羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

文学に見る『大人の恋』

2005年05月13日 | Weblog
いわゆる『不倫』を描いた小説は多いと思います(小説に限りませんが、、)。

新聞に連載中の渡辺惇一さんの『愛の流刑地』も話題になっているようですね。

わたしは読書が趣味ながら、偏りがあるようで残念ながら渡辺さんの作品も殆ど読んでいません。

掲載の新聞は仕事先でたまに目にすることはあります。渡辺さんの『男と女』という文庫、これは、

小説や講演会や対談から、作家の発言や表現を集めた本なのですが、不倫についてこんなコメントが

あります。『離婚はよくない、まして不倫は絶対許せないのでは、既婚者たちはどうすればいいのか。

一度結婚したら、もはや永遠に心変わりは許さないというのでは、個人の愛の自由の抹殺になりかねない。

これを防ぐには、せめてアメリカのように離婚を罪悪視せずもっとオープンに、前向きに認めて行くような

環境づくりが必要でしょう。』

また、高樹のぶ子さんとの対談では、『好きな人を追うのは永遠の愛の真実なのに、それを不倫というのは

たまたま二十世紀に幅をきかせている倫理に逆らってるだけで、二十一、二世紀になったら消える倫理かも

しれない』と仰っています。

そう、高樹のぶ子さんは、わたしの好きな作家の一人です。高樹さんは、フランス文学者の海老坂武さんと

の対談で『男性というのは、アナザーワールド、への窓口である、その人を通し別世界を覗き見ることが

できる。』『中年の恋愛の魅力は、その人が苦しんだり喜んだりしながら何十年と生きてきた人生をわりと

短期間に自分に取りこむことが出きるということだと思う』と、発言されていて、とても共感しました。

海老沢さんの『中年は恋愛の適齢期』という本も読んだ覚えがあります。

わたしの立場からは都合の良い個所が目に入りやすいのは必至で、他にもいろいろな本を読みましたが、

まるで文学が自分の味方になってくれるような錯覚さえ起こしたものです。でも現実はなかなかどうして

手強いものですね。いつの日かもっと冷静になって「文学に見る大人の恋」について考察してみるのも、

いいかもしれません。

ゆうさん、コメントありがとうございました。
反対の立場、でも同じ世代、そして女性同志、もっとお話してみたい、と思いました。

すみれこ

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