はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

知多四国21番常楽寺

2015-10-07 10:00:00 | 寺社遍路
歩行記録                                                         H27-8-8(土)
歩行時間:6時間05分   休憩時間:1時間45分   延時間:7時間50分
出発時刻:8時30分     到着時刻:16時20分
歩  数: 33、879歩(推定距離25.4km)    GPS距離24.2km
行程表
亀崎駅 0:35> 12番 0:35> 13番 0:05> 14番 0:20> 15番 0:30> 17番 0:05> 16番 0:45> 番外 0:15> 18番
 0:20> 19番 0:10> 20番 1:30> 21番 0:40> 22番 0:05> 23番 0:10> 武豊駅

                                  21番常楽寺(五条筋)

 
              塀の定規筋(コピー)                               常楽寺山門

 20番から21番常楽寺(じょうらくじ)へは、名鉄知多半田駅を通り国道247号を南下する道だった。半田駅の横を通りながら
今の体調を考えたが、当然疲れはあるものの足も体もまだ何の変調は無い。これなら遍路を続けても大丈夫だろうと判断した。

 常楽寺は国道沿いに長い築地塀を持つ大寺だった。寺の由緒書には 「當山八世は家康公の従弟たる因縁をもって、公自ら
三度にわたり当山に逗留。その後慶長七年寺領五十石のご朱印受領。」
とある。
ここに書かれている従弟とは、ウィキペディアによれば於大の妹の子となっていた。
更に常楽寺は 『尾張藩初代藩主の徳川義直から 「浄土宗西山派知多一群の総本山」 のお墨付を得たとされる寺院である。』
中々由緒ある寺のようである。

 更にネットを見て行くと 「常楽寺築地塀の五条筋」 等と紹介されているが意味が分からない。さらに調べると五条筋とは正確には
 「定規筋(じょうぎすじ)」 と言われ 「御所や格式の高い寺院では、壁面に定規筋と呼ぶ白色の横筋を入れる〈筋塀(すじべい)〉が
使われた。筋の数は格式によって異なり,最高は5本であった。」
 
これを読み慌てて常楽寺の写真を確認したが塀の写真は無かった。仕方なくネットの中から見付けた写真を紹介します。
 “百聞は一見にしかず” ですね。この塀の横を歩いている時は “長い塀だ、早く終わらないかな” と思っていたのだから情けない。
しかし総本山でもない常楽寺が何故最高権威の “五条筋” を許されているのだろう。それにこの許可は幕府が出したのか、それ
とも皇室が出したのか疑問は残ってしまった。
寺の縁起書にはこれらの事は全く触れておらず、次にあった仁王門の扁額の 「天龍山」 の山号の謂れも分からなかった。

           
                        本 堂                             お接待の数珠

 本堂正面に置かれた賽銭箱に葵の御紋が彫られている。これも徳川家の縁がある事から許されたのだろう。
だが賽銭箱には貼紙が2枚もしてあり、葵の紋は半分以上隠れていた。これではまるで掲示板だ。

 常楽寺の境内は6000坪もあり疲れている身には全てを回るには辛すぎた。木陰のベンチに腰を下ろすと動くの億劫になって
しまう。それでも気を取り直して納経所に行き呼鈴を押すが誰も出てこない。イライラしながら中を覗きこむと、知多四国霊場の
遍路地図が2種類も置いてあった。これら地図を購入すれば昔の遍路道も歩く事ができそうだが、この霊場は遍路道自体が
衰退し昔の道標も少ない。果たして私の手作り地図と比べてどっちの方が歩き易いだろうか。

 私の地図の利点は道が最短距離な事と、道の周辺状況が最新版だという事だ。弱点は手持ち地図の枚数を少なくしたいため、
ついつい地図の尺度を大きくしてしまい、実際現地に来てから分からなくなる事がたまにある事だ。
 そんな事を考えつつ待つ事数分、やっとお婆さんが 「お待たせしました」 と言いながら出てきた。一言言いたい気持ちを押さえて
納経料を治めると 「どうぞお使い下さい」 と表面に 「御数珠」 と印刷されたピンクの包みを手渡してくれた。
納経所を離れ早速ピンクの包みを開け見ると、小振りながら25個の数珠玉の数珠が入っていた。小さくても房の付いた大きめな
珠や、中間には2個の透明な珠も付いている。紐はゴムなので手の大きい人でも使えるようになっていた。
更にピンクの包みには 「親玉の中に弘法大師の御真影」 とも書かれているが意味が分からない。
親玉? 弘法大師が宗教家の親分なので、宗祖の集まったときでも弘法大師の御真影があると云う事か? 
疲れは肉体だけではなく頭にも来ているようで本当の意味は分からなかった。
だが家に帰り妻にこの数珠を見せているとき閃いた。親玉とは弘法大師の事ではなく数珠の一番大きい玉の事ではないかと。
数珠を手に取り大きい球を見てみると、玉の前後にガラス状の物が付いている。若しかして、と大きい穴を覗いて見たが青く見える
だけだった。今度は反対の小さな穴を覗くと何か見てきた。向きを明かりの方に向けると椅子に座った僧侶と、その頭上には天蓋が
見えた。そして像の左右には 「知多四国 21番常楽寺」 の文字も見えた。

 常楽寺さんありがとうございました。でも私は数珠は使う気はない。
何故って? それは数珠の意味や使い方も分からないのに、格好で使うのに抵抗があるからです。
それにしても常楽寺は色々気なるものが多く楽しかった。矢張りありがとうございました。

                                 20番から21番常楽寺への道