体が楽になるからだろう。
右手の樹間にドカンと大きい富士山が付いてて離れない。勿論天ケ岳の展望台からも邪魔物も無い富士山は見えていた。
なのに何故、写真を掲載しないかと云うと、何処で写した富士山も、正面に大沢崩れを構え皆同じように見えてしまう。
それなら長者ヶ岳からの富士山で充分だと思った。
双耳峰と思われる二つの山の鞍部で東海自然歩道と合流した。ここを下れば山梨県の天子湖に下るらしいが、天子湖とは
初めて聞く名前なので、調べてみると富士川支流の佐野川にあるダム湖の名前だった。自然の湖なら何か伝説でも伝わって
いないかと期待したがダム湖では諦めざるを得ない。
長者ヶ岳山頂広場 富士山とベンチを独り占
11時35分に長者ヶ岳に到着。登り口にあった案内板には、ここまで210分とあったが、それより若干短い180分で着く事が
できた。最近とみに弱くなったきた脚力なので、これなら上出来の速さだろう。
ここに来る前は天子山地と天子ヶ岳の名前は知っていたが長者ヶ岳の名前は知らなかった。なので山自体の人気や眺めは
天子ヶ岳の方が良いと勝手に思い込んでいた。それが実際来てみると天子ヶ岳山頂は何も無かったのに、長者ヶ岳の山頂には
東海自然歩道の案内板やベンチも何脚も備えられていて 「山梨百名山」 の杭も建っていた。
しかも山の標高も長者ヶ岳の方が高かったとは・・・・
誰も居ない山頂では、富士山の展望もベンチも独り占めの贅沢な昼食をとることができた。
眼下には田貫湖が見えていて、そこから徐々に視線を上げていくと富士山の大沢崩れになる。更に視線を上にやると富士山頂に
至る。田貫湖と云えばダイヤモンド富士が湖面に映り、ダブルダイヤモンド富士として有名だが、此処の山頂からもダイヤモンド
富士なら眺められそうだ。
そのチャンスは毎年4月20日頃と8月20日頃にあるらしいが誰か挑戦してみてくれませんか。
昼飯が終わるころ同年輩の単独行の男性が上ってきたので少し話をした。
「以前はここからも木が邪魔をしていて、富士山が清々見えなかったが、誰かがここの木を切っての富士山が見えるようにして
くれた。だけどその人は山を下った所で待っていたパトカーの警官に職務質問をされた」 という。
ウン!如何にも尤もらしい話だけど誰が警察に知らせたのだろう。しかも男性が何処へ下るのかも分からないのに、パトカーは
何故待ち伏せできたのかな。
考えられるのは、ここの木を切ったのは携帯電話が普及してからの事で、警察に連絡したのは木を切った男性の仲間と云う事だ。
勿論そんな屁理屈は言いませんでしたが。ケイカンを作ってケイカンに捕まったカイカンの話でした。
単独行の男性はこの辺りの地理に詳しいようなので毛無山のことを聞いてみた。
「ここから5・6時間で麓まで行けますよ」 だって。今12時だから6時過ぎになってしまう。今日は無理だ。
「毛無を縦走するとバスも無いし、車で行っても帰りに長い距離を歩かなければならないので、麓に車を置いて毛無だけを登る
人が多い」 とも教えてくれた。
天子山地も今日、天子と長者に登ったので一応歩いた事になる。だが天子山地の主峰は毛無山なので 「毛無に登らずして
天子を語る事なかれ」 だろう。何時かは行ってみたい。
南アルプス
富士山の見える反対側からは、前衛の山の後ろに白銀を輝かした南アルプスが見えていた。山の名前は分からないが
一番左に尖った高い山が見える。あれは北岳だろうか? 毛無山の方からならもっとよく見えるだろうな。と、更に自分を
追い込んでしまう悪い癖が始まった。
休暇村分岐から富士山と田貫湖 長者ヶ岳登山口
下りは広目の道に程よい傾斜、しかも小石がないのでツイツイ小走りになってしまう。登りはなく、ただ下るのみで景観は無い。
最初の頃は楽で良かったが、その内に使い慣れない太腿の前が張ってきた。
この道を登るのも張り合いは無さそうだが、途中で母子連れと自転車を担いだ単独の人とすれ違った。
飽きが出かかった頃ようやく休暇村への分岐点に着いた。何故かここだけは富士山方向の木が刈り取られていて、富士山と
田貫湖を見る事ができた。ここも誰かが木を切ってくれたのだろうか。ありがたいことだ。
実は帰りのコースをまだ決めてなかった。候補としてはこの分岐に1時過ぎに付いたなら休暇村に下り白糸の滝に行く。
1時前なら東海自然歩道を歩いて朝霧高原に向かおうと思っていた。どちらも道は調べてないが、以前も歩いているの多分
大丈夫だろう。そして今は12時30分。迷うことなく東海自然歩道を歩く事にした。
山道の下りを更に30分弱歩いて、やっと長者ヶ岳登山口に付いた。山頂からここまで55分かかったが、案内板では70分と
あったので、これも小走りした成果かもしれないが少々疲れた。
車道の右側を覗き込むと田貫湖が見えたが、そこまで行く気にはならなかった。
小田貫湿原 むじな石
小田貫湿原には何回も来ているが、ここが湿原になっていたことは一度も無い。湿原には大小125個の池があると案内して
いるが、今日も見えるのは枯草だけ。もう湿原は乾燥して草原になってしまったのだろうか。
湿原の横を走る車道の側溝には澄んだ水が勢いよく流れている。この水を湿原に注ぎこんだら湿原は復活するのではないかな。
湿原を過ぎた林の中に 「むじな石」 と書かれた大きな石があった。でも「むじな」って何だっけ? 改めて考えても思い浮かば
なかった。「同じ穴の狢(むじな)」 って云うから悪そうな獣を想像するが分からない。そこで調べてみました。
「狢は、狸に似た動物でアナグマの異名。山林に深い穴を掘ってすむことから、悪事を働く同類の意味で「「同じ穴の貉」という」
アライグマラスカルなら知っているが、アナグマは雰囲気では分かるが本体は知らない。それに日本の本州にツキノワグマ以外の
熊がいるとも思えない。
調べてみたら、アナグマは 「ネコ目イタチ科アナグマ属」 で、ツキノワグマは 「ネコ目クマ科クマ属」 でした。
「科」がイタチとクマの違いがあるので同じ仲間ではないようだ。次にイタチはと云うと 「ネコ目イタチ科イタチ」 なのでどうやら
イタチと親戚のようだ。因みにアナグマと形の似ている狸も調べてみると 「ネコ目イヌ科タヌキ属」 でした。
そう云われればこの石は、薄暗い林の中に背を丸め息を潜めて獲物を狙っている獣に見えない事もないかな。
しかしアナグマが悪さをするとは何処にも書いてなかったが。
陣場の滝 陣場の滝の水汲み場
陣場の滝は以前来た時より水の量が少なく、更に水が落ちている場所も少なくなっていた。以前は白糸の滝の小型版と思って
人にも話していたが、これではとても宣伝するわけにはいかない。
この辺りの今の地名は 「猪之頭」 と書くが、明治の初めまでは、泉の源という意味で 「井之頭」 と書いていたらしい。
ところで猪之頭と井之頭。どちらが良いと思います? 私は断然井之頭の方が好きなので、何故改名したのか信じられない
気持ちです。だって猪之頭では山間僻地のイメージだが、井之頭なら水の豊富な場所を思い浮かべる事ができます。
その証拠には、近くに県立の 「富士養鱒場」 もあり有料で見学もできるようです。
水といえば陣場の滝の水辺には水汲み場があって、今日もポリタンクを幾つも待った人が水を汲んでいた。駐車場と離れて
いるので台車まで準備しているから本格的だ。ただ近くには富士宮市で建てた看板に
「ご注意 湧水を利用される方は、煮沸などをしてご利用ください」 と書いてあった。
そこで水を汲んでいた人に 「生では飲めないのですか?」 と聞くと 「私等は生で飲んでますよ」 だって。
マーそうだろうな、役所としては知らん顔をしていて、何か起こったら困るので責任逃れをしたくなるだろう。
ここの水にはバナジュウムが含まれていて血糖値を下げるとか。私も持っていたペットボトルを空にして水を汲みました。
そうそう陣場の滝とは 「源頼朝が富士の巻狩りのとき、一夜の陣を敷いた事から陣場の滝と呼ぶようになった」 そうです。
溶岩が落ちている道 通行止だ!
東海自然歩道は猪之頭中学校を過ぎると、また山道に入る。その山道の所々に溶岩の破片が落ちていた。
富士山の麓では、この溶岩を拾って庭の縁石にしたりするが、溶岩って溶岩流で流れてくるから、噴火口からズット続いている
のではないのか。だがこの辺りにある小さな溶岩がアチコチに落ちている。
しかもこの辺りは高台で溶岩の流れがあるようには思えない。それでは噴火のときに火山弾と同じように飛ばされてきたのか。
気になって調べてみると、ウイきペディアの火山弾の項でこんな説明があった。
「火山弾とは、火山の噴火に際して、溶岩の破片が放出されるときに形成される直径65mm以上の溶融した岩石の塊である。
ただし火山弾は地面に達する前に冷えて固まる。」 と溶岩が飛んできた物とあった。
デモデモです。富士山周辺の火山弾と溶岩の破片は明らかに違い、火山弾は赤っぽく紡錘形で、如何にも弾といった感じです。
一方溶岩は黒っぽくブツブツ穴がと空いていて、形もてんでにバラバラです。
結局私を納得させてくれるような物は見つからなかったが、ここにある石は火山弾なのか、溶岩なのか??
道標の先にロープが張ってあり 「通行禁止」 となっている。ここまで来て戻るわけにはいかない。
恐々近づいて見ると、大丈夫でした迂回路が出来ていました。
またもや通行禁止だ 川底から吊橋
「麓の吊橋」 の入口に大きな 「通行禁止」 の看板が見える。又かよ、でもここもさっきと同じように迂回路があるだろう。
近づいて見ると迂回路は川底を渡る道だった。今日は水が無いのでいいが、これで水が出ていたらどうするのだ。
そんな目で吊橋を見ると全然大丈夫そうで、私一人が渡る分には支障は無さそうだ。さてどうしよう。
イヤイヤ今日は水が出ていない。これで若しもの事が起り怪我でもしたら、いい恥晒しになってしまう。と川底を渡りました。
対岸には工事の現場事務所があり、工期は平成27年3月20日となっていた。
びく石の農道もそうだったが、こういう工事は工期を余り気にしないのだろうか。
ふもっとぱら入口 麓 山の家
吊橋を渡った先で、いや川底を渡った先で車道に合流した。この車道を右に行くと国道139号でバス停に出るようだ。
山に向かって進む東海自然歩道の右側には、広い草原?芝生?牧場?があって、その真ん中にテントが張られていた。
広々として気持ち良いか、それとも何もない広場の真中で寂しいか分からないが、天気さえ良ければ満天の星と黒々とした
巨大な富士山を望むことができるだろう。
そこは 「ふもとっぱら」 自然体験休暇施設で、キャンプや森林体験、気球体験などもできる宿泊施設でした。
更に車道を進むと、今度は富士宮市営の宿泊施設 「麓 山の家」 があった。この山の家は名前に合わないほど広く、
維持するのが大変そうだ。だが、ここを利用すれば毛無山にも容易に登れそうだ。
更に道を進むと、自然歩道は三角点の頂点の鋭角を曲がるようになっていて、そこには 「毛無山登山口」 の標識が有った。
東海自然歩道分岐 自然歩道の標識
自然歩道は車道と離れ再び山道に入ってから林の中を出ると、牧草地の先に牛舎らしき建物が見えた。
林と牧草地の間の道は、以前は草が生茂り不安も感じたが、今は踏み跡もしっかり付いていて明らかな山道だった。
前方に四阿が見えてきた。ここまで来れば朝霧道の駅はつい目と鼻の先なので20分もあれば充分着くだろう。
ここの道標に気になる事が書いてあり、以前にも疑問に感じていた。
「県境方面迂回路 (悪天候・自然歩道通行不能時のみ)」 と書いてあるのだ。
何故そんな事を書いてあるのか不思議だったが、今回自然歩道の案内板を見て分かった。
「この先一部区間が、降雨、雪時に水が溜りができてしまい、通行困難になる場合があります。土地の使用者のご厚意により
悪天候・自然報道通行不能時のみを条件として、迂回路として一時的に通行を許可して頂いています。
あくまでも私有地ですので、晴天時や自然歩道歩行可能時は使用しないでください。」 と書いてあった。
読まなければよかったな。疑問は解決したが、気兼しいしいの歩くになってしまう。
ハングライダーの離陸場 ハングライダーと毛無山
前回歩いた時は草が茫々で国道近くで道を外れてしまったが、今は轍の跡がハッキリ付いた完全な道になっていた。
これなら気兼しいしいと云っても、畑の中とか牧草地の中ではないので左程の事はない。どちらかと云えばうるさい地主だと思った。
ハングライダーの離陸場の丸い塚があるが人の気配はしない。だが後ろを振り返り上空を見ると、ハングライダーが3機空中を
舞っていた。ウワー!毛無山の上には雪が残っている。寒いだろうなー。ここの気温は5℃なので、あの上空なら零度以下だろう。
良くやるよな。私にはとてもできないしやる気もない。なんかこっちまで寒くなって身震いが出てきた。
毛無山と雨ヶ岳 朝霧高原道の駅
毛無山や雨ヶ岳に残っている雪は17日降ったのではないだろうか。だとするとあの日は矢張り天子山地を止めて、小笠山に
変更したのは正解だった。毛無山の標高は1964mでほぼ2000mもある。低山歩き専門の私には2000mとなると荷が重す
ぎるのかもしれない。
朝霧高原道の駅に4時15分到着。バスの時間は5時3分なので十分時間はある。それでは氷結を手に入れようと思ったが
道の駅でアルコールを売っているのかな? 確か高速のSAではアルコールは売っていない。
氷結やビールは売ってなかったが地酒のワンカップはあった。これまで乾杯を清酒でやった事はないが背に腹はかえれない。
最初の一口は違和感があったが、後は何でも同じだった。アルコールなら。
歩行時間:6時間35分 休憩時間:1時間20分 延時間:7時間55分
出発時刻:8時20分 到着時刻:16時15分
歩 数: 32、352歩(推定距離24.3km) GPS距離21.2km
行程表
立石バス停 0:35> 林道横断 1:40> 天子ヶ岳 0:40> 長者ヶ岳 0:30> 休暇村分岐 0:25> 長者ヶ岳登山口 0:40>
陣場の滝 1:00> 麓の吊橋 0:15> 麓 山の家 0:35> 自然歩道分岐 0:15> 朝霧高原道の駅
朝霧高原道の駅へ
明るい尾根道 東海自然歩道合流
天子ヶ岳から長者ヶ岳への尾根道は、両側に雑木の裸木が続く明るい道だった。こんな道を歩いているとホッとするのは
明るいからか? いやいやそうではなくて単に道が平か下りなので体が楽になるからだろう。
右手の樹間にドカンと大きい富士山が付いてて離れない。勿論天ケ岳の展望台からも邪魔物も無い富士山は見えていた。
なのに何故、写真を掲載しないかと云うと、何処で写した富士山も、正面に大沢崩れを構え皆同じように見えてしまう。
それなら長者ヶ岳からの富士山で充分だと思った。
双耳峰と思われる二つの山の鞍部で東海自然歩道と合流した。ここを下れば山梨県の天子湖に下るらしいが、天子湖とは
初めて聞く名前なので、調べてみると富士川支流の佐野川にあるダム湖の名前だった。自然の湖なら何か伝説でも伝わって
いないかと期待したがダム湖では諦めざるを得ない。
長者ヶ岳山頂広場 富士山とベンチを独り占
11時35分に長者ヶ岳に到着。登り口にあった案内板には、ここまで210分とあったが、それより若干短い180分で着く事が
できた。最近とみに弱くなったきた脚力なので、これなら上出来の速さだろう。
ここに来る前は天子山地と天子ヶ岳の名前は知っていたが長者ヶ岳の名前は知らなかった。なので山自体の人気や眺めは
天子ヶ岳の方が良いと勝手に思い込んでいた。それが実際来てみると天子ヶ岳山頂は何も無かったのに、長者ヶ岳の山頂には
東海自然歩道の案内板やベンチも何脚も備えられていて 「山梨百名山」 の杭も建っていた。
しかも山の標高も長者ヶ岳の方が高かったとは・・・・
誰も居ない山頂では、富士山の展望もベンチも独り占めの贅沢な昼食をとることができた。
眼下には田貫湖が見えていて、そこから徐々に視線を上げていくと富士山の大沢崩れになる。更に視線を上にやると富士山頂に
至る。田貫湖と云えばダイヤモンド富士が湖面に映り、ダブルダイヤモンド富士として有名だが、此処の山頂からもダイヤモンド
富士なら眺められそうだ。
そのチャンスは毎年4月20日頃と8月20日頃にあるらしいが誰か挑戦してみてくれませんか。
昼飯が終わるころ同年輩の単独行の男性が上ってきたので少し話をした。
「以前はここからも木が邪魔をしていて、富士山が清々見えなかったが、誰かがここの木を切っての富士山が見えるようにして
くれた。だけどその人は山を下った所で待っていたパトカーの警官に職務質問をされた」 という。
ウン!如何にも尤もらしい話だけど誰が警察に知らせたのだろう。しかも男性が何処へ下るのかも分からないのに、パトカーは
何故待ち伏せできたのかな。
考えられるのは、ここの木を切ったのは携帯電話が普及してからの事で、警察に連絡したのは木を切った男性の仲間と云う事だ。
勿論そんな屁理屈は言いませんでしたが。ケイカンを作ってケイカンに捕まったカイカンの話でした。
単独行の男性はこの辺りの地理に詳しいようなので毛無山のことを聞いてみた。
「ここから5・6時間で麓まで行けますよ」 だって。今12時だから6時過ぎになってしまう。今日は無理だ。
「毛無を縦走するとバスも無いし、車で行っても帰りに長い距離を歩かなければならないので、麓に車を置いて毛無だけを登る
人が多い」 とも教えてくれた。
天子山地も今日、天子と長者に登ったので一応歩いた事になる。だが天子山地の主峰は毛無山なので 「毛無に登らずして
天子を語る事なかれ」 だろう。何時かは行ってみたい。
南アルプス
富士山の見える反対側からは、前衛の山の後ろに白銀を輝かした南アルプスが見えていた。山の名前は分からないが
一番左に尖った高い山が見える。あれは北岳だろうか? 毛無山の方からならもっとよく見えるだろうな。と、更に自分を
追い込んでしまう悪い癖が始まった。
休暇村分岐から富士山と田貫湖 長者ヶ岳登山口
下りは広目の道に程よい傾斜、しかも小石がないのでツイツイ小走りになってしまう。登りはなく、ただ下るのみで景観は無い。
最初の頃は楽で良かったが、その内に使い慣れない太腿の前が張ってきた。
この道を登るのも張り合いは無さそうだが、途中で母子連れと自転車を担いだ単独の人とすれ違った。
飽きが出かかった頃ようやく休暇村への分岐点に着いた。何故かここだけは富士山方向の木が刈り取られていて、富士山と
田貫湖を見る事ができた。ここも誰かが木を切ってくれたのだろうか。ありがたいことだ。
実は帰りのコースをまだ決めてなかった。候補としてはこの分岐に1時過ぎに付いたなら休暇村に下り白糸の滝に行く。
1時前なら東海自然歩道を歩いて朝霧高原に向かおうと思っていた。どちらも道は調べてないが、以前も歩いているの多分
大丈夫だろう。そして今は12時30分。迷うことなく東海自然歩道を歩く事にした。
山道の下りを更に30分弱歩いて、やっと長者ヶ岳登山口に付いた。山頂からここまで55分かかったが、案内板では70分と
あったので、これも小走りした成果かもしれないが少々疲れた。
車道の右側を覗き込むと田貫湖が見えたが、そこまで行く気にはならなかった。
小田貫湿原 むじな石
小田貫湿原には何回も来ているが、ここが湿原になっていたことは一度も無い。湿原には大小125個の池があると案内して
いるが、今日も見えるのは枯草だけ。もう湿原は乾燥して草原になってしまったのだろうか。
湿原の横を走る車道の側溝には澄んだ水が勢いよく流れている。この水を湿原に注ぎこんだら湿原は復活するのではないかな。
湿原を過ぎた林の中に 「むじな石」 と書かれた大きな石があった。でも「むじな」って何だっけ? 改めて考えても思い浮かば
なかった。「同じ穴の狢(むじな)」 って云うから悪そうな獣を想像するが分からない。そこで調べてみました。
「狢は、狸に似た動物でアナグマの異名。山林に深い穴を掘ってすむことから、悪事を働く同類の意味で「「同じ穴の貉」という」
アライグマラスカルなら知っているが、アナグマは雰囲気では分かるが本体は知らない。それに日本の本州にツキノワグマ以外の
熊がいるとも思えない。
調べてみたら、アナグマは 「ネコ目イタチ科アナグマ属」 で、ツキノワグマは 「ネコ目クマ科クマ属」 でした。
「科」がイタチとクマの違いがあるので同じ仲間ではないようだ。次にイタチはと云うと 「ネコ目イタチ科イタチ」 なのでどうやら
イタチと親戚のようだ。因みにアナグマと形の似ている狸も調べてみると 「ネコ目イヌ科タヌキ属」 でした。
そう云われればこの石は、薄暗い林の中に背を丸め息を潜めて獲物を狙っている獣に見えない事もないかな。
しかしアナグマが悪さをするとは何処にも書いてなかったが。
陣場の滝 陣場の滝の水汲み場
陣場の滝は以前来た時より水の量が少なく、更に水が落ちている場所も少なくなっていた。以前は白糸の滝の小型版と思って
人にも話していたが、これではとても宣伝するわけにはいかない。
この辺りの今の地名は 「猪之頭」 と書くが、明治の初めまでは、泉の源という意味で 「井之頭」 と書いていたらしい。
ところで猪之頭と井之頭。どちらが良いと思います? 私は断然井之頭の方が好きなので、何故改名したのか信じられない
気持ちです。だって猪之頭では山間僻地のイメージだが、井之頭なら水の豊富な場所を思い浮かべる事ができます。
その証拠には、近くに県立の 「富士養鱒場」 もあり有料で見学もできるようです。
水といえば陣場の滝の水辺には水汲み場があって、今日もポリタンクを幾つも待った人が水を汲んでいた。駐車場と離れて
いるので台車まで準備しているから本格的だ。ただ近くには富士宮市で建てた看板に
「ご注意 湧水を利用される方は、煮沸などをしてご利用ください」 と書いてあった。
そこで水を汲んでいた人に 「生では飲めないのですか?」 と聞くと 「私等は生で飲んでますよ」 だって。
マーそうだろうな、役所としては知らん顔をしていて、何か起こったら困るので責任逃れをしたくなるだろう。
ここの水にはバナジュウムが含まれていて血糖値を下げるとか。私も持っていたペットボトルを空にして水を汲みました。
そうそう陣場の滝とは 「源頼朝が富士の巻狩りのとき、一夜の陣を敷いた事から陣場の滝と呼ぶようになった」 そうです。
溶岩が落ちている道 通行止だ!
東海自然歩道は猪之頭中学校を過ぎると、また山道に入る。その山道の所々に溶岩の破片が落ちていた。
富士山の麓では、この溶岩を拾って庭の縁石にしたりするが、溶岩って溶岩流で流れてくるから、噴火口からズット続いている
のではないのか。だがこの辺りにある小さな溶岩がアチコチに落ちている。
しかもこの辺りは高台で溶岩の流れがあるようには思えない。それでは噴火のときに火山弾と同じように飛ばされてきたのか。
気になって調べてみると、ウイきペディアの火山弾の項でこんな説明があった。
「火山弾とは、火山の噴火に際して、溶岩の破片が放出されるときに形成される直径65mm以上の溶融した岩石の塊である。
ただし火山弾は地面に達する前に冷えて固まる。」 と溶岩が飛んできた物とあった。
デモデモです。富士山周辺の火山弾と溶岩の破片は明らかに違い、火山弾は赤っぽく紡錘形で、如何にも弾といった感じです。
一方溶岩は黒っぽくブツブツ穴がと空いていて、形もてんでにバラバラです。
結局私を納得させてくれるような物は見つからなかったが、ここにある石は火山弾なのか、溶岩なのか??
道標の先にロープが張ってあり 「通行禁止」 となっている。ここまで来て戻るわけにはいかない。
恐々近づいて見ると、大丈夫でした迂回路が出来ていました。
またもや通行禁止だ 川底から吊橋
「麓の吊橋」 の入口に大きな 「通行禁止」 の看板が見える。又かよ、でもここもさっきと同じように迂回路があるだろう。
近づいて見ると迂回路は川底を渡る道だった。今日は水が無いのでいいが、これで水が出ていたらどうするのだ。
そんな目で吊橋を見ると全然大丈夫そうで、私一人が渡る分には支障は無さそうだ。さてどうしよう。
イヤイヤ今日は水が出ていない。これで若しもの事が起り怪我でもしたら、いい恥晒しになってしまう。と川底を渡りました。
対岸には工事の現場事務所があり、工期は平成27年3月20日となっていた。
びく石の農道もそうだったが、こういう工事は工期を余り気にしないのだろうか。
ふもっとぱら入口 麓 山の家
吊橋を渡った先で、いや川底を渡った先で車道に合流した。この車道を右に行くと国道139号でバス停に出るようだ。
山に向かって進む東海自然歩道の右側には、広い草原?芝生?牧場?があって、その真ん中にテントが張られていた。
広々として気持ち良いか、それとも何もない広場の真中で寂しいか分からないが、天気さえ良ければ満天の星と黒々とした
巨大な富士山を望むことができるだろう。
そこは 「ふもとっぱら」 自然体験休暇施設で、キャンプや森林体験、気球体験などもできる宿泊施設でした。
更に車道を進むと、今度は富士宮市営の宿泊施設 「麓 山の家」 があった。この山の家は名前に合わないほど広く、
維持するのが大変そうだ。だが、ここを利用すれば毛無山にも容易に登れそうだ。
更に道を進むと、自然歩道は三角点の頂点の鋭角を曲がるようになっていて、そこには 「毛無山登山口」 の標識が有った。
東海自然歩道分岐 自然歩道の標識
自然歩道は車道と離れ再び山道に入ってから林の中を出ると、牧草地の先に牛舎らしき建物が見えた。
林と牧草地の間の道は、以前は草が生茂り不安も感じたが、今は踏み跡もしっかり付いていて明らかな山道だった。
前方に四阿が見えてきた。ここまで来れば朝霧道の駅はつい目と鼻の先なので20分もあれば充分着くだろう。
ここの道標に気になる事が書いてあり、以前にも疑問に感じていた。
「県境方面迂回路 (悪天候・自然歩道通行不能時のみ)」 と書いてあるのだ。
何故そんな事を書いてあるのか不思議だったが、今回自然歩道の案内板を見て分かった。
「この先一部区間が、降雨、雪時に水が溜りができてしまい、通行困難になる場合があります。土地の使用者のご厚意により
悪天候・自然報道通行不能時のみを条件として、迂回路として一時的に通行を許可して頂いています。
あくまでも私有地ですので、晴天時や自然歩道歩行可能時は使用しないでください。」 と書いてあった。
読まなければよかったな。疑問は解決したが、気兼しいしいの歩くになってしまう。
ハングライダーの離陸場 ハングライダーと毛無山
前回歩いた時は草が茫々で国道近くで道を外れてしまったが、今は轍の跡がハッキリ付いた完全な道になっていた。
これなら気兼しいしいと云っても、畑の中とか牧草地の中ではないので左程の事はない。どちらかと云えばうるさい地主だと思った。
ハングライダーの離陸場の丸い塚があるが人の気配はしない。だが後ろを振り返り上空を見ると、ハングライダーが3機空中を
舞っていた。ウワー!毛無山の上には雪が残っている。寒いだろうなー。ここの気温は5℃なので、あの上空なら零度以下だろう。
良くやるよな。私にはとてもできないしやる気もない。なんかこっちまで寒くなって身震いが出てきた。
毛無山と雨ヶ岳 朝霧高原道の駅
毛無山や雨ヶ岳に残っている雪は17日降ったのではないだろうか。だとするとあの日は矢張り天子山地を止めて、小笠山に
変更したのは正解だった。毛無山の標高は1964mでほぼ2000mもある。低山歩き専門の私には2000mとなると荷が重す
ぎるのかもしれない。
朝霧高原道の駅に4時15分到着。バスの時間は5時3分なので十分時間はある。それでは氷結を手に入れようと思ったが
道の駅でアルコールを売っているのかな? 確か高速のSAではアルコールは売っていない。
氷結やビールは売ってなかったが地酒のワンカップはあった。これまで乾杯を清酒でやった事はないが背に腹はかえれない。
最初の一口は違和感があったが、後は何でも同じだった。アルコールなら。