羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

アール座 読書館

2009年10月27日 | Weblog
どこまでも澄みきった空が眩しく、
晩秋の日差しはやさしい。
そしてわたしは仕事休みで、体調も悪くない。
布団を干しながら、猫とベランダで伸びをする。
「今日はどうしようか」

実は目覚めはあまりよくなかった。
毎日が楽しくて朝からニッコニコ笑顔なんて有り得ないし、
どこか遠くにあるかもしれないひそやかな愉しみも、
ここではないどこか桃源郷ほどの場所とも思えない。
ようするにハッキリいって毎日がつまらない状態。

また朝がきちゃったのか、状態。
でも好きな秋が終わろうとしている。
まだサヨナラがいえるほど充分に秋と睦みあっていない。

出かけようと思った。
今週はハードかもしれないので、遠くへは行けない。

先日、元気がないメールをよこした娘を誘ってどこかへ。

そこで思い出したのが、高円寺にあるブックカフェ「アール座読書館」
この喫茶店をTさんに教えて貰ってからいつか行きたいと思っていた。

一歩中に入ると、そこは不思議な空間だった。
木々が多く、林のような雰囲気があるが、水槽もある。
列車のような座席もあれば、小学生の時のような木の椅子も。
そして、たくさんの本。
娘とわたしの好きな本が多く、嬉しくなる。
同人誌も置いてくれるらしいので、彼女と顔を見合わせた。
「薄紫の冬桜」ね、どうしようか。

静かなお店なので、小声でお喋り。
新品の服はあまり買わない、古着を着こなし、節約第一の二人。
でもときに、こういうお店で美味しいお茶を飲み、
スィーツを食べて過ごすのはささやかな贅沢で大切な時間。

店主のお兄さんもカッコよくて優しい雰囲気が素敵だった。

わたしも娘も満足して店を出た。
風が冷たい。でも、居心地のよい場所に並んでいた好きな本たちが、
とても幸せそうだったのを思い出しほんわかする。
バスの窓から見た秋の終わりは、高円寺の路地裏を歩いたときにも、
ちゃんとついてきていた。

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