羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

無垢の信頼は罪なりや

2010年02月26日 | Weblog
三鷹市報に載っていた「太宰治ウォーキングラリー」、それぞれが自由に参加して、
ポイントに書いてある言葉を書き込んでいく。
いつだったか次女が「斜陽」からこんな言葉を書き出していたのを思い出す。
「無垢の信頼は罪なりや」

その次女と自転車で出発して、最初に見つけたポイントは「連雀湯跡」だった。
そして、なんと!わたしの記憶がふと甦る。「ここは知ってる」
記憶を確かめるため、帰宅後、母に聞いてみたら、
「そうよ、あそこのお風呂屋さんに小さいあなた達を連れてよく行ったわ」。


お風呂屋さん跡にビックリしながら百日紅を探す。
このあたり、と思っていったら間違いだったりして、時間がかかった。




途中、太宰治文学サロンに寄り、スタッフのかたにいろいろ親切に教えてもらう。
ウナギ屋さんがわからないと言ったら、「ご案内しましょうか」とまで言っていただいた。
有り難いお言葉だったが、自転車なので辞退して、そこを出たところで、
同じようにラリーのカードを手にしている女性に会った。
この鰻屋さんで太宰はよく編集者と打ち合わせをしていたとのこと。


10箇所めのポイントは、あの有名な跨線橋。ここで夕陽や山並みを眺めるのが好きだったという。中央線にかかる陸橋で、当時の雰囲気がそのまま残っている場所だから、娘も感慨深いようすで黙って遠くを見ていた。
橋の上に座りこんでパンを食べている親子連れや、散歩の途中に足をとめる人がいる。


近所にこんなにゆかりの場所があったのか、と正直、驚くことが多かった。
山崎富栄の下宿先あと。最後の日、二人で死に場所を求めて出かけたそこは、
ほとんど多摩川上水の目の前。
二人はいつも、この川の流れを見て、そして何を話していたのだろう、ふとそんなことを思った。


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