羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

さよなら、先生。

2010年04月07日 | Weblog
三人のこどもたちはみんな診てもらった。
わたしもいつもそこへ自転車を走らせた。
風邪ひいた、頭痛のクスリが足りない、
いつもいつも先生のところへ行った。


学校の検診で長女の病気が疑われたとき、
先生は最初「よくあること、大丈夫よ」と言ってくれた。
それでも検査を重ね、「これは・・・」と思ったときすぐに、
わたしに電話をしてきてくれた。「すぐ来て、あなただけでいいから」と。
医院からの帰り道、自転車をこぎながら、
大きな不安に胸がふさがれて泣きそうになったことをよく覚えている。

そのあとも、わたしの顔を見ると先生は長女の心配をしてくれた。
彼女が結婚したときは写真をもって報告にいった。
何十年もお世話になったかかりつけの先生。
先月末で閉院となった。
最後の日「長い間ほんとうにありがとうございました」と言葉にしたら、
やっぱり泣きそうになった。

近くに医院はない。
これからどうすればいいのだろう。
先生のところにたどりつき、先生の顔をみたらいつも安心だった。
こんなふうにして、ひとはひとと別れていくんだね。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿