はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

大崩山塊富士山眺望比べ3

2015-10-11 15:55:49 | 低山歩き
歩行記録                                                          H27-10-7(水)
歩行時間:8時間30分   休憩時間:2時間00分   延時間:10時間30分
出発時刻:6時00分     到着時刻:16時30分
歩  数: 36、350歩(推定距離25.8km)    GPS距離23.3km
行程表
安倍川駅 0:55> 丸山花木展望台 0:10>  徳願寺 0:20> 佐渡山下 1:10> 平平農道出合 0:35> 芹ヶ谷峠 0:25> 
朝鮮岩 1:20> 満観峰 0:40> 日本坂峠 0:30> 花沢山 0:35> 314m峰 1:20 簡保入口 0:30 焼津駅

 
          朝鮮岩のロープ場の捲き道分点                          溜め壺の網

 朝鮮岩から満観峰まではハイキングコースなので特に説明はいらないでしょう。
ただ、このコースには標識のない分岐が多く、初めて歩く人は迷うかもしれないが、標識のない分岐は高い方に向かって行けば
間違いはありません。ようは一般コースは頂から頂に続くピークハンターが好む道になっています。

 その頂から景色が眺められれば良いが、残念ながら朝鮮岩から満観峰までの間で眺めの良い場所はありません。
否、あえて言うなら視界が開けた所がありません。
そうなるとわざわざ頂を登らないで捲き道を造りたくなるのが人情で、その結果分岐が増えたようです。
 今日は富士山を眺めるのが目的なので、あえて頂には拘らず捲き道と思われる道を歩いてみました。
捲き道の入口は全部で6か7ヶ所あって、その内2ヶ所は初めて歩く道でした。その2ヶ所、駄目なら戻れば良いとは思って
入ったものの、標識のない初めての道は若干の不安があり、それなりに緊張もします。と、同時にこの道が何処に出るかのと
好奇心も湧き嫌いではありません。
結果、歩いた道全てが捲き道でピ-クらしいピ-クは無く満観峰に着いてしまいました。20分以上は短縮したでしょうか。

 途中にあった溜め壺に網が張ってありました。こんな山の中なのに蚊の発生を防いでいるのでしょうか。でもその横にある
水の入ったタンクはそのままで、これでは意味が無いと思いつつ、タンクを覗くと金魚が何匹も泳いでいます。流石!

 
          四阿の撤去された満観峰山頂                          満観峰から焼津港

 柱が腐って立入禁止になっていた満観峰の四阿が撤去されていました。人口減で財政不安のある静岡市の事、四阿の再建は
無理だと思っていたら案の定でした。しかしいつまでも虎テープで立入禁止にしてあるより、この方がよっぽど良い。

 満観峰から花沢山の区間は東海自然歩道のバイパスコースで、道標もしっかりあり悩むような所はありません。

     
   (ヤマ)(ジノ)ホトトギス?               トリカブト                     マムシグサ

道端にホトトギスの花を見つけた。と思ったがこ、の花の正式な名前が思いつかない。
ヤマホトトギスでは “初鰹” と続いてしまいそうで変だ。ではミヤマホトトギスか? 調べてみるとホトトギスと名の付いた
花は何種類もあり、その内似ていたのは 「ホトトギス・ヤマホトトギス・ヤマジノホトトギス」の3種類だった。

 
           ヤマホトトギス                          ヤマジノホトトギス

 
       ホトトギス                            花沢山で見た花

特徴としてヤマホトトギスは 「花弁は白色で紫色の斑点が少数あって、裏側に反り返る。」
ヤマジノホトトギスは 「花弁は白色で紫色の斑点があり、下部に黄色の斑点がない。普通に山道に咲く。」(山路のホトトギス)
ホトトギスは 「花弁は白色で紫色の斑点が多く、斜めに半開する。」

 こうして比較してみると、花沢山に咲いていた花の特徴は 「紫色の斑点が多く、下部に黄色の斑点がある」 となる。
すると紫の斑点の少ないヤマホトトギスは除外され、黄色い斑点の無いヤマジノホトトギスも違う事になる。
すると残ったのはホトトギスになるので、一先ずこの花の名は 「ホトトギス」 としておこう。

 トリカブトの花を大崩山塊で見たのは初めてだったが、大崩山塊の植物を紹介した鈴木紳弌氏の 「低山の四季博物誌」 には
 「ヤマトリカブトは高山植物なのでこんな低い山にあるのは珍しい。」 と紹介されていた。
この花の近くには他にも3株ほど咲いていたが、誰かに採られないか心配だ。それにしても花の色が薄いのは何故だろう。
低山の四季博物館に掲載れている写真の色も紫が薄いが、これはこの山特有種なのか、それとも気温が高いせいなのか。
 トリカブトの名前も何種もあって 「トリカブト類は日本産だけでも30種以上もあって同定は容易でない。」 そうなので、一先ず
ここでは 「トリカブト」 としておきます。

 最後の手榴弾やモロコシにも似た実は 「マムシグサ」 の実だが、これがあの食虫植物のような花の実とは想像がつかない。
もう少し寒くなると粒々の実が全て真っ赤に色付いてきます。しかし春にはアチコチに咲いていた花なのに実を見るチャンスは
非常に少ない。若しかして雌雄異株なのかと思い調べると、案の定雌雄異株でした。

 花沢山直下の展望台から富士山方向を眺めていて気が付いた事がある。今日見た富士山は全ては静岡の街を懐に抱いた
富士山の景色で似た感じになっていた。これでは芸がなさすぎる。ならば若干景観は落ちても違う眺めの方が良い。例えば
満観峰の上に浮かぶ富士山が見える高草山や、尾根越しに富士山の上だけが見える富士見峠の眺めも面白いかもしれない。
次回の冠雪した富士山の眺望比べは、花沢山を止めて高草山に変更しようかな。

 
         用宗・簡保分岐の猪が採餌跡                            314峰入口

 花沢山からの写真を撮り終え今日の目的は終わった。あとはどの道を歩いて帰っても良いのだが、さてどうしよう。
来た道を日本坂峠に戻るのは馬鹿らしいし、かと言って用宗に向かうバイパスコースは電車賃が高くなるし氷結を売っている
店が無いかもしれない。と、なればカンポの尾根を下るしかないが、その尾根を何処で下るかで迷ってしまう。
尾根の終点のカンポ下も、砂張屋道標も、石部峠からも何度も歩いているので食指が動かない。さてどうしよう。

 そうだ思い出した。この尾根にはもう一つ石部峠から314峰に行き兎沢遺跡に抜ける下山道があった。
ヨシ!、久し振りにそこを歩いてみよう。コースが決まると少し足が速くなった。

 用宗と簡保下の分岐の所が、辺り一面耕したように黒土が顔を出していた。どうやら猪の仕業のようだ。
そんな状態な場所が長い階段の所までアチコチに見られた。
猪のミミズを取った跡は何度も見ているが、これ程広範囲に掘り返されていたのを見るのは初めてだった。

 314峰への入口は2ヶ所あるが、今回は石部峠を少し水車小屋方面に下った所にある入口から入った。
石部峠から100m程度下った左の杉の木に、ペンキで赤丸を書いた所が入り口です。他にも赤いテープの目印もあり
注意して歩けば見落とす事はないでしょう。
この入口からはハイキングコースではないので地理院の地図を貼りつけました。



 入口からの細い道を緩やかなに登って行くとすぐ稜線の道に出合います。稜線を上から来る道が、もう一つの入口からの道です。
合流したら稜線を右(北)方向に向かう尾根に、314峰への道があります。
314峰で道の向きが南方向に変わり、そこから急な斜面を下ります。その急斜面も15分も下れば農道に出合います。

    
                      314峰への道                                 314峰の祠
 
 314峰に続く短い稜線の道は、中々ワイルドな道で、大崩山塊では数少ない雰囲気を味わえる道です。
目印も少なく、瘠せ尾根(怖くない)や岩(石)を通り越え、時々道を塞ぐ(小さな)ブッシュを避けて歩いていると興奮してきます。
若しここを初めて歩く人なら不安も生じてくるでしょうが、入口から15分も歩けば314m峰の祠に着きます。
ただここで注意するのは、踏み跡の薄い時は必ず稜線に向かう事です。稜線さえ外れなければ必ず314m峰に着きます。

 
               農道が下に見えた                              314峰入口

 祠の所で向きを南にとるが、目印があるのを確認してから進んで下さい。
後は林の中の急斜面を下るだけですが、ここでの注意点は稜線の所より目印が少ないので踏み跡を確認する事です。
また途中で右(西)に向を変えるが、ここでも基本は稜線歩きですので、稜線を外して下に下らない事です。
右下に農道側面の擁壁が見えて来たらワイルドな道も終わりです。
 この道は444㎡峰や北のピークに比べても荒れているので、この様な道に慣れていない方は入らにない方が良いと思います。
                            農道出合からから簡保入口までの道

 
                農道土砂崩れ現場                          花沢山の懐に入る

 山道が農道に出た所は農道の最高点で、北に下れば花沢の水車小屋方面。南に下れば兎沢遺跡、小浜方面に下ります。
始めは兎沢遺跡に行く積りだったが農道の分岐点で気が変わり、そのまま直進する農道を終点まで行く事にした。
と、書くとあたかも距離を延ばしたみたいだが、本当のところは花沢の里か石脇口までの所謂 「やきつべの道」 のアップダウンを
避けたに過ぎない。どうやら平気なように書いた314m峰の道で、大分体力と集中心を消耗したようだ。

 兎沢遺跡への分岐から更に農道を直進して行くと、前方に倒木が見えてきた。どうやら土砂崩れのようだが人は何とか通り抜け
できそうだ。いつ崩れたか分からないが復旧の気配はない。ここが通行止でも前後の畑には迂回路があるので良しとしているのか。

 気分は既に終盤モード。のんびり、いやダラダラと焼津駅に向かって歩くのでした。
                                 簡保入口からから焼津駅までの道