歩行記録 H28-1-25(月)
歩行時間:6時間20分 休憩時間:1時間10分 延時間:7時間30分
出発時刻:7時10分 到着時刻:14時40分
歩 数: 31、974歩(推定距離22.7km) GPS距離24.1km
行程表
福用駅 1:05> 五輪段 0:10> 新展望地 0:20> 馬王平 0:35> 大垂(おおたるの)滝 0:35> 風倒(カザンタオ)峠
0:50> 前山集落入口 0:50> 前山橋 0:40> 八垂(やだれ)の滝 0:45> 家山駅
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/1c/b5abdf6de930da997f50374e3721a039.jpg)
午後のコースは風越峠から前山集落を通り家山に下ったら、家山川を溯って 「八垂の滝」 に行く。
何を隠そう今日の山行の第2目標がこの八垂の滝でした。この滝はブログ仲間のあやさんが、昨年春この滝の近くにある桜を
見に来た時に寄った所ですが、あの舗装道路歩きが嫌いそうな人がワザワザ寄ったのですから何か見るべき物が・・・・・・・・
それは冗談ですが、当地が記録的冷え込みになるのだから、あわよくばこの滝も氷瀑と化していないかの期待を胸に・・・・・・
風越峠から北はまだ歩いたことがないので、峠から家山でまでは約2時間、家山から滝の往復も2時間とみて計4時間。
これなら3時台の電車に間に合うので家に4時過ぎには帰れそうだと計算した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/95/33304730715e8f8cd0fe8e90cc721298.jpg)
風倒峠(正面看板の方向が家山で、左の看板側が掛川へ) 峠の道標
風倒峠の場所
風倒峠に10時15分着。南側が八高山の尾根に遮られていて太陽が射さない寒い林道を歩いてきたので陽射しが恋しい。
幸い尾根が終わった峠に日が射す場所があったので、日向ぼっこをしながら早めの昼飯とした。
縦走路への入口はこの峠の尾根の付け根にもあるが、ここから入ると景色も無く辛いだけのカザンタオ山のピークを越さないと
ならない。それが林道途中にあった入口からなら、ピークを巻いて道が付けられているので随分楽になる。
そうそう私はこの峠のことを 「風倒峠」 と紹介しているが、これは掛川駅で購入した「八高山・大尾山」 の地図に記載されていた
名称だが、現地に来るとその名前は何処にもなかった。峠にあった大きな案内板も現在地を “カザンタオ” としてある。
だいたいカザンタオって何だ。アイヌ語なのか、それとも宗教用語なのか。或いはその言葉が訛って “カザン≒かぜ≒風” となり
“たお≒たおれる≒倒れる” で風倒峠となった。と思うのは穿ちすぎだろうか。
峠にあった道標には、家山に7.8km、馬王平へ4.7kmとなっている。馬王平からここまでGPSでは4.9kmでほぼ合っている。
なら家山までは下りの林道で8km程なのだから十分2時間で行けそうだ。
そしてその道標にはもう一つ “富士山” の名前が書かれていたが、もちろん距離は記入されていなく富士山も見えなかった。
考えてみれば富士山が見えるなら富士山と書かなくても誰でも分かるのだから、見えないからこそ書いたのだろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/f3/fcff62bb585f23db9231358ddb5fd4d0.jpg)
林道横からの富士山と南アルプス
下り勾配だから楽に歩け不満もないが、景色は勿論他にも見るべきもない林道でした。
ところがカーブした林道の先が開けていて、富士山と南アルプスが同時に見える場所があった。
このように場所を変えずに富士山と南アルプスが同時に見える場所が、八高山の他の場所にあるだろうか? たぶん無いと思う。
ならこの場所が八高山随一の展望地になるのではないか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/a0/81d8f5d53df2ee6ba6452dd40750c32f.jpg)
林道横からの南アルプス
単調だった林道歩きもこの景色で報われました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/00/6143b9ec946cae673d6ef89ab57781b3.jpg)
林道の雪 林道が舗装路になった
馬王平から風倒峠の林道の雪には靴の足跡が付いてたが、ここの雪には車のタイヤの跡はあるが人の足跡は無かった。
もしかすると大垂滝の氷瀑を見に、車で風倒峠まで行き、峠から滝まで歩く人がいるのかもしれないな。
この林道は舗装はされていないので凸凹して水溜りが凍っているが、その範囲は狭くタイヤが滑ることはなさそうだ。
雪だって残っているが薄いので普通タイヤでもスリップすることもなさそうだが、幅員が狭いのですれ違いを考えると軽の方が
楽だろう。
峠から45分も歩くと電信柱が現れ最初の茶畑になった。その先の林道は舗装されているので前山集落は近そうだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/81/1ec4fe46444388389eac70926660865e.jpg)
前山集落越しに大井川と家山の街並み 前山入口
舗装路に入るとすぐ前山集落の屋根が見え、その下には大井川の流れと家山の街並みも見ていた。
家山には林道をそのまま下れば良いのだが、ここでスケベ根性を起こしたのがまずかった。
昨夜地理院の地図を見ていると、前山集落から林道を通らず麓の家山川に下る道を見つけた。道の表示が点線なので車道では
なく山道だろうが、道は前山と家山を結ぶ最短距離で、かっての前山の人が利用した道だろうと思われる。
現在の前山からの車道は林道しかないが、林道は車のためにヘアピンカーブやウネウネ曲がって距離が長くなっている。
なら近道を歩くに越したことはないと前山集落に向かった。
前山集落は10軒もなそうな小さい集落で、公会堂のような建物も見当たらない。おかげで道を聞く人もいなく狭い舗装路を行く。
いつもならネットの地図を印刷してくるのだが、先日Windows10にバージョンをしてから、PCがプリンターを認識しなくなり印刷が
出来なくなってしまっている。そのため今日はPCのモニターの地図をデジカメで写してきているのだが、案外鮮明で見やすかった。
難点は写っている範囲が狭い事だが当座には役立ちそうだ。
しかし結果は下る道は分からず引き返す羽目に。冒頭の地図の青い実線は引き返した道で、点線は歩く予定だった道です。
集落まで戻ると丁度正午で、同報無線のスピーカから “エーデルワイス” の曲が流れ出した。
山間の茶畑に囲まれた小さな集落で聞くエーデルワイスは、年寄りに鼻歌をさせる力を持っていました。
行きには人っ子一人いなかった道端に日向ぼっこをしているお年寄りがいたので、さっそく
「家山川の方に下りたいのですがどの道を行けばいいのでしょうか」
「あんたは何処から来たんだね」
「八高山から下ってきたけど、この先の茶畑で道が終わってしまって引き返してきました」
「ここから下に下る道は林道しかないよ」
「地図に前山から下に行く歩く道が載っているのですが」
「アー昔はほらあの先から下る道があったけど大分前に崩れてしまい、歩くもんもいないのでそのままにしちゃったから
今じゃぁとても歩けないよ」 だって。そこに新しい人が加わって
「あんた下から登ってきたのかね」
「いやぁ 八高さんから下りてきただってさ」
「そうずらなぁ あの道が歩けると思えにゃもんな」 とこんな調子で会話は進み、結局林道を下ることにしました。
集落入口に戻ったのは12時10分で30分ほど無駄足をしてしまったが、電車まではまだ3時間もあるので大丈夫だろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/fb/3e75625caa72509da0801cff0a157771.jpg)
前山の大杉 ? ?
前山集落の中に 「川根町の巨木の会認定木」 の看板の立つ大きな杉があったが、根元で幹別れしていて脇枝も少なく余り巨木とは
見えなかった。どちらかと言えば “大きな木” だった。
枝先に赤い小さな実が房のように付いた木があったが名前は不明。
次の真っ黒、いや濃い緑か青色をしたシダの葉があったが、これも名前は分からなかった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/18/a2363c5b536954aa4b7690f7d45e386f.jpg)
ヘアピンカーブして距離だけは伸びる林道は余り面白くない。飽きてきたころ下に川根の町が見えてきて、その上には南アルプスで
あろう山も見ている。大井川の上流は南アルプスと知っていても井川まで行かないとアルプスの実感は湧かなかったが、こんな景色を
見ると、なるほどここは南アルプス前衛の地だと思えてくる。
川根の町の少し上流に真っ赤になっている杉林が見えていた。あれが花粉症の元凶なのだが、幸いまだ花粉は出ていないようだ。
あれがあと一月もすると風のある日には、白っぽいガスのように花粉が流れてくる。
花粉症はまだ発症していない私だが、そんな中を歩くと鼻がむずむずしてまう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/6b/65f9b77dc4d2873af1150759998aaf15.jpg)
野守の池 家山川
野守の池の場所 前山橋の場所
林道も大分下がってくると 「野守の池」 が見えてきた。野守の池は池の真ん中が細くなった瓢箪形だったのだと初めて知った。
以前歩いた金谷の「童子沢」 に野守の池に関した案内板があった。
「京の高僧、夢窓国師の説法を聞き、慕うようになった遊女 “野守” は、修行の旅に出た国師を追って金谷の里までやってきた。
国師が草庵を結ぶ家山の池の畔までもう少しというこの地で、野守は遊女の頃に身ごもった赤子を産んで、里人の援助を受け育てた。
その後も野守は国師を思い切れずに子供を里人に託して家山に向かった。しかし険しい山道で野守が倒れると、その姿は突然鯉に
変わり、沢を遡り、沢が切れると空を飛び、山を越えて家山の里にある池へ入った。鯉の入った池を 「野守の池」 と呼ぶ。
金谷の里で野守の子供は育てられ、母親の思い出も残るこの沢で遊ぶようになり、病気もせずにたくましく育っていった。
不思議な事にこの沢で遊ぶ子供たちは皆健やかに育ったといい、いつの頃からかこの沢を 「童子(わっぱ)沢」 と呼ぶようになった。」
童子沢の場所
野守の池と言うとこの童子沢を思い出してしまうが、今年の春に行った大札山の麓の 「尾呂久保」 にもこんな伝説が残っていた。
「 昔、この池には大蛇が住み、村人達と仲良く暮らしていました。 ある日、村の女の子が栗拾いに来て、大蛇の目を栗と間違えて、
引張ってしまうと大蛇は怒って、その女の子を飲み込んでしまいました。村人達は大蛇が恐ろしくなり池から追い出しまいした。
大蛇は逃げる途中に近くの山から、住み慣れた池を振り返り、涙を流した所が 「蛇の涙」 とよばれています。
大蛇は家山の 「野守の 池」 へと逃げて行きましたが、野守の池へ行く途中にある 「上長尾・下長尾・中尾」 という地名は、大蛇が
逃げた道で、ここ尾呂久保(おろくぼ)も昔は 「尾呂地(おろち)の窪」 と呼ばれていたそうです。」
大井川がやっと見えてきた。写真下に見える川はこれから遡る家山川で、大井川はその先にあります。
林道のある場所が予定より大分下流に向かっているので、林道の出口によっては桜トンネルのある国道に出てしまいかねない。
嫌だなーと思いながら下っていくと、下の道に合流した場所は国道より100mほど上流でした。ただ問題は対岸に渡る橋が無ければ
国道まで行かなければならない。 で、上流をのぞき込むと有りました。矢張り100mはど上流に橋が見えた。
アー良かった。その橋が前山橋でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/8d/db7e862d721b31790f17f490ec7f4af3.jpg)
八垂の滝1 八垂の滝2
あやさんの紹介では家山から滝まで、行きも帰りも50分とあるので、足の遅い私でも1時間くらいで行けるだろうと予測した。
今時間は13時。これに2時間を加えると3時になり、電車が3時15分なので丁度良い時間だ。
県道63号藤枝森線は車は殆ど走っていないのでのんびり歩く事ができた。
この道は以前森町から団体歩行で2回歩いたことがあるが、その記憶は殆どなく情けないくらいだ。何しろ所属していた会の
モットーが 「より早く、より遠く」 で “ウォーキングはスポーツだ” の認識だから、速足で長距離を歩く事に主眼を置いている。
そのため途中にある名所や花など見返ることもなく通過していた。
そんな団体に4年ほど属していたが、徐々に 「観歩」 に惹かれるようになり、会を止め一人で歩くようになった。
しかしその会に属していたおかげで、今日のような単調な林道歩きも苦ではなくなり、また町中も山の恰好で平気で歩けるように
なった。感謝の気持ちで一杯です。
県道を歩いていると右側に小さな滝があったが、これがあやさんの言う 「もしかしてこれ?」 みたいな滝なのだろう。
紹介には八垂の滝は歩いていても見落とす分かりにくい場所だが、目印は左手に家山川にかかる橋の向こうに東海自然歩道の
休憩所があるとなっていた。
その橋と休憩所が見えてきたが滝は何処だ。県道に建っている道標には今まであった “八垂の滝” の案内が無くなっている。
アレー見落としたのかなと橋を渡り休憩所近くの道標を見ると 「八垂の滝(現在地)」 となっている。
目でアチコチを探すが無い。フト県道側見るとガードレールに案内板があり、何やら滝のようなものが見えていた。
オヤこの景色には覚えがあるゾ。そうだ以前団体で橋を渡って家山側に右折するとき、この看板に気が付いたが未練を残して
歩き去ったことがある。そーだあの滝だ。
オッと肝心な氷瀑ですが、氷瀑どころか氷も嫌、薄氷も張っていなかった。
多分駄目だろうと思っていたのでショックはないが、背中に背負った温度計は、何と!何と!28℃を指していた。
太陽を背にして歩いてきたので少しは高いと思ったが、夏日の気温より高いとは驚きだ。これでは氷が張る筈はない。しかも滝は
日を浴びる南の斜面にあるのだからどうしょうもない。その点大垂の滝は北の斜面にあるので日が射さず寒さも厳しいのだろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/b4/f643ad37f0c72f3bbfdc74fa19b4105a.jpg)
八尋の滝の場所 川根駅
滝からの帰りは県道だけで家山駅に戻った。理由は言わずと知れたメイン通りでないと氷結が買えないからです。
思惑通りに小さな酒屋の前に自動販売機があり氷結を買うことができた。このあと駅まで酒屋もコンビニもなかったのだから
春から勘が冴えていると自画自賛をしながら駅前の日の当たるベンチに腰を下ろし一人乾杯をしました。
歩行時間:6時間20分 休憩時間:1時間10分 延時間:7時間30分
出発時刻:7時10分 到着時刻:14時40分
歩 数: 31、974歩(推定距離22.7km) GPS距離24.1km
行程表
福用駅 1:05> 五輪段 0:10> 新展望地 0:20> 馬王平 0:35> 大垂(おおたるの)滝 0:35> 風倒(カザンタオ)峠
0:50> 前山集落入口 0:50> 前山橋 0:40> 八垂(やだれ)の滝 0:45> 家山駅
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/1c/b5abdf6de930da997f50374e3721a039.jpg)
午後のコースは風越峠から前山集落を通り家山に下ったら、家山川を溯って 「八垂の滝」 に行く。
何を隠そう今日の山行の第2目標がこの八垂の滝でした。この滝はブログ仲間のあやさんが、昨年春この滝の近くにある桜を
見に来た時に寄った所ですが、あの舗装道路歩きが嫌いそうな人がワザワザ寄ったのですから何か見るべき物が・・・・・・・・
それは冗談ですが、当地が記録的冷え込みになるのだから、あわよくばこの滝も氷瀑と化していないかの期待を胸に・・・・・・
風越峠から北はまだ歩いたことがないので、峠から家山でまでは約2時間、家山から滝の往復も2時間とみて計4時間。
これなら3時台の電車に間に合うので家に4時過ぎには帰れそうだと計算した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/01/5f32fd32537457b61199832fb0d8cbac.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/95/33304730715e8f8cd0fe8e90cc721298.jpg)
風倒峠(正面看板の方向が家山で、左の看板側が掛川へ) 峠の道標
風倒峠の場所
風倒峠に10時15分着。南側が八高山の尾根に遮られていて太陽が射さない寒い林道を歩いてきたので陽射しが恋しい。
幸い尾根が終わった峠に日が射す場所があったので、日向ぼっこをしながら早めの昼飯とした。
縦走路への入口はこの峠の尾根の付け根にもあるが、ここから入ると景色も無く辛いだけのカザンタオ山のピークを越さないと
ならない。それが林道途中にあった入口からなら、ピークを巻いて道が付けられているので随分楽になる。
そうそう私はこの峠のことを 「風倒峠」 と紹介しているが、これは掛川駅で購入した「八高山・大尾山」 の地図に記載されていた
名称だが、現地に来るとその名前は何処にもなかった。峠にあった大きな案内板も現在地を “カザンタオ” としてある。
だいたいカザンタオって何だ。アイヌ語なのか、それとも宗教用語なのか。或いはその言葉が訛って “カザン≒かぜ≒風” となり
“たお≒たおれる≒倒れる” で風倒峠となった。と思うのは穿ちすぎだろうか。
峠にあった道標には、家山に7.8km、馬王平へ4.7kmとなっている。馬王平からここまでGPSでは4.9kmでほぼ合っている。
なら家山までは下りの林道で8km程なのだから十分2時間で行けそうだ。
そしてその道標にはもう一つ “富士山” の名前が書かれていたが、もちろん距離は記入されていなく富士山も見えなかった。
考えてみれば富士山が見えるなら富士山と書かなくても誰でも分かるのだから、見えないからこそ書いたのだろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/f3/fcff62bb585f23db9231358ddb5fd4d0.jpg)
林道横からの富士山と南アルプス
下り勾配だから楽に歩け不満もないが、景色は勿論他にも見るべきもない林道でした。
ところがカーブした林道の先が開けていて、富士山と南アルプスが同時に見える場所があった。
このように場所を変えずに富士山と南アルプスが同時に見える場所が、八高山の他の場所にあるだろうか? たぶん無いと思う。
ならこの場所が八高山随一の展望地になるのではないか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/a0/81d8f5d53df2ee6ba6452dd40750c32f.jpg)
林道横からの南アルプス
単調だった林道歩きもこの景色で報われました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/be/6a755dd6563b1bed1058d1f777dae088.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/00/6143b9ec946cae673d6ef89ab57781b3.jpg)
林道の雪 林道が舗装路になった
馬王平から風倒峠の林道の雪には靴の足跡が付いてたが、ここの雪には車のタイヤの跡はあるが人の足跡は無かった。
もしかすると大垂滝の氷瀑を見に、車で風倒峠まで行き、峠から滝まで歩く人がいるのかもしれないな。
この林道は舗装はされていないので凸凹して水溜りが凍っているが、その範囲は狭くタイヤが滑ることはなさそうだ。
雪だって残っているが薄いので普通タイヤでもスリップすることもなさそうだが、幅員が狭いのですれ違いを考えると軽の方が
楽だろう。
峠から45分も歩くと電信柱が現れ最初の茶畑になった。その先の林道は舗装されているので前山集落は近そうだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/2c/231e26cc936d355b376b6f3d334de99e.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/81/1ec4fe46444388389eac70926660865e.jpg)
前山集落越しに大井川と家山の街並み 前山入口
舗装路に入るとすぐ前山集落の屋根が見え、その下には大井川の流れと家山の街並みも見ていた。
家山には林道をそのまま下れば良いのだが、ここでスケベ根性を起こしたのがまずかった。
昨夜地理院の地図を見ていると、前山集落から林道を通らず麓の家山川に下る道を見つけた。道の表示が点線なので車道では
なく山道だろうが、道は前山と家山を結ぶ最短距離で、かっての前山の人が利用した道だろうと思われる。
現在の前山からの車道は林道しかないが、林道は車のためにヘアピンカーブやウネウネ曲がって距離が長くなっている。
なら近道を歩くに越したことはないと前山集落に向かった。
前山集落は10軒もなそうな小さい集落で、公会堂のような建物も見当たらない。おかげで道を聞く人もいなく狭い舗装路を行く。
いつもならネットの地図を印刷してくるのだが、先日Windows10にバージョンをしてから、PCがプリンターを認識しなくなり印刷が
出来なくなってしまっている。そのため今日はPCのモニターの地図をデジカメで写してきているのだが、案外鮮明で見やすかった。
難点は写っている範囲が狭い事だが当座には役立ちそうだ。
しかし結果は下る道は分からず引き返す羽目に。冒頭の地図の青い実線は引き返した道で、点線は歩く予定だった道です。
集落まで戻ると丁度正午で、同報無線のスピーカから “エーデルワイス” の曲が流れ出した。
山間の茶畑に囲まれた小さな集落で聞くエーデルワイスは、年寄りに鼻歌をさせる力を持っていました。
行きには人っ子一人いなかった道端に日向ぼっこをしているお年寄りがいたので、さっそく
「家山川の方に下りたいのですがどの道を行けばいいのでしょうか」
「あんたは何処から来たんだね」
「八高山から下ってきたけど、この先の茶畑で道が終わってしまって引き返してきました」
「ここから下に下る道は林道しかないよ」
「地図に前山から下に行く歩く道が載っているのですが」
「アー昔はほらあの先から下る道があったけど大分前に崩れてしまい、歩くもんもいないのでそのままにしちゃったから
今じゃぁとても歩けないよ」 だって。そこに新しい人が加わって
「あんた下から登ってきたのかね」
「いやぁ 八高さんから下りてきただってさ」
「そうずらなぁ あの道が歩けると思えにゃもんな」 とこんな調子で会話は進み、結局林道を下ることにしました。
集落入口に戻ったのは12時10分で30分ほど無駄足をしてしまったが、電車まではまだ3時間もあるので大丈夫だろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/b0/31c7abe0891d14d4750b6c6ecebfe976.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/90/3d60160525af4c8033346bfa8c16e813.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/fb/3e75625caa72509da0801cff0a157771.jpg)
前山の大杉 ? ?
前山集落の中に 「川根町の巨木の会認定木」 の看板の立つ大きな杉があったが、根元で幹別れしていて脇枝も少なく余り巨木とは
見えなかった。どちらかと言えば “大きな木” だった。
枝先に赤い小さな実が房のように付いた木があったが名前は不明。
次の真っ黒、いや濃い緑か青色をしたシダの葉があったが、これも名前は分からなかった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/fd/faf2babd5b2de1809b1b5e420b9eff98.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/18/a2363c5b536954aa4b7690f7d45e386f.jpg)
ヘアピンカーブして距離だけは伸びる林道は余り面白くない。飽きてきたころ下に川根の町が見えてきて、その上には南アルプスで
あろう山も見ている。大井川の上流は南アルプスと知っていても井川まで行かないとアルプスの実感は湧かなかったが、こんな景色を
見ると、なるほどここは南アルプス前衛の地だと思えてくる。
川根の町の少し上流に真っ赤になっている杉林が見えていた。あれが花粉症の元凶なのだが、幸いまだ花粉は出ていないようだ。
あれがあと一月もすると風のある日には、白っぽいガスのように花粉が流れてくる。
花粉症はまだ発症していない私だが、そんな中を歩くと鼻がむずむずしてまう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/3c/a32e16d5f8385de1c548004a094c015d.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/6b/65f9b77dc4d2873af1150759998aaf15.jpg)
野守の池 家山川
野守の池の場所 前山橋の場所
林道も大分下がってくると 「野守の池」 が見えてきた。野守の池は池の真ん中が細くなった瓢箪形だったのだと初めて知った。
以前歩いた金谷の「童子沢」 に野守の池に関した案内板があった。
「京の高僧、夢窓国師の説法を聞き、慕うようになった遊女 “野守” は、修行の旅に出た国師を追って金谷の里までやってきた。
国師が草庵を結ぶ家山の池の畔までもう少しというこの地で、野守は遊女の頃に身ごもった赤子を産んで、里人の援助を受け育てた。
その後も野守は国師を思い切れずに子供を里人に託して家山に向かった。しかし険しい山道で野守が倒れると、その姿は突然鯉に
変わり、沢を遡り、沢が切れると空を飛び、山を越えて家山の里にある池へ入った。鯉の入った池を 「野守の池」 と呼ぶ。
金谷の里で野守の子供は育てられ、母親の思い出も残るこの沢で遊ぶようになり、病気もせずにたくましく育っていった。
不思議な事にこの沢で遊ぶ子供たちは皆健やかに育ったといい、いつの頃からかこの沢を 「童子(わっぱ)沢」 と呼ぶようになった。」
童子沢の場所
野守の池と言うとこの童子沢を思い出してしまうが、今年の春に行った大札山の麓の 「尾呂久保」 にもこんな伝説が残っていた。
「 昔、この池には大蛇が住み、村人達と仲良く暮らしていました。 ある日、村の女の子が栗拾いに来て、大蛇の目を栗と間違えて、
引張ってしまうと大蛇は怒って、その女の子を飲み込んでしまいました。村人達は大蛇が恐ろしくなり池から追い出しまいした。
大蛇は逃げる途中に近くの山から、住み慣れた池を振り返り、涙を流した所が 「蛇の涙」 とよばれています。
大蛇は家山の 「野守の 池」 へと逃げて行きましたが、野守の池へ行く途中にある 「上長尾・下長尾・中尾」 という地名は、大蛇が
逃げた道で、ここ尾呂久保(おろくぼ)も昔は 「尾呂地(おろち)の窪」 と呼ばれていたそうです。」
大井川がやっと見えてきた。写真下に見える川はこれから遡る家山川で、大井川はその先にあります。
林道のある場所が予定より大分下流に向かっているので、林道の出口によっては桜トンネルのある国道に出てしまいかねない。
嫌だなーと思いながら下っていくと、下の道に合流した場所は国道より100mほど上流でした。ただ問題は対岸に渡る橋が無ければ
国道まで行かなければならない。 で、上流をのぞき込むと有りました。矢張り100mはど上流に橋が見えた。
アー良かった。その橋が前山橋でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/db/0e54e14574f46b7c3df7d96b09659554.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/8d/db7e862d721b31790f17f490ec7f4af3.jpg)
八垂の滝1 八垂の滝2
あやさんの紹介では家山から滝まで、行きも帰りも50分とあるので、足の遅い私でも1時間くらいで行けるだろうと予測した。
今時間は13時。これに2時間を加えると3時になり、電車が3時15分なので丁度良い時間だ。
県道63号藤枝森線は車は殆ど走っていないのでのんびり歩く事ができた。
この道は以前森町から団体歩行で2回歩いたことがあるが、その記憶は殆どなく情けないくらいだ。何しろ所属していた会の
モットーが 「より早く、より遠く」 で “ウォーキングはスポーツだ” の認識だから、速足で長距離を歩く事に主眼を置いている。
そのため途中にある名所や花など見返ることもなく通過していた。
そんな団体に4年ほど属していたが、徐々に 「観歩」 に惹かれるようになり、会を止め一人で歩くようになった。
しかしその会に属していたおかげで、今日のような単調な林道歩きも苦ではなくなり、また町中も山の恰好で平気で歩けるように
なった。感謝の気持ちで一杯です。
県道を歩いていると右側に小さな滝があったが、これがあやさんの言う 「もしかしてこれ?」 みたいな滝なのだろう。
紹介には八垂の滝は歩いていても見落とす分かりにくい場所だが、目印は左手に家山川にかかる橋の向こうに東海自然歩道の
休憩所があるとなっていた。
その橋と休憩所が見えてきたが滝は何処だ。県道に建っている道標には今まであった “八垂の滝” の案内が無くなっている。
アレー見落としたのかなと橋を渡り休憩所近くの道標を見ると 「八垂の滝(現在地)」 となっている。
目でアチコチを探すが無い。フト県道側見るとガードレールに案内板があり、何やら滝のようなものが見えていた。
オヤこの景色には覚えがあるゾ。そうだ以前団体で橋を渡って家山側に右折するとき、この看板に気が付いたが未練を残して
歩き去ったことがある。そーだあの滝だ。
オッと肝心な氷瀑ですが、氷瀑どころか氷も嫌、薄氷も張っていなかった。
多分駄目だろうと思っていたのでショックはないが、背中に背負った温度計は、何と!何と!28℃を指していた。
太陽を背にして歩いてきたので少しは高いと思ったが、夏日の気温より高いとは驚きだ。これでは氷が張る筈はない。しかも滝は
日を浴びる南の斜面にあるのだからどうしょうもない。その点大垂の滝は北の斜面にあるので日が射さず寒さも厳しいのだろう。
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八尋の滝の場所 川根駅
滝からの帰りは県道だけで家山駅に戻った。理由は言わずと知れたメイン通りでないと氷結が買えないからです。
思惑通りに小さな酒屋の前に自動販売機があり氷結を買うことができた。このあと駅まで酒屋もコンビニもなかったのだから
春から勘が冴えていると自画自賛をしながら駅前の日の当たるベンチに腰を下ろし一人乾杯をしました。