羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

半島へ

2014年09月02日 | Weblog
突然の訃報に衝撃を受けた。
昨日の朝刊で稲葉真弓さんが亡くなったことを知る。
すい臓癌でまだ64歳だった。
稲葉さんを初めて知ったのは「ミーのいない朝」だったろうか。
好きな作家で詩人。それから「声の娼婦」「エンドレスワルツ」・・次々と読んだ。
最近では「半島へ」で谷崎潤一郎賞を受賞されたことが記憶に新しい。

この「半島へ」は「あ~新しい本出たんだー」と思っていた頃、
読書家のTさんから「もう読まれましたか?半島へは猫も連れて行ったそうですよ」と
メールをいただきあわてて本屋へ行った覚えがある。

その憧れの稲葉さんにお会いすることができたのは三年前、
近代文学館で「震災援助朗読会 言葉を信じる」があったときだ。
伊藤比呂美さんや白石かずこさんや高橋睦郎さんやそうそうたるメンバーが
駒場にいらしたあのとき、稲葉さんも自作の詩を朗読された。
柔らかな物腰、すっきりとした外見、穏やかな声。
あらためて好きになった。

衝撃の訃報。
それでも日々は変わりなく流れていく。
また稲葉さんの本を読み直そうと思った。

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